116 / 119
116 運命の
しおりを挟む
旭輝がどんな中学生だったのかと思いを馳せて。
お互いをまだちっとも知らなかった頃、同じドラマを見ていた。たったそれだけのことで胸のところがくすぐったかった。
まだ自分がどんな恋愛をするのか、見当さえつかなかった頃、僅かに、テレビの電波越しに赤い糸が毎週俺たちを繋げていたみたいな。
そんなことを言ったら、運命の恋を夢見る中高生みたいで恥ずかしいけれど。
でもそんなことを思っちゃうくらい、本当に旭輝としているこの恋が俺にとってはかけがえのないもので、一番で、宝物で。
だからね、今日もゴムなしでしようよって言ったら旭輝が困った顔して笑った。あれはたまにしかダメって。この前、それでしたばかりだって。
でも、ゴムなしでしたほうが気持ちいでしょ?
それにね。
「あ、熱」
それに、旭輝だけは特別だから。
特別、大好きな人だから、そのまま繋げたい。
「あっ……」
そう思った。
ゴムへと伸ばした手を捕まえて、俺の肌に触れさせながら、早くこのままっておねだりをもう一度すると、困った顔のまま「じゃあ、いただきます」なんて言うから笑っちゃった。甘くてやらしい行為の最中、ベッドの上で溢れた楽しそうな俺の笑い声。
こんなセックスしたことないよ。やらしくて、気持ち良くて、まるで幸せがつま先の端っこのもっと端っこまで染み込んだみたいなセックス。
「旭輝、ぅ……ン」
大きく脚を広げながら、大好きな人の背中に手を回す。
「聡衣」
「ン」
グググって腰を押し付けながら、十分すぎるくらいに柔らかくなった俺の中に、旭輝の熱くて硬いのが入ってくる。
「んっ、あっ」
気持ち、ぃ。
「あぁっ……」
運命の恋だから、かな……なんて。
だって、触れ合うこと全部がこんなに気持ちいいセックスはしたことないから。
「聡衣?」
「?」
なに? って、名前を呼ばれて顔をあげると、まだ挿入しただけで、馴染むのをじっと待っていてくれる旭輝が背中を丸めて頬にキスをくれた。
「ン」
中でちょっとだけ、その先端が柔らかくなった内壁を撫でた。ただそれだけで、身震いするほど気持ち良くて。
「今、どうかしたか?」
「?」
なにが?
「可愛い顔した」
「!」
「っ、それに、今も、だな……中が」
今、どうもしてないよ。ただ繋がっただけで気持ち良くて。
「中がしゃぶりつく、聡衣」
「あ、ダメっ」
まだ繋がっただけなのに、もうこんなに蕩けちゃうくらいで。
「聡衣、動くぞ」
「あンっ」
こんなになっちゃうのは運命の恋だから、なのかな、なんて、夢見る子どもみたいなことを思った、だけ。
「あぁっ」
弱いところを熱の先端で擦り上げるように刺激されると、つま先まで快感が駆け抜ける。ビリビリするくらいの甘い刺激につま先が丸まって、その脚で行儀悪く旭輝の腰を押さえつけちゃう。
「うぅ……ンっ、あ、あっ、そこ」
もっと。
「聡衣」
「ひぅ…………んっ、あ、やぁっ……ン」
もっとして。
「あ、ン……乳首」
責められて、甘い声がとめどなく溢れてく。
「あン」
胸に、首筋に赤い印がつくだけで、彼のものになれたって、身体も気持ちも嬉しそうに悦んで。
好きが胸の内で溢れて。
「あ、ん、ダメ、それ」
気持ちいいが身体の中に広がって。
「あ、あ、あ」
滴るくらいにたっぷり染み込んでく。
「聡衣」
耳元で囁かれるとたまらないその低音に刺激されて、中がやんわりと、音がしちゃいそうなくらいねっとり、旭輝の大きいのに絡みついた。
「やぁぁぁ」
イっちゃった。甘イキが止まらないの。
「あ、あ、あ、だ……め……今、俺」
ゆっくり責められて、とめどくなく溢れてくる。
なに、これ。
「やぁ……んっ」
「聡衣」
あ、奥。
「愛してる」
「っ、ん、んんんんっ」
奥に、来ちゃう。
「あ、あぁっ……」
