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俺の名前は都賀矯正だ。今年から高校生になる男子高校生だ。
当然だが、俺には好きな人がいる。十歳歳が離れた幼馴染だ。
だけど、その幼馴染がまさかあんなことをするだなんて今の俺には想像もつかなかった。
入学式
「よっ!きょーちゃん」
「げっ!その呼び名やめろよなぁ?」
今、俺のことをきょーちゃんって言ったやつは中学からの友達の鈴木武井だ。こいつはおふざけが好きでとにかくテンションが高い。女子にモテなくてモテるやつを僻むやつでもある。
「いいじゃんねぇかよ。おめえは中学の時に……ぐふふ。女だと間違われて告笑、告白されてだろう?」
そう。俺は見た目が女みたいだとよく言われる。背は今のところ中の下と言ったところか⁇髪は少し茶髪で目は青。どうやら爺ちゃんが外国人らしい。それで遺伝してこの目になったみたいだ。
「おっ!きょーちゃんだ」
「お前まで……」
今声をかけてきたやつも同じく中学からの友達の持田里谷だ。こいつは根が強くいじめられている人を見たらほっとけない性格の持ち主だ。見た目は少し背が低くて、痩せているがこの中で一人の大食いだ。
「きょーちゃん。お前は一生その呼び名だから諦めろよ?」
そう武井に言われてしまった。
「そうかよ。いいよ。女みたいでな!」
「あれ?珍しく怒ってる?」
他にもまだ言いたそうだったが、後ろから先生に声をかけられた。
「お前たち。早く教室に行け。もうクラス表は出ているはずだ」
「す、すみません。今行き……ます」
声をかけられた先生の顔を見て固まった。
「えっ?」
「はあ?」
「か、かっちゃん⁉︎」
「矯正か⁉︎」
二人でそう叫んだ。
「なんだなんだ?お前ら知り合いだったのかよ?」
そう里谷に言われた。
「う、うん。俺が小学生の時に引っ越して行ったお隣さんで幼馴染だよ」
「ふーん」
いかにも興味なさそうな顔で俺たちを交互に見る。
「矯正も大きくなったなぁ⁇」
そうかっちゃんが言ってくれた。
そうだった。かっちゃんの名前は渦巻勝彦だ。だから愛嬌で、かっちゃんと呼んでいる。
「それはそれとしてさっさと教室に行け」
そう先生らしく「先生なんだけどねぇ」言った。
「えーと?俺たちのクラスはCか!」
「おっ!また俺たち同じクラスだな!」
そう嬉しそうに武井が言い。
「今年もよろしくな」
里谷もそう言った。
教室
「先生誰かなぁ?」
「誰でもよくねぇ?」
「よくねぇーよ!」
「武井は本当に女好きだなぁ?」
「ねぇ!今それ関係ある?」
そんな雑談をすること数十分後に担任が教室に入って来た。
ガラガラ
「……っ!」
「これから俺がこのクラスを請け負う、渦巻勝彦だ。科目は保健体育だ。よろしく」
か、かっちゃんだ!
俺は昔からかっちゃんが好きだ。男なのにかっちゃんを見ると胸がドキドキするしかっちゃんのことが頭から離れられない。
もうとにかく大好きだ!
そのあと入学式を終えてまた教室に戻り解散となった。
「都賀!」
「……かっちゃん?」
今、かっちゃんが俺を苗字で呼んだ?いつもだったら名前なのに……。
「少しいいか?」
「あっうん」
少し困惑しつつかっちゃんと共に空き教室に入った。
「都賀。そのだなぁ、俺のことは学校ではかっちゃんと呼ぶな」
「えっ……」
いつも優しくて、俺に対して誠実でそんな人から愛嬌で呼ぶなって言われた。
「これから生徒と教師だ。だから俺のことは渦巻先生と呼べ。いろんな誤解をされる」
そう冷たく言い放つ先生の言葉はまるで全身を凍り付かせるような感じがした。
「学校の外ならいくらでも名前で呼んでいい。だが、学校では敬語と先生呼びを忘れるな」
「……はい」
そうだ。俺は生徒で、かっちゃんは教師だ。だから節度を持って接しなければならない。わかってる。頭ではわかっててもやっぱり辛い。
「あと、これやるよ」
「えっ?」
かっちゃんが俺に鍵を手渡してきた。
「え、ええー?なんで?」
そう質問すると諦めのついた顔でこう言った。
「どうせ家を知った瞬間から押しかける気満々だろ?」
ギクッ
「そ、そそそそんなことは……」
「大アリだなぁ?」
かっちゃんが少し強めの圧で俺を見る。
「う、うん」
観念して正直に頷いた。
「それがわかっているから朝からピンポンされるよりも勝手に入ってた方が楽だ」
「……」
かっちゃんから信用されてる?そうなの⁉︎
「あと、ラインを教えろ。連絡ぐらいならいいだろ」
そう言ってスマホを取り出しラインを交換したあと、武井たちと帰宅した。
「あいつはわかっていない」
矯正は可愛い。
「俺がどんな目であいつを見ているって知ったら逃げ出すかなぁ?俺が抱いているこの気持ちを全部ぶちまけてしまおうか⁇」
