128 / 145
マロンの決断
しおりを挟む
マロンは迷っていた。どちらを助けるべきか。
アリアスは双方のサポートと言ったが、一度に出せる魔力は限られているし防御魔法は同時には発動出来ない。だからアリアスを取るべきか、ウリスを取るべきかそれか主人であるラティスを取るべきかを悩んでいた。
「マロンはどうしたいの?」
自分にそう言い聞かせても答えが出ない。全員を見捨てる選択肢もある。だけど、それは仲間を裏切る行為であり、ラティスを失望させるものだ。だから考えて行動しなければならない。
ドーン
「アリアス!?」
ドンッ
「ぐっ‼︎」
「う、ウリス!」
二人が危険な目にあっている。だけど、同時には防御出来ない。
「マロンは......マロンは......」
駄目だ。決断出来ない。
「きゃあっ‼︎」
真後ろからラティスの声が聞こえた。
「よくも頭突きしてくれたなぁ?」
ラティスが危ない。でも皆んなも危ない。危なくないのはマロンだけ?
「はぁはぁっはっはっはぁっはぁはぁっはっ!」
息がだんだんと荒くなる。全員を救えるほどの魔力を持ち合わせていない。そもそもラティスから魔力を少し分けて貰っているだけの神獣だ。そんな奴が救う?守る?無理だ。
「マロンは誰も助けられないの?」
あんなに大見え切ったのに何も出来ないんじゃ意味がない。
「ま、マロンは何をしたらいいの?」
悩んでも仕方ない。やっぱりラティスを助けるべきなの?
「アアアアアア!!!!!!!」
悲痛の悲鳴が左の方から聞こえてきた。アリアスの声だ。このままだと全滅する。誰かひとりでも救え。モタモタするな。している暇があるなら動け。
「マロンは......マロンが助けたいのは......」
全員?
「......」
決められない。ひとりを救えても二人を見捨てることになる。そんなのラティスが喜ばないよ。
「......」
私はマロンの心を少しだけ感じ取ることが出来る。今、マロンは悩んでいる。誰を助けるかを悩んでいる。私はノワールと対等に渡り合えるけど、アリアスやウリスはどうだろうか?一番危険に晒されているのはアリアスだ。
「マロン!アリアスを助けろ‼︎私とウリスはなんとかなる。だからアリアスを助けて」
私はそう叫んだ。マロンが決められないのなら私が決める。それが最前で一番の方法だと思ったからだ。
「よそ見とはいいご身分だなぁ⁇」
「しまっ......っ‼︎」
マロンに気を取られて前を見ていなかった。このままだと、確実に火傷は避けられない。今の魔力量じゃ治癒することが出来ない。私の場合誰かを治癒するならそんなに力は使わないが、自分を治癒する場合は体力と魔力を一気に持っていかれるのだ。それだけは避けなければならない。
「ラティス‼︎」
マロンは私の方へと向かって行く。
何をしているの?助けるべきは私じゃなくて、アリアスの方よ。ルークと戦っているアリアスが一番危険なの。だから......お願いだから妹を助けてよ。
そう心の中で叫んでもマロンは真っ直ぐこっちに向かってくる。
「マロン!アリアスを......」
「キュウウウウ」
私の言葉など無視をしマロンは私に防御魔法を使った。私を助けるために決断したのだ。だったら私はそれに応えなければならない。
「ノワール!」
私は周りを気にするのをやめた。邪念を払い除け皆んなを信じる。悪い結果を考えるな!
「ノワール。此処からは本気の本気で行く」
私はそう言い、ニーアスだった頃の戦い方と今の戦い方を混ぜてノワールに攻撃を仕掛けた。
アリアスは双方のサポートと言ったが、一度に出せる魔力は限られているし防御魔法は同時には発動出来ない。だからアリアスを取るべきか、ウリスを取るべきかそれか主人であるラティスを取るべきかを悩んでいた。
「マロンはどうしたいの?」
自分にそう言い聞かせても答えが出ない。全員を見捨てる選択肢もある。だけど、それは仲間を裏切る行為であり、ラティスを失望させるものだ。だから考えて行動しなければならない。
ドーン
「アリアス!?」
ドンッ
「ぐっ‼︎」
「う、ウリス!」
二人が危険な目にあっている。だけど、同時には防御出来ない。
「マロンは......マロンは......」
駄目だ。決断出来ない。
「きゃあっ‼︎」
真後ろからラティスの声が聞こえた。
「よくも頭突きしてくれたなぁ?」
ラティスが危ない。でも皆んなも危ない。危なくないのはマロンだけ?
「はぁはぁっはっはっはぁっはぁはぁっはっ!」
息がだんだんと荒くなる。全員を救えるほどの魔力を持ち合わせていない。そもそもラティスから魔力を少し分けて貰っているだけの神獣だ。そんな奴が救う?守る?無理だ。
「マロンは誰も助けられないの?」
あんなに大見え切ったのに何も出来ないんじゃ意味がない。
「ま、マロンは何をしたらいいの?」
悩んでも仕方ない。やっぱりラティスを助けるべきなの?
「アアアアアア!!!!!!!」
悲痛の悲鳴が左の方から聞こえてきた。アリアスの声だ。このままだと全滅する。誰かひとりでも救え。モタモタするな。している暇があるなら動け。
「マロンは......マロンが助けたいのは......」
全員?
「......」
決められない。ひとりを救えても二人を見捨てることになる。そんなのラティスが喜ばないよ。
「......」
私はマロンの心を少しだけ感じ取ることが出来る。今、マロンは悩んでいる。誰を助けるかを悩んでいる。私はノワールと対等に渡り合えるけど、アリアスやウリスはどうだろうか?一番危険に晒されているのはアリアスだ。
「マロン!アリアスを助けろ‼︎私とウリスはなんとかなる。だからアリアスを助けて」
私はそう叫んだ。マロンが決められないのなら私が決める。それが最前で一番の方法だと思ったからだ。
「よそ見とはいいご身分だなぁ⁇」
「しまっ......っ‼︎」
マロンに気を取られて前を見ていなかった。このままだと、確実に火傷は避けられない。今の魔力量じゃ治癒することが出来ない。私の場合誰かを治癒するならそんなに力は使わないが、自分を治癒する場合は体力と魔力を一気に持っていかれるのだ。それだけは避けなければならない。
「ラティス‼︎」
マロンは私の方へと向かって行く。
何をしているの?助けるべきは私じゃなくて、アリアスの方よ。ルークと戦っているアリアスが一番危険なの。だから......お願いだから妹を助けてよ。
そう心の中で叫んでもマロンは真っ直ぐこっちに向かってくる。
「マロン!アリアスを......」
「キュウウウウ」
私の言葉など無視をしマロンは私に防御魔法を使った。私を助けるために決断したのだ。だったら私はそれに応えなければならない。
「ノワール!」
私は周りを気にするのをやめた。邪念を払い除け皆んなを信じる。悪い結果を考えるな!
「ノワール。此処からは本気の本気で行く」
私はそう言い、ニーアスだった頃の戦い方と今の戦い方を混ぜてノワールに攻撃を仕掛けた。
0
お気に入りに追加
645
あなたにおすすめの小説
底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。
運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。
憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。
異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
婚約破棄されたので王子様を憎むけど息子が可愛すぎて何がいけない?
tartan321
恋愛
「君との婚約を破棄する!!!!」
「ええ、どうぞ。そのかわり、私の大切な子供は引き取りますので……」
子供を溺愛する母親令嬢の物語です。明日に完結します。
神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
平凡なオレは、成長チート【残機無限】を授かってダンジョン最強に! でも美少女なのだがニートの幼馴染みに、将来性目当てで言い寄られて困る……
佐々木直也
ファンタジー
交通事故で死んだオレが授かった特殊能力は──『怠け者でもラクして最強になれる、わずか3つの裏ワザ』だった。
まるで、くっそ怪しい情報商材か何かの煽り文句のようだったが、これがまったくもって本当だった。
特に、自分を無制限に複製できる【残機無限】によって、転生後、オレはとてつもない成長を遂げる。
だがそれを間近で見ていた幼馴染みは、才能の違いを感じてヤル気をなくしたらしく、怠け者で引きこもりで、学校卒業後は間違いなくニートになるであろう性格になってしまった……美少女だというのに。
しかも、将来有望なオレに「わたしを養って?」とその身を差し出してくる有様……!
ということでオレは、そんなニート幼馴染みに頭を悩ませながらも、最強の冒険者として、ダンジョン攻略もしなくちゃならなくて……まるで戦闘しながら子育てをしているような気分になり、なかなかに困った生活を送っています。
深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる