悪党の執着心を舐めてた

上野佐栁

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18話

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 「ルディに近づかないでいただけますか?」

 「ステラの言う通りだな。お前はルディのそばにいる資格ない」

 「ふ、二人とも落ち着いて!!!!!!!」

 みなさんこんにちは。ルディです。私は今、ウィル、ステラ、ルーンの喧嘩を止めている真っ最中です。

 なぜそうなったかと言うと、詳しくは17話をご覧ください。

 少し戻って早朝

 「うぅーん」

 なんだろ?何かに抱きしめられているような感覚がある。

 まだ眠かったけど、重いまぶたをそっと開くと、ウィルが隣で寝ていた。

 「き、ギャアアアア!!!!!!!」

 私は思わず悲鳴を上げた。

 悲鳴に驚いたのかベッドから転げ置きあたりをちょろちょろと見て、何事と言いたげな顔で私を見つめる。

 「う、ウィル⁉︎なんでここに?あんたの部屋は隣でしょ‼︎」

 私が怒鳴るようにそう言うと、きょとんとした顔でこう言った。

 「昔は一緒に寝てたんだからいいだろ?」

 「よくない!!!!!!!」

 私間髪入れずにそう叫びウィルを部屋から追い出そうとした。

 「出て行ってよ!人が寝ている間に添い寝するとか最低!!!!!!!」

 ウィルが何か言う前に侯爵様たちが飛んできた。

 「どうした⁉︎」

 「ルディ大丈夫ですか?」
 
 「なにがあった⁉︎」
 

 バーン

 「こ、侯爵様ー!う、ウィルが勝手に私のベッドの中に潜り込んで……」

 私が目をうるうるとさせながら侯爵様にすがると、ウィル睨みつける。

 「アールウィル。お前は当分の間はこの屋敷の敷居を跨ぐことを許さん」

 なんでて言いたそうな顔で私を見て助けを求める。

 「ウィルごめんね?私たち一旦距離を置こう」

 ウィルが何か言う前にステラは私の肩に手を置きウィルを威嚇した。

  「ルディに近づかないでいただけますか?」

 ステラはものすごく警戒しじりじりと私とウィルの距離を離す。

 「ステラの言う通りだな。お前はルディのそばにいる資格ない」

 ルーンも私の隣に立ちそう言った。

 これ以上は殴り合いが始まりそうだったので私が割り込んだ。

 「ふ、二人とも落ち着いて!!!!!!!」
  
 ウィルはパッと顔を輝かせたが、私は無表情のままこう言った。

 「ウィル。さっきも言ったけど、私たちは距離を置くべきだよ。だって、ウィルの様子がどんどん変になるよ。このままじゃ私とウィルはきっとすれ違うままだから。だから一旦頭を冷やそう?」

 私の言葉にウィルは相当ショックを受けたのかそのまま黙って部屋を出て行き今日中に屋敷を出て行き学園へと戻っていった。

 「ウィルとの関係をなんとかしなきゃね」

 私はそうポツリと声を出し今までのことをきちんと整理することにした。

 「えーと?まずはステラとウィルが恋愛に発展する可能性ってもうほぼゼロよね?」

 私が横やりしたことで二人の恋愛イベントは無くなったと見ていいはず。

 「まだ登場していない。この世界の主人公はステラと結ばれるはずだからいいとして……」

 本当にこれからどうしよう。ウィルが悪党になることを防ぎつつあのメンヘラとヤンデレとサイコパスやろうにどうやって距離を置けって言うのよ!!!!!!!

 実はウィルが学園に旅立ったその日に数枚の手紙できた。

 「「ルディに会いたいよ」」

 そんな手紙が数ヶ月の間に百枚ほど送られたのであった。

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