この合鍵がかっちゃんから逃げられなくなることもかっちゃんなしでは生きられなくなることも今の俺はまだ知らない。
当然だが、俺には好きな人がいる。十歳歳が離れた幼馴染だ。
だけど、その幼馴染がまさかあんなことをするだなんて今の俺には想像もつかなかった。
入学式
「よっ!きょーちゃん」
「げっ!その呼び名やめろよなぁ?」
今、俺のことをきょーちゃんって言ったやつは中学からの友達の鈴木武井だ。こいつはおふざけが好きでとにかくテンションが高い。女子にモテなくてモテるやつを僻むやつでもある。
「いいじゃんねぇかよ。おめえは中学の時に……ぐふふ。女だと間違われて告笑、告白されてだろう?」
そう。俺は見た目が女みたいだとよく言われる。背は今のところ中の下と言ったところか⁇髪は少し茶髪で目は青。どうやら爺ちゃんが外国人らしい。それで遺伝してこの目になったみたいだ。
「おっ!きょーちゃんだ」
「お前まで……」
今声をかけてきたやつも同じく中学からの友達の持田里谷だ。こいつは根が強くいじめられている人を見たらほっとけない性格の持ち主だ。見た目は少し背が低くて、痩せているがこの中で一人の大食いだ。
「きょーちゃん。お前は一生その呼び名だから諦めろよ?」
そう武井に言われてしまった。
「そうかよ。いいよ。女みたいでな!」
「あれ?珍しく怒ってる?」
他にもまだ言いたそうだったが、後ろから先生に声をかけられた。
「お前たち。早く教室に行け。もうクラス表は出ているはずだ」
「す、すみません。今行き……ます」
声をかけられた先生の顔を見て固まった。
「えっ?」
「はあ?」
「か、かっちゃん⁉︎」
「矯正か⁉︎」
二人でそう叫んだ。
「なんだなんだ?お前ら知り合いだったのかよ?」
そう里谷に言われた。
「う、うん。俺が小学生の時に引っ越して行ったお隣さんで幼馴染だよ」
「ふーん」
いかにも興味なさそうな顔で俺たちを交互に見る。
「矯正も大きくなったなぁ⁇」
そうかっちゃんが言ってくれた。
そうだった。かっちゃんの名前は渦巻勝彦だ。だから愛嬌で、かっちゃんと呼んでいる。
「それはそれとしてさっさと教室に行け」
そう先生らしく「先生なんだけどねぇ」言った。
「えーと?俺たちのクラスはCか!」
「おっ!また俺たち同じクラスだな!」
そう嬉しそうに武井が言い。
「今年もよろしくな」
里谷もそう言った。
教室
「先生誰かなぁ?」
「誰でもよくねぇ?」
「よくねぇーよ!」
「武井は本当に女好きだなぁ?」
「ねぇ!今それ関係ある?」
そんな雑談をすること数十分後に担任が教室に入って来た。
ガラガラ
「……っ!」
「これから俺がこのクラスを請け負う、渦巻勝彦だ。科目は保健体育だ。よろしく」
か、かっちゃんだ!
俺は昔からかっちゃんが好きだ。男なのにかっちゃんを見ると胸がドキドキするしかっちゃんのことが頭から離れられない。
もうとにかく大好きだ!
そのあと入学式を終えてまた教室に戻り解散となった。
「都賀!」
「……かっちゃん?」
今、かっちゃんが俺を苗字で呼んだ?いつもだったら名前なのに……。
「少しいいか?」
「あっうん」
少し困惑しつつかっちゃんと共に空き教室に入った。
「都賀。そのだなぁ、俺のことは学校ではかっちゃんと呼ぶな」
「えっ……」
いつも優しくて、俺に対して誠実でそんな人から愛嬌で呼ぶなって言われた。
「これから生徒と教師だ。だから俺のことは渦巻先生と呼べ。いろんな誤解をされる」
そう冷たく言い放つ先生の言葉はまるで全身を凍り付かせるような感じがした。
「学校の外ならいくらでも名前で呼んでいい。だが、学校では敬語と先生呼びを忘れるな」
「……はい」
そうだ。俺は生徒で、かっちゃんは教師だ。だから節度を持って接しなければならない。わかってる。頭ではわかっててもやっぱり辛い。
「あと、これやるよ」
「えっ?」
かっちゃんが俺に鍵を手渡してきた。
「え、ええー?なんで?」
そう質問すると諦めのついた顔でこう言った。
「どうせ家を知った瞬間から押しかける気満々だろ?」
ギクッ
「そ、そそそそんなことは……」
「大アリだなぁ?」
かっちゃんが少し強めの圧で俺を見る。
「う、うん」
観念して正直に頷いた。
「それがわかっているから朝からピンポンされるよりも勝手に入ってた方が楽だ」
「……」
かっちゃんから信用されてる?そうなの⁉︎
「あと、ラインを教えろ。連絡ぐらいならいいだろ」
そう言ってスマホを取り出しラインを交換したあと、武井たちと帰宅した。
「あいつはわかっていない」
矯正は可愛い。
「俺がどんな目であいつを見ているって知ったら逃げ出すかなぁ?俺が抱いているこの気持ちを全部ぶちまけてしまおうか⁇」
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