愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

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特別編3

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 皆さんこんにちは、ラティス.ハンル.モールドです。
 今日で特別編終わりのはず......精一杯頑張ります。
 「いい加減に終われよな!てか、アリアスが元居た場所に戻せば全部解決だろがよ!」
 「ノワール君って考えが浅はかなのね?」
 「誰だテメェ⁇」
 「ちょっ!?ノワール!この方は上野佐栁先生だよ‼︎」
 「嘘だろ!?」
 「うふふ。前回の失礼な件について来たんだけど......言うことあるよね?ノワール君⁇」
 ゴゴゴゴゴッ
 「圧がやばいな?」
 「......うん」
 「この世界から完全に消し去ってもいいのよ?」
 「ノワール‼︎マジで謝れ!!!!!!!」
 「ほんっとに、ノワールがすみませんでした」
 「私達から言い聞かせますんでなんとかそれだけは!」  
 「ケッ!すみませんでした」
 「ノワール!?あんたは殺されたいの‼︎」
 「上野佐栁先生の一存で消されるぞ!」
 「じゃあ本編行ってみよう」
 「勝手に来て勝手に帰るな!」
 「もうノワールは黙っててよ!!!!!!!」
 本題突入
 「いきなりだけど、アリアスの移動系魔法ってなんの種類?」
 私がそう問いかけると、アリアスが俯きながらこう言った。
 「ごめん。わからない」
 「はあ?」
 私が少しキレ気味に言うと、慌てたように言い訳をした。
 「だ、だって、なんとなくその辺の本を漁って来たら見つけて......ラティスを迎えに行けるようになれば楽になるって思ったからやってみたのよ」
 私がなんだか阿呆らしくなって、満面の笑みでアリアスを見つめた。
 「馬鹿だな⁇適当に漁ってやれる代物じゃねぇんだよ。特に移動系の魔法はなぁ」
 ノワールがそう言い、ウリスも続いて
 「まずは何処に行きたいのか、何をしたいのかを具体的に思い浮かべないといけない。それが出来なければ失敗するんだよ」
 そうウリスが言い、お父様が
 「アリアス皇女様の場合はセリファを多く取り込まれたと聞きました。なのでより強い力で、私達を巻き込んだのかもしれません」
 「つまり?セリファの力がぶつかり合って今の事態を引き起こしたってこと⁇」
 「そうだ」
 全員にいろいろと言われたアリアスはなんだか小さくなった。
 「ごめんなさい。私のせいで変なことになってごめん」
 「ねぇアリアスが読んでいた本ってある?」
 私がそう質問すると、アリアス少し考えてこの島の何処かにあるはずだって答えた。
 「正確な位置とかわからないけど、本も巻きこんでここまで来たから多分あるはず」
 「本って海辺にあったやつ?」
 「えっ!?」
 ウリスがきょとんとした顔でそう答えた。
 「何処にあるの!?」
 「東の海辺に落ちてたけど、あれってそんなに重要だったの?」
 そう腑抜けたことを言い出した。
 「あったりまえだろ!俺達はそれで帰れるかどうかが決まってるんだよ」
 「いや、僕達は......少なくても僕、ノワール、ラティスは神の間に行けば帰れるじゃん」
 そうウリスが言った。
 なので私も答えた。
 「それは私が何度か試したけど、この島全体に結界みたいなものが張られているのよ。だからこの島に出るにはアリアスの力じゃなきゃ行かないの」
 「そうなのか!?」
 驚いた顔で私を見るウリス、ノワール
 「ねぇノワール。貴方も一緒に何度か確認したよね?なんで、ノワールまで驚いているの?」
 「すまんすまん。ついノリで」
 「怒るよ?」
 「ごめんなさい」
 私が少し圧をかけながらそう言うと、ノワールはしゅんとなった。
 「お父様の移動系魔法で東に行って来るからアリアス達は此処で待機」
 「え、私も行く」
 「いいから待機してなさい」
 圧強め
 「......はい」
 東エリア
 「うーん?無いなぁ」
 海辺にあるって聞いてたけど、それらしき物が見当たらない。
 「こっちも無い」
 私もお父様も探し疲れて一休みをしようとした時に砂場に何か埋まっているのを見た。
 「お、お父様!あそこ何か埋まってる」
 私がそう言うと、さっとこっちを見て、魔法で(物理的に)何かを取り出した。
 「黒の本?」
 「って!これは黒魔術師の本じゃない‼︎」
 私が一言そう叫びやっと納得した。
 私達は夢を見ているんだ。私をはじめ、ノワール、ウリス、お父様、セスお兄様そして、アリアスも同じ夢を共有しているので違和感を感じてなかった。
 いや実際には少しあった。いつまで経っても日は落ちない。それだけでも充分にこの島がおかしいって言える。
 「えーと、確かこの本の解き方は......」
 私はぶつぶつと言いながらお父様に連れられて皆んな共に戻っていた。
 「おっ!おかえり」
 ノワールが呑気にそう言ったけど、私に耳にはほとんど入ってこなかった。
 「いやこれは違う。じゃかこれか?」
 「ねぇラティスどうした?」
 アリアスが不安そうに私を見る。
 「解き方がなんとなくだけどわかったんだって」
 「え、えっええええええええ!?」
 みんなが驚いて声を上げる。
 「まじ!」
 「本当に?」
 「これだ!」
 私がそう叫びアリアスの方をじっと見た。
 「な、なに?」
 アリアスが不安そうに私から距離を取る。
 「アリアス責任感じてるよね?」
 ニコニコとそう言う私が不気味なのか顔色が悪い。
 「う、うん」
 「じゃあ心臓貫こう」
 「え......」
 信じられないって顔で私を見る。
 「大丈夫だよ。死んだりしないから」
 「いやいやいや‼︎死ぬよ?私不死身じゃないんだよ?」
 「大丈夫大丈夫」
 「何処が!?」
 「この島の脱出はアリアスが自分で心臓を貫くことだよ」
 「嫌だああ‼︎」
 私の言葉に発狂して、その場にへたり込んだ。
 「死にたくないよ!」
 「落ち着いて」
 アリアスは勘違いをしている。此処は現実とは切り離されている。だからアリアスの命を島で消せば終われる。そう意味だったのに!
 「アリアス。私を信じて。絶対にアリアスは死なない」  
 私がそう真剣な顔でそう言うと、少し考えてから頷いた。
 「本当に大丈夫なのか?」
 「うん」
 私が自信満々そう言い、アリアスは一切の躊躇いもなく心臓を貫いた。
 「これでこの島からは脱出出来るはず」
 それよりもさっきからとても眠い。この夢から覚めるって意味なの?
 「私はラティスのところにいつでも何処でも居たい」
 そんな言葉が聞こえて来た気がする。
 「う、うぅぅうーん?」
 「あっ、ラティス目を覚ました」
 「皆んな!」
 「あの島から脱出成功だな!」
 「うん!」
 無事に帰還!
 「皆さん最後まで見てくれてありがとうございました」
 「どうだった?」
 「まさか私、自分の心臓を貫くことになるとは思わなかったよ」
 「俺もだぜ」
 「上野佐栁先生も鬼だな?」
 「この話は此処で終わりでーす」
 「テメェ!!!!!!!最後の最後出て来やがって!」
 「ノワール!」
 「じゃあまた特別編やるかもしれないからよろしくね」
 「二度と来るんじゃねぇー!?」
 
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