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16話
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みなさんおはようございます。目覚めのルディです。私は今、とても驚いて固まっています。
遡ること数分前
「うわーん!ルディ。ルディ!!!!!!!」
さっきからずっと、ウィルが泣いている。
「ルディから離れろよ!」
それをルーンが引き離そうとする。
「ルディ。もうあんなことしてはいけません」
そして、ステラにお説教されています。
「ご、ごめんなさい」
侯爵様が私を優しく抱きしめる。
「ルディ。あんな無茶な真似するな。四年前のことだが、四年もお前が昏睡状態だったのがとても怖かった」
体が震えている。本当に私を心配してたんだ。
「ごめんなさい……」
んん?ちょっと待ってよ。今四年って言ったよね?私の聞き間違えじゃないよね?
私はもう一度、私がどのくらい寝てたかを聞き返した。
「四年だ」
「……へっ?」
嘘でしょ⁇あのばか天使共!!!!!!!
「人って四年も寝られるんだ」
私は倒れ込むようにベッドに寝転んだ。
「ルディ!寝るな。死ぬぞ!!!!!!!」
ウィルは勢いよく私の体を起こし前後左右に揺らした。
なんかデジャブなんだけど⁉︎
「ま、待っ‼︎ぎゃああああ!!!!!!!」
揺らされすぎて悲鳴が上がる。気持ち悪い。
「う、ウィル。ほんとうに、ま、って。ほ、ほんとに、し、死んじゃっ……‼︎」
なにも食べてないはずなのに吐きそう。
「う、うぐっ!」
視界が揺らぐ。これだめなやつだ。
本当に後少しでまた気絶する寸前で侯爵様がウィルを引き離し部屋から追い出した。
「お前は外に出ていろ!」
「うぎゃっ!」
その後外でドアをずっとドンドンと叩いて「開けろ!」「ルディのそばを離れたくない」とずっと叫んでいた。
「こんな息子ですまない」
侯爵様が申し訳なさそうにそう言った。
私は改めて自分の体をまじまじと見た。たしかに前に比べると手も大きくなっているしその、む、胸も前よりは大きくなってる。
それに侯爵様は変わらないが、ステラ(ステラはオートマタだけど、他の人と同じように成長する人形だ)とルーンは大きくなっている。
本当に四年経っているのね?
「ルディ。なんであれが毒だとわかった?」
侯爵様は真顔でそう言ってきた。
「そ、それは神力の力で変な気を感じたので気配を消して様子を見ていたのですが、侯爵様のグラスに穢れが見えたので毒だと判断しました」
私は必死に言い訳を考え侯爵様に伝えた。神力を持つ人は穢れや悪意を持った人を見分ける力がある。
「そうか。だが、こんな危ないことは二度もするな!」
目が怒りで満ちている。まるで、私が本当の娘ように大切にしてくれる。涙がこぼれそうになる。
「ごめんなさい。もう二度としません」
私はそう暗い顔で言った。
こうなることは最初から覚悟していた。もし違う道があったのならたしかに四年間を無駄にすることはなかっただろう。だが、あのまま見て見ぬ振りはしたくなかった。小説と同じ結末にしたくなかった。
だけど、一番は私が生き残るためだ。自分が生き残るために手段を選ばない。今回だって死ぬつもりなんてなかった。きっと生き残るんだって思って行動したんだ。
その結果がこれだ。他の人たちを悲しませてまで、私は生き残りたいの?
だんだん自分の考えがわからなくなったしより一層天使にはなりたくないと思ったのであった。
遡ること数分前
「うわーん!ルディ。ルディ!!!!!!!」
さっきからずっと、ウィルが泣いている。
「ルディから離れろよ!」
それをルーンが引き離そうとする。
「ルディ。もうあんなことしてはいけません」
そして、ステラにお説教されています。
「ご、ごめんなさい」
侯爵様が私を優しく抱きしめる。
「ルディ。あんな無茶な真似するな。四年前のことだが、四年もお前が昏睡状態だったのがとても怖かった」
体が震えている。本当に私を心配してたんだ。
「ごめんなさい……」
んん?ちょっと待ってよ。今四年って言ったよね?私の聞き間違えじゃないよね?
私はもう一度、私がどのくらい寝てたかを聞き返した。
「四年だ」
「……へっ?」
嘘でしょ⁇あのばか天使共!!!!!!!
「人って四年も寝られるんだ」
私は倒れ込むようにベッドに寝転んだ。
「ルディ!寝るな。死ぬぞ!!!!!!!」
ウィルは勢いよく私の体を起こし前後左右に揺らした。
なんかデジャブなんだけど⁉︎
「ま、待っ‼︎ぎゃああああ!!!!!!!」
揺らされすぎて悲鳴が上がる。気持ち悪い。
「う、ウィル。ほんとうに、ま、って。ほ、ほんとに、し、死んじゃっ……‼︎」
なにも食べてないはずなのに吐きそう。
「う、うぐっ!」
視界が揺らぐ。これだめなやつだ。
本当に後少しでまた気絶する寸前で侯爵様がウィルを引き離し部屋から追い出した。
「お前は外に出ていろ!」
「うぎゃっ!」
その後外でドアをずっとドンドンと叩いて「開けろ!」「ルディのそばを離れたくない」とずっと叫んでいた。
「こんな息子ですまない」
侯爵様が申し訳なさそうにそう言った。
私は改めて自分の体をまじまじと見た。たしかに前に比べると手も大きくなっているしその、む、胸も前よりは大きくなってる。
それに侯爵様は変わらないが、ステラ(ステラはオートマタだけど、他の人と同じように成長する人形だ)とルーンは大きくなっている。
本当に四年経っているのね?
「ルディ。なんであれが毒だとわかった?」
侯爵様は真顔でそう言ってきた。
「そ、それは神力の力で変な気を感じたので気配を消して様子を見ていたのですが、侯爵様のグラスに穢れが見えたので毒だと判断しました」
私は必死に言い訳を考え侯爵様に伝えた。神力を持つ人は穢れや悪意を持った人を見分ける力がある。
「そうか。だが、こんな危ないことは二度もするな!」
目が怒りで満ちている。まるで、私が本当の娘ように大切にしてくれる。涙がこぼれそうになる。
「ごめんなさい。もう二度としません」
私はそう暗い顔で言った。
こうなることは最初から覚悟していた。もし違う道があったのならたしかに四年間を無駄にすることはなかっただろう。だが、あのまま見て見ぬ振りはしたくなかった。小説と同じ結末にしたくなかった。
だけど、一番は私が生き残るためだ。自分が生き残るために手段を選ばない。今回だって死ぬつもりなんてなかった。きっと生き残るんだって思って行動したんだ。
その結果がこれだ。他の人たちを悲しませてまで、私は生き残りたいの?
だんだん自分の考えがわからなくなったしより一層天使にはなりたくないと思ったのであった。
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