解されてないところ。そこまでは彼の長い指ですら届かなくて、入られたら苦しくてたまらないところ。
「あ、あっ、ん、あぁっ……あ、あ」
入っちゃ、ダメなとこ。
「聡衣」
「あ、もっと……」
愛してる人しか、入っちゃダメなとこ。
「もっときて」
奥に。
「くせになっちゃいそ」
「聡衣?」
「俺、ね」
奥って苦手だったんだよ? 苦しくてさ、内臓抉られるみたいな感じがして怖いし。俺って怖いの大嫌いでしょ? だから、それは許してあげなかった。それしないでって、拒否してた。身体もね。
なのに旭輝が入ってきちゃうのは拒まなかった。
気持ちも。
身体も。
「……ぁ……ン、旭輝に触られたとこ全部気持ち良すぎて、こんなにイッちゃう身体じゃなかったの、に」
ほら、また。
中がきゅぅ……ん、ってした。
「あっ、イク、の、止まんないっ」
気持ちいいが溢れてく。
「やぁっ、あ、あ……また、イッ……ク」
肌が弾ける音がベッドの上に響く。
「あ、あ、あ、あ、そこ、好き、気持ち、ぃ」
キスの音と、繋がった場所の濡れた音。
「や、ぁ……イク、イクっ」
何もかもが。
「あ、旭輝、名前っ、呼ん、で」
「聡衣」
「あ、あぁっン」
「愛してる」
「あっ、それ、ダメっ、言っちゃっ……あ、あ、ああぁぁぁっ、ン」
気持ちい。
「も、ダメ、それ言うの」
「無理」
「あ、ン、今、イッた」
「あぁ、すごく気持ちいい」
「ひ、ぁっ……あっ」
「愛してる」
「あ、だからっ」
「聡衣」
「も、だめってばっ」
こんなに気持ちいいセックスは。
「愛してる」
「あ、あぁぁぁぁ」
運命の恋じゃなくて。
「も、旭輝」
「?」
しがみついてその耳朶にキスをした。
「俺も……愛してる」
運命の愛に、キスをした。
お互いをまだちっとも知らなかった頃、同じドラマを見ていた。たったそれだけのことで胸のところがくすぐったかった。
まだ自分がどんな恋愛をするのか、見当さえつかなかった頃、僅かに、テレビの電波越しに赤い糸が毎週俺たちを繋げていたみたいな。
そんなことを言ったら、運命の恋を夢見る中高生みたいで恥ずかしいけれど。
でもそんなことを思っちゃうくらい、本当に旭輝としているこの恋が俺にとってはかけがえのないもので、一番で、宝物で。
だからね、今日もゴムなしでしようよって言ったら旭輝が困った顔して笑った。あれはたまにしかダメって。この前、それでしたばかりだって。
でも、ゴムなしでしたほうが気持ちいでしょ?
それにね。
「あ、熱」
それに、旭輝だけは特別だから。
特別、大好きな人だから、そのまま繋げたい。
「あっ……」
そう思った。
ゴムへと伸ばした手を捕まえて、俺の肌に触れさせながら、早くこのままっておねだりをもう一度すると、困った顔のまま「じゃあ、いただきます」なんて言うから笑っちゃった。甘くてやらしい行為の最中、ベッドの上で溢れた楽しそうな俺の笑い声。
こんなセックスしたことないよ。やらしくて、気持ち良くて、まるで幸せがつま先の端っこのもっと端っこまで染み込んだみたいなセックス。
「旭輝、ぅ……ン」
大きく脚を広げながら、大好きな人の背中に手を回す。
「聡衣」
「ン」
グググって腰を押し付けながら、十分すぎるくらいに柔らかくなった俺の中に、旭輝の熱くて硬いのが入ってくる。
「んっ、あっ」
気持ち、ぃ。
「あぁっ……」
運命の恋だから、かな……なんて。
だって、触れ合うこと全部がこんなに気持ちいいセックスはしたことないから。
「聡衣?」
「?」
なに? って、名前を呼ばれて顔をあげると、まだ挿入しただけで、馴染むのをじっと待っていてくれる旭輝が背中を丸めて頬にキスをくれた。
「ン」
中でちょっとだけ、その先端が柔らかくなった内壁を撫でた。ただそれだけで、身震いするほど気持ち良くて。
「今、どうかしたか?」
「?」
なにが?
