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招待コード
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私の名前は月影朱計美、社会人十年目だ。彼氏いないイコールだ。童貞で悪かったな!
ピロン
「ん?」
夜、仕事帰りにスマホの通知音がなった。
「これって……」
「ランキング一位のシャエルエットバルーエル様へ」
シャルエルエットバルーエルは私が今ハマっているゲーム、太陽の君にのハンドルネームだ。
「えーと、なになに⁇」
「あなたはこの度、太陽の君にのランキング一位を五年連続でキープいたしました」
「へぇー。もう五年も一位をキープしてたんだ?」
十年前にこのゲームを見つけてからは課金をしまくり暇さえあればこのゲームに人生を捧げてきた女だ!
「まぁ、その結果が今日もひとり寂しく家路に帰ろうとする三十路よ」
自分で言ってて悲しくなってきたわ。
私は沈む気持ちのまま続きを読んだ。
「この度我が社で、特別なイベントを配布をすることになりました」
「えっ!本当に?やったぁー‼︎純粋に嬉しい」
私は一気にハイテンションになり続きを読む。
「つきましてはシャルエルエットバルーエル様に特別なイベントを先に体験し感想をいただきたいと思います」
「嘘⁉︎」
喜びのあまりスマホを空高くへと飛ばすところだった。
「シャルエルエットバルーエル様にはこの招待コードを入力していただき何になりたいかを書いてもらいます」
「何になりたいか?」
いきなりの質問に少し戸惑いつつ真剣に考えること五分。
「これしかないよね?」
私はぽちぽちとスマホをいじり入力をした瞬間に右頬に痛みが走った。
バシッ
「……は?」
何が起きたの?なんでほっぺたが痛いの?
「今の動きは美しくないわ!」
「えっ⁇」
誰?ううん知ってる。この女性はリリスの(リリスというのは悪役令嬢で、ヒロインをいじめ抜いて、バッドエンドを必ず迎えるキャラクターのことだ)叔母のキャロル.クロップだ。間違えない。赤い髪に紫の瞳。でもなんでこの人が私の目の前にいるの?
「あんた!私を無視するつもりなの?この出来損ない‼︎」
「……っ⁉︎」
バシッ
また叩かれた!
「あんたがおとなしくしてくれなきゃこっちが困るのよ?わかる?ねぇ!」
「ふーん」
リリスが悪役令嬢になった理由が大体わかったわ。
リリスの幼い頃はそんなに描かれてなかったけど、リリスは問題行動ばかり起こして、一時的に叔母であるキャロルに預けられた。だけど、叔母は彼女を大切にするどころか痛めつけて、リリスを虐待する。
親に愛されもせずに育ったらグレたくもなるわ。
「何か言ったらどうなのよ?」
総金切り声を上げる叔母。
「ぷっ!」
「は?」
「クスクス。あははは‼︎」
「な、何?なんで笑ってるのよ?」
私がいきなり笑い出すから明らかに動揺する叔母。
「そうですねぇ?私もそろそろ限界ですわ」
「な、何を言ってるのよ?」
後退りをする叔母を尻目に私は屋敷の外へと出て行った。
「ま、待ちなさい⁉︎どこへ行く気?」
慌てて追いかける叔母に私は一言だけ言ってやった。
「シャルエルエットバルーエル様に勝てると思うなよ?」
「は、はあ?」
私はほっぺたの痛みなんて気にしないほどにこの世界の街へと繰り出すのだった……って終わればよかったのに。
そんなことは当然起きもせずに少し笑った後に殴られた頬を優しく撫ぜて、今後のことを考えた。
この世界が今の私の現実なら私は間違えなく成人する前に死ぬ。バッドエンドで終わるなんていやだ。
「リリス!私のいう通りにもう一度おやり!」
「……」
ギロッ
「何に睨め付けてくれているのよ?出来損ないが!」
そう私に手をまたあげようとした時、誰が部屋に入って来た。
ガチャ
「えっ?」
「叔母上?」
「か、カルテ⁉︎」
赤い髪に青の瞳。間違えない。この人は私の兄のカルテ.クロップだ。
「お兄様」
「……」
カルテは黙ったまま私の手を取りそそくさと部屋を出た。
「え、ちょっ!」
連れて行かれた先は……。
ピロン
「ん?」
夜、仕事帰りにスマホの通知音がなった。
「これって……」
「ランキング一位のシャエルエットバルーエル様へ」
シャルエルエットバルーエルは私が今ハマっているゲーム、太陽の君にのハンドルネームだ。
「えーと、なになに⁇」
「あなたはこの度、太陽の君にのランキング一位を五年連続でキープいたしました」
「へぇー。もう五年も一位をキープしてたんだ?」
十年前にこのゲームを見つけてからは課金をしまくり暇さえあればこのゲームに人生を捧げてきた女だ!
