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運命に逆らう者達その4

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 「魔法を使わなければ勝てるのでは?」
 「ラティス!?なに言ってるの?アリアス相手に魔法使わないのは危険」
 「ううん。その逆だよ。魔法を使う事でアリアスやルークは威力や攻撃パターンを読んでくると思うの。だったらいっそのこと魔法を使わずに勝てばいい」
 幸い私には体術と剣術がある。皇女になるために自分の身は自分で守れるようにしたかったからだ。
 「マロン。私行くわ。アリアスと戦うのは嫌だけど......それでこの戦いが終わるなら私やる」
 「マロンが反対しても行くんでしょ⁇」
 「もちろんだよ」
 「じゃあマロンはなにも言わない。でもアリアスもラティスも怪我したら怒る」
 「それは......ちょっと困るな」
 多少の怪我は仕方ないってたかをくくってはいるけど、アリアスがそれ以上に強かったら勝ち目がない。
 「さぁアリアス。皇帝陛下から止めを......」
 「はい......」
 「アリアス‼︎」
 「ラティス......⁇」
 今更現れたところでこの状況はわからない。
 「に、にげ......逃げろ。ラティス」
 「......」
 「其方の勝てる相手ではない。少なくても今の其方では返り討ちに合うだけだ」
 「......」
 「僕も反対だ!セスにーが時間を稼ぐから逃げるんだ!」
 「......」
 「ラティス逃げなさい‼︎あなたの敵う相手じゃない」
 「......」
 「ラティス‼︎今すぐに此処から立ち去れ!俺は娘が傷付く姿も死ぬ姿も見たくない」
 「......」
 「此処は僕達で行く止める!だから君だけでも逃げるんだ!」
 「......」
 「ラティス‼︎」
 「......さっきから聞いていれば私は役立たずみたいな言い方をして......」
 「ん?」
 「私だって戦える。魔法なんてなくてもアリアスと対等に戦う事が出来る」
 「言ってくれるじゃない。さぁアリアス。まずはラティスから殺してセリファを奪い取りなさい」
 「はい。ルーク様......」
 「......セスお兄様」
 「ラティス?」
 今、セスお兄様って言った⁇記憶が戻ってきたのか?いやそんな感じではない。じゃあ何故今、ラティスはお兄様と呼んだんだろう?
 「この剣......お借りします」
 「やめろ!アリアス皇女様に敵わない!だから逃げるんだ!」
 ズキン
 「ぐっ‼︎」
 痛くて動けない。
 「あははは‼︎アリアスとやり合う気?どっちが死ぬかなんてわかりきった事なのに⁇笑っちゃうわ。アリアスなるべく早めに始末してね?」
 「......はい」
 白黒の世界にひとつだけ色がある。目の前に立っている女の子だけが彩り輝いている。なんでだろ?この子の声だけが透き通るように聞こえてくる。まるでそっち行けば幸せになれると言っているかのように。
 彩るあの子の元に行きたいと思ったアリアスなのであった。
 
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