愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

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魔法の鏡

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 前回のあらすじ。
 私はノワールに魔法の制御が出来るかと言われてやってみたはいいものの魔法が暴走して見知らぬ町に落ちた。それこで、鏡を見つけたんだけど、手に取った瞬間に何故か魔力が暴走して自分では止められなくなってしまった。
 ボオオオオオオ
 バチバチ
 ドゴォッ  
 「......」
 「クスクス」
 「え?」
 「其方は何故、余に愛されようとする。そんなものは無意味だと言うのに......」
 「......」
 なんで鏡の中に陛下が!?この鏡は一体なんなの?
 「私は何がしたいの?」
 「......っ」
 今度は私!?
 「私は何故、おとぎ話の愛を求めるの?記憶を無くしたんだから全て忘れて生きればいいものを余計なことばかりしやがって......」
 「......」
 これは私じゃない。私はたとえ記憶を失っても変わらないものがある。それは思いだ。だからこの気持ちだけは胸にしっかり抱いて離さない。そう心に決めた。
 「何もかも諦めて何も無かったように人生を全うしなさい」
 「......やだ」
 「は?」
 「絶対に嫌だ!」
 「なんで?辛いことも苦しいことも何もない。ただ平凡に生きて幸せだってあるかもよ?なのにそれを捨てるの?馬鹿みたい」
 「馬鹿だって笑われたっていい。アリアスや皆んなを見捨ててひとりだけ何もわからずに終わるというならそれは私にとって一番の屈辱でしかない」
 「たかがそれだけの......プライドだけのために棒に振るなんて馬鹿で仕方がない」
 「......それでいいよ」
 「そう。この鏡は心に深い闇がある人じゃないと反応しないの。あんたも何があるんでしょ⁇心に深い深い闇が......」
 闇?心当たりはある。人を信用出来なくなって他人を疑い。人間不信になりかけている私は過去に暗い影が迫りつつある。
 「きっと、ニーアスだってもう何しないで諦めなさいって思っているわよ」
 「......」
 あの時私は思った。もう自分は駄目なのだと。だからラティスが幸せだとなんだか自分が惨めで情けなくなる。でも私はラティスで、ラティスが幸せなら私もきっと幸せなんだろ。そう思えるようになった。
 「......甘えるな」
 「は?」
 「私は甘えない。今は甘えている時じゃない。今迫りつつある影があるのならそれを乗り越えるだけ‼︎」
 「愚かなことを......」
 「愚かでいいよ。だって私には皆が居る。ひとりじゃないから」
 何も思い出せなくても関係は変わらない。でも今まで築き上げた絆は忘れてしまう。それだけは心残りだ。
 「じゃあ魔法を制御したら?未だに止まっていないわよ?」
 「......」
 どうやって抑えればいいの⁇ノワールならどうする?ウリスならどう乗り切る?アリアスならどう対処する?
 答えは決まっている。今の私に出来る事をするまでだ!
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