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協力その2
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薄れ行く意識の中ではっきりと、雄太の声が聞こえた。
「小春受け取れ‼︎」
ブンブン
手に何か触れる。反射的に握りっていた。そして確信した。これは杖だ。だから私は、オーガに掠れた声で言った。オーガは聞き取れなかったのか、くもった声で聞き返した。
「今なんて言った?」
「......貴方......の負......けよ......って言......った......のよ‼︎」
「なにを言っている?どう見ても小娘の方だろ⁇」
ニコッ
「風......よ。オーガ......ごと......私を......飛ば......しな......さい‼︎」
ヒュー
「なんだこの風は!?小娘にこんな魔力があるはずない‼︎」
「オーガ手から、エリーナが離れた‼︎」
「オーロラさん‼︎」
「わかってるわ‼︎エンジェルアロー‼︎」
シュッブスッ
「あああああ‼︎」
「駄目傷が浅すぎる‼︎」
「エンジェル......」
「エリーナ駄目よ‼︎今の貴方にエンジェルアローを使いこなせないわ‼︎」
「......アロー‼︎」
ブスッ
「ぎゃあああああ!?」
「し、心臓に突き刺さった。制御できないから、逆に力が強まったのね‼︎」
「き、キャプ、キャプチャー‼︎」
「ああああ‼︎こんな小娘に、この俺が負けるだと‼︎ありえん‼︎こんなの認めないぞ‼︎」
「捕獲......完了(もう駄目。)」
「小春‼︎」
ギュッドンッ
「エリーナをキャッチした‼︎」
「雄太さん怪我はありませんか⁇」
「いてて。なんとかね。それよりも、小春の手当をしてあげて。」
「わかりました。ヒールドワーク全開‼︎」
「ん?こうしないと使えないの?」
「はい。何故かは知りませんが、小さい時からずっとこうなんです。」
「エリーナ大丈夫‼︎ヒール‼︎」
「うっ。」
「今日は意識が戻りそうにないね。」
「私達で連れて帰ります。なので、雄太さんと、出久は帰ってください。明日になったら怪我も治っているはずです。」
「わかった。」
「小春元気になれよ。」
「治りそう?」
「なんとかです。」
次の日の午後
「今日も来ないのかな?」
「遅くなってすみません。」
「恵理乃か。いや、連絡はもらっているからいいよ。」
「はい。」
「小春‼︎」
ギュッ
「きゃあっ!?ゆ、雄太!?どうしたの?」
「良かった‼︎」
「く、苦しい。抱き締めすぎだよ‼︎」
「いいんだよ‼︎」
「よくないよ‼︎周りを見て‼︎」
「あっ。」
「なんだなんだ?」
「絵理田君ってそういうキャラなの?」
「きもっ。」
「違っ、違うから‼︎小春がずっと来ないから心配しただけだよ‼︎」
「それでも抱きつくのはね。」
「此処までね。」
「恵理乃さん?」
「幼馴染だから小さい頃はよくやっていたのよ。」
「そうなんだ。」
「まあ。それなら仕方ないのか?」
「話は此処までね。」
「はーい。」
「雄太も時と場所を考えてね‼︎」
「ごめん。」
「うふふ。もういいよ。(私はきっと、雄太だから心を開いたんだね。そんな貴方だから好きになったのね。でも、この気持ちは一方的なもの。だから言わない。永遠に。)」
「小春‼︎授業始まるよ‼︎」
「今行く‼︎」
この後待ち受ける敵は、オーガよりも、もっと強い。そんなことも知らずに今は、笑っている。小春なのであった。
「小春受け取れ‼︎」
ブンブン
手に何か触れる。反射的に握りっていた。そして確信した。これは杖だ。だから私は、オーガに掠れた声で言った。オーガは聞き取れなかったのか、くもった声で聞き返した。
「今なんて言った?」
「......貴方......の負......けよ......って言......った......のよ‼︎」
「なにを言っている?どう見ても小娘の方だろ⁇」
ニコッ
「風......よ。オーガ......ごと......私を......飛ば......しな......さい‼︎」
ヒュー
「なんだこの風は!?小娘にこんな魔力があるはずない‼︎」
「オーガ手から、エリーナが離れた‼︎」
「オーロラさん‼︎」
「わかってるわ‼︎エンジェルアロー‼︎」
シュッブスッ
「あああああ‼︎」
「駄目傷が浅すぎる‼︎」
「エンジェル......」
「エリーナ駄目よ‼︎今の貴方にエンジェルアローを使いこなせないわ‼︎」
「......アロー‼︎」
ブスッ
「ぎゃあああああ!?」
「し、心臓に突き刺さった。制御できないから、逆に力が強まったのね‼︎」
「き、キャプ、キャプチャー‼︎」
「ああああ‼︎こんな小娘に、この俺が負けるだと‼︎ありえん‼︎こんなの認めないぞ‼︎」
「捕獲......完了(もう駄目。)」
「小春‼︎」
ギュッドンッ
「エリーナをキャッチした‼︎」
「雄太さん怪我はありませんか⁇」
「いてて。なんとかね。それよりも、小春の手当をしてあげて。」
「わかりました。ヒールドワーク全開‼︎」
「ん?こうしないと使えないの?」
「はい。何故かは知りませんが、小さい時からずっとこうなんです。」
「エリーナ大丈夫‼︎ヒール‼︎」
「うっ。」
「今日は意識が戻りそうにないね。」
「私達で連れて帰ります。なので、雄太さんと、出久は帰ってください。明日になったら怪我も治っているはずです。」
「わかった。」
「小春元気になれよ。」
「治りそう?」
「なんとかです。」
次の日の午後
「今日も来ないのかな?」
「遅くなってすみません。」
「恵理乃か。いや、連絡はもらっているからいいよ。」
「はい。」
「小春‼︎」
ギュッ
「きゃあっ!?ゆ、雄太!?どうしたの?」
「良かった‼︎」
「く、苦しい。抱き締めすぎだよ‼︎」
「いいんだよ‼︎」
「よくないよ‼︎周りを見て‼︎」
「あっ。」
「なんだなんだ?」
「絵理田君ってそういうキャラなの?」
「きもっ。」
「違っ、違うから‼︎小春がずっと来ないから心配しただけだよ‼︎」
「それでも抱きつくのはね。」
「此処までね。」
「恵理乃さん?」
「幼馴染だから小さい頃はよくやっていたのよ。」
「そうなんだ。」
「まあ。それなら仕方ないのか?」
「話は此処までね。」
「はーい。」
「雄太も時と場所を考えてね‼︎」
「ごめん。」
「うふふ。もういいよ。(私はきっと、雄太だから心を開いたんだね。そんな貴方だから好きになったのね。でも、この気持ちは一方的なもの。だから言わない。永遠に。)」
「小春‼︎授業始まるよ‼︎」
「今行く‼︎」
この後待ち受ける敵は、オーガよりも、もっと強い。そんなことも知らずに今は、笑っている。小春なのであった。
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