「まぁ、その結果が今日もひとり寂しく家路に帰ろうとする三十路よ」
自分で言ってて悲しくなってきたわ。
私は沈む気持ちのまま続きを読んだ。
「この度我が社で、特別なイベントを配布をすることになりました」
「えっ!本当に?やったぁー‼︎純粋に嬉しい」
私は一気にハイテンションになり続きを読む。
「つきましてはシャルエルエットバルーエル様に特別なイベントを先に体験し感想をいただきたいと思います」
「嘘⁉︎」
喜びのあまりスマホを空高くへと飛ばすところだった。
「シャルエルエットバルーエル様にはこの招待コードを入力していただき何になりたいかを書いてもらいます」
「何になりたいか?」
いきなりの質問に少し戸惑いつつ真剣に考えること五分。
「これしかないよね?」
私はぽちぽちとスマホをいじり入力をした瞬間に右頬に痛みが走った。
バシッ
「……は?」
何が起きたの?なんでほっぺたが痛いの?
「今の動きは美しくないわ!」
「えっ⁇」
誰?ううん知ってる。この女性はリリスの(リリスというのは悪役令嬢で、ヒロインをいじめ抜いて、バッドエンドを必ず迎えるキャラクターのことだ)叔母のキャロル.クロップだ。間違えない。赤い髪に紫の瞳。でもなんでこの人が私の目の前にいるの?
「あんた!私を無視するつもりなの?この出来損ない‼︎」
「……っ⁉︎」
バシッ
また叩かれた!
「あんたがおとなしくしてくれなきゃこっちが困るのよ?わかる?ねぇ!」
「ふーん」
リリスが悪役令嬢になった理由が大体わかったわ。
リリスの幼い頃はそんなに描かれてなかったけど、リリスは問題行動ばかり起こして、一時的に叔母であるキャロルに預けられた。だけど、叔母は彼女を大切にするどころか痛めつけて、リリスを虐待する。
親に愛されもせずに育ったらグレたくもなるわ。
「何か言ったらどうなのよ?」
総金切り声を上げる叔母。
「ぷっ!」
「は?」
「クスクス。あははは‼︎」
「な、何?なんで笑ってるのよ?」
私がいきなり笑い出すから明らかに動揺する叔母。
「そうですねぇ?私もそろそろ限界ですわ」
「な、何を言ってるのよ?」
後退りをする叔母を尻目に私は屋敷の外へと出て行った。
「ま、待ちなさい⁉︎どこへ行く気?」
慌てて追いかける叔母に私は一言だけ言ってやった。
「シャルエルエットバルーエル様に勝てると思うなよ?」
「は、はあ?」
私はほっぺたの痛みなんて気にしないほどにこの世界の街へと繰り出すのだった……って終わればよかったのに。
そんなことは当然起きもせずに少し笑った後に殴られた頬を優しく撫ぜて、今後のことを考えた。
この世界が今の私の現実なら私は間違えなく成人する前に死ぬ。バッドエンドで終わるなんていやだ。
「リリス!私のいう通りにもう一度おやり!」
「……」
ギロッ
「何に睨め付けてくれているのよ?出来損ないが!」
そう私に手をまたあげようとした時、誰が部屋に入って来た。
ガチャ
「えっ?」
「叔母上?」
「か、カルテ⁉︎」
赤い髪に青の瞳。間違えない。この人は私の兄のカルテ.クロップだ。
「お兄様」
「……」
カルテは黙ったまま私の手を取りそそくさと部屋を出た。
「え、ちょっ!」
連れて行かれた先は……。
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