「可愛い顔した」
「!」
「っ、それに、今も、だな……中が」
今、どうもしてないよ。ただ繋がっただけで気持ち良くて。
「中がしゃぶりつく、聡衣」
「あ、ダメっ」
まだ繋がっただけなのに、もうこんなに蕩けちゃうくらいで。
「聡衣、動くぞ」
「あンっ」
こんなになっちゃうのは運命の恋だから、なのかな、なんて、夢見る子どもみたいなことを思った、だけ。
「あぁっ」
弱いところを熱の先端で擦り上げるように刺激されると、つま先まで快感が駆け抜ける。ビリビリするくらいの甘い刺激につま先が丸まって、その脚で行儀悪く旭輝の腰を押さえつけちゃう。
「うぅ……ンっ、あ、あっ、そこ」
もっと。
「聡衣」
「ひぅ…………んっ、あ、やぁっ……ン」
もっとして。
「あ、ン……乳首」
責められて、甘い声がとめどなく溢れてく。
「あン」
胸に、首筋に赤い印がつくだけで、彼のものになれたって、身体も気持ちも嬉しそうに悦んで。
好きが胸の内で溢れて。
「あ、ん、ダメ、それ」
気持ちいいが身体の中に広がって。
「あ、あ、あ」
滴るくらいにたっぷり染み込んでく。
「聡衣」
耳元で囁かれるとたまらないその低音に刺激されて、中がやんわりと、音がしちゃいそうなくらいねっとり、旭輝の大きいのに絡みついた。
「やぁぁぁ」
イっちゃった。甘イキが止まらないの。
「あ、あ、あ、だ……め……今、俺」
ゆっくり責められて、とめどくなく溢れてくる。
なに、これ。
「やぁ……んっ」
「聡衣」
あ、奥。
「愛してる」
「っ、ん、んんんんっ」
奥に、来ちゃう。
「あ、あぁっ……」
解されてないところ。そこまでは彼の長い指ですら届かなくて、入られたら苦しくてたまらないところ。
「あ、あっ、ん、あぁっ……あ、あ」
入っちゃ、ダメなとこ。
「聡衣」
「あ、もっと……」
愛してる人しか、入っちゃダメなとこ。
「もっときて」
奥に。
「くせになっちゃいそ」
「聡衣?」
「俺、ね」
奥って苦手だったんだよ? 苦しくてさ、内臓抉られるみたいな感じがして怖いし。俺って怖いの大嫌いでしょ? だから、それは許してあげなかった。それしないでって、拒否してた。身体もね。
なのに旭輝が入ってきちゃうのは拒まなかった。
気持ちも。
身体も。
「……ぁ……ン、旭輝に触られたとこ全部気持ち良すぎて、こんなにイッちゃう身体じゃなかったの、に」
ほら、また。
中がきゅぅ……ん、ってした。
「あっ、イク、の、止まんないっ」
気持ちいいが溢れてく。
「やぁっ、あ、あ……また、イッ……ク」
肌が弾ける音がベッドの上に響く。
「あ、あ、あ、あ、そこ、好き、気持ち、ぃ」
キスの音と、繋がった場所の濡れた音。
「や、ぁ……イク、イクっ」
何もかもが。
「あ、旭輝、名前っ、呼ん、で」
「聡衣」
「あ、あぁっン」
「愛してる」
「あっ、それ、ダメっ、言っちゃっ……あ、あ、ああぁぁぁっ、ン」
気持ちい。
「も、ダメ、それ言うの」
「無理」
「あ、ン、今、イッた」
「あぁ、すごく気持ちいい」
「ひ、ぁっ……あっ」
「愛してる」
「あ、だからっ」
「聡衣」
「も、だめってばっ」
こんなに気持ちいいセックスは。
「愛してる」
「あ、あぁぁぁぁ」
運命の恋じゃなくて。
「も、旭輝」
「?」
しがみついてその耳朶にキスをした。
「俺も……愛してる」
運命の愛に、キスをした。
13
お気に入りに追加
314
あなたにおすすめの小説
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
しのぶ想いは夏夜にさざめく
叶けい
BL
看護師の片倉瑠維は、心臓外科医の世良貴之に片想い中。
玉砕覚悟で告白し、見事に振られてから一ヶ月。約束したつもりだった花火大会をすっぽかされ内心へこんでいた瑠維の元に、驚きの噂が聞こえてきた。
世良先生が、アメリカ研修に行ってしまう?
その後、ショックを受ける瑠維にまで異動の辞令が。
『……一回しか言わないから、よく聞けよ』
世良先生の哀しい過去と、瑠維への本当の想い。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる