愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

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出口のない暗闇

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 「また私から奪うの?私からノルを奪うのね!?」
 そう怒り狂い闇雲に攻撃をし始めた。
 「そうやって、怒りを他人にぶつけても意味ない。それはただの愚かで何もわかっていない人がやることだよ」  
 「うわああああああ!!!!!!!」
 うわー。ラティス容赦ないな?
 そう思ったアリアスなのであった。
 「......」
 おかしい。この空間に出口は見当たらない。私はこの空間に無理矢理亀裂を広げて入ってきたに過ぎない。そんな状況でこの空間に閉じ込められ続けるのはこっちが不利。アリアスの怪我はある程度は治したけど、まだ怪我を治す箇所が多くある。
 「私は人生を奪われた。何もしていないのに、父も母も私を見捨てて見て見ぬ振りをし続けたのよ‼︎」
 「それは違うよ」
 「君み何がわかるって言うんだ‼︎」
 そう怒鳴り私をギロッと睨みつける。
 「私はルークの記憶の一部を見ているから知っている。貴方が絶望し人で亡くなる直前もひとつの希望に縋り付きたかった。だけど、それすらも叶わずに死んだ。それはわかっているつもりよ」
 「だったら......!」
 ルークが畳み掛けるように何かを言おとしたので、その前に大声で言った。
 「それでも‼︎痛みがわかる人がまだ痛みを知らない人にその痛みを味合わせていい理由になるの?ならないよね」
 「......」
 「ルークはずっと心の中で叫んでる。やめてほしい。こんな自分を止めてほしい。そう願っているのに......貴方の絶望がそれを許さない。そうでしょ⁇」
 私がそう言うと、何かを思い出したかのようにボロボロと涙を流す。
 「違う。私は最初から何も無かった。だから欲しかった。愛を知りたかった。好きになる気持ちがほしかった。家族がほしくてほしくてたまらなくて、ノルを利用したんだ」
 「本当にそうだと言える?」
 「えっ......⁇」
 私は今のルークを否定しなければならない。だけど、この想いだけは否定してはいけない。好きになる気持ちはもうルークは持っている。私はそう思う。
 「ルークは笑ってた。ノルと一緒の時はずっと心の底から笑顔で笑い続けてきた。それって、愛とも言えるんじゃないのなかぁ?」
 「わ、私は......」
 やめるのか⁇そんなところで?
 「......っ!!!!!!!」
 こんな呆気なく貴様の復讐は終わるのか?誰のおかげで貴様は消えない?存在し続けられると思っている?
 「それ、は......」
 「......っ」
 お願い。セリファを壊して。もうそれしか方法がないの。ラティスなら壊せる。信じているから。
 「ルーク」
 「わた、私は......まだ消えない。消えられない」
 「まずい!?」
 「ラティス⁇」
 「アリアス‼︎その場で伏せて!?」
 「えっ?」
 私がそう叫ぶと同時にもの凄い爆発が起きた。この空間を消滅させられるほどの威力。
 「これでもう終わりだ。私はこの復讐を果たす。全員市の淵に立たしてやる」
 心の中とは裏腹に自分を止められない。それがとても悔しく思うルークなのであった。
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