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ラティスとニーアス
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「君はきっと思い出せる。今までだって、ピンチをチャンスに変えて来たんだから」
「私のこと知っているの?」
「うん。知っているよ。だって僕は君を......から」
「......」
「もう行くね。次に会う時には名前を呼んでほしいな。ラティス」
ノワール悪いな。僕もそろそろ本気で行くよ。僕も奪われたくないから。ノワールだけには負けたくないからね。今までは譲って来たんだからもう僕は譲る必要ないよね?
ゾワッ
「ん?ノワールどうしたの?」
「いや。なんか悪寒が走った」
「あーそう」
「もう少し心配しろよ!」
「え?心配する必要なくない?私はノワールに全くもって興味ないから」
「面と向かって言われると腹が立つな」
「あーはいはい。ごめんなさい」
「悪気ないだろ!」
「うん」
「ぐぬぬ」
「......」
あのウリスっていう人何?会うなりいきなりの告白って!?
「うん。知っているよ。だって僕は君を心から愛しているから」
ボンッ
「あわわわー!」
あんなこと言われたの初めて!
応えられない想いにて、ノワールはラティスに告白しています。詳しくはそちらをご覧ください。ラティスは覚えていません。
「......」
でも私はラティスなんて知らない。だから私はもう駄目なんだ。もうニーアスじゃないからもう死人なんだから駄目にならなくちゃいけない。
「ほんとに⁇本当にそう思うの?」
「え......」
目の前に立っている人を見て私は唖然とした。何故なら私の目の前に前世の前の姿つまりニーアスが立っていたから。
「な、なんで?」
「私は貴方が昔に望んだ結晶体。いわば願いのかけらみたいな存在だね」
「昔に望んだ?」
「えぇ。貴方は願った。ニーアスとしての人生をまだ生きたい。だからセリファだけが残ったこの姿。この子も気付いてはいるけど、見て見ぬふりをしているのよ。今あいつに見つかるのは都合が悪いからね」
「何を言って......」
「貴方はどうしたい?」
「私は......」
私はどうしたいんだろ⁇もう一度やり直してニーアスが愛される方に行けばいいの?
「ひとつだけ忠告するならひとりにならないことね」
「は?」
「ニーアスとして一言。何を甘ったれているの」
「......」
「貴方はラティスなのよ。今までだって、私を......ニーアスではないって言い続けたラティス.ハンル.モールドはどうしたの?貫きなさい」
「で、でも記憶が......」
「記憶が無くなれば何もかもお終いだって思っているの?まだまだこの先長い人生が待っているのに立ち止まるの?」
「そんなこと......」
「何もかも諦めてニーアスだって思い込んで......ラティスを否定するの?貴方はラティスなのに」
「そんなこと言われたって......」
「甘えるのもいい加減にしなさいよね?今甘えている時じゃないの‼︎世界のことわりをひっくり返せる貴方が立ち止まったら皆んな立ち止まる!皆んなを不幸な道に追いやる気?」
「そんなことしない!」
「だったら貫きなさい。どんな形だっていい。ラティスだって思えるその気持ちが大事なの。私はセリファだけど、ラティスのことは私が一番よく知っているの。だから諦めないで。お願い。貴方にはやるべきことがあるの」
「やるべきこと?」
「今の貴方に言っても仕方ない。でももし代償を跳ね返せるのならばきっと、貴方は止めてくれる。この負の連鎖を止めてくれるって信じているから。だからどうか絶望だけはしないでね」
そう言って何処かに消えてしまった。
そうか。同じ魂を分け合ってももう私はニーアスじゃない。ありがとう。まだ混乱してはいるけど、未来の先が見えて来た気がする。
「......ニア。まだあんたが生きているなんて許さないから。ルーク様を復活させるのは私なんだから」
「私のこと知っているの?」
「うん。知っているよ。だって僕は君を......から」
「......」
「もう行くね。次に会う時には名前を呼んでほしいな。ラティス」
ノワール悪いな。僕もそろそろ本気で行くよ。僕も奪われたくないから。ノワールだけには負けたくないからね。今までは譲って来たんだからもう僕は譲る必要ないよね?
ゾワッ
「ん?ノワールどうしたの?」
「いや。なんか悪寒が走った」
「あーそう」
「もう少し心配しろよ!」
「え?心配する必要なくない?私はノワールに全くもって興味ないから」
「面と向かって言われると腹が立つな」
「あーはいはい。ごめんなさい」
「悪気ないだろ!」
「うん」
「ぐぬぬ」
「......」
あのウリスっていう人何?会うなりいきなりの告白って!?
「うん。知っているよ。だって僕は君を心から愛しているから」
ボンッ
「あわわわー!」
あんなこと言われたの初めて!
応えられない想いにて、ノワールはラティスに告白しています。詳しくはそちらをご覧ください。ラティスは覚えていません。
「......」
でも私はラティスなんて知らない。だから私はもう駄目なんだ。もうニーアスじゃないからもう死人なんだから駄目にならなくちゃいけない。
「ほんとに⁇本当にそう思うの?」
「え......」
目の前に立っている人を見て私は唖然とした。何故なら私の目の前に前世の前の姿つまりニーアスが立っていたから。
「な、なんで?」
「私は貴方が昔に望んだ結晶体。いわば願いのかけらみたいな存在だね」
「昔に望んだ?」
「えぇ。貴方は願った。ニーアスとしての人生をまだ生きたい。だからセリファだけが残ったこの姿。この子も気付いてはいるけど、見て見ぬふりをしているのよ。今あいつに見つかるのは都合が悪いからね」
「何を言って......」
「貴方はどうしたい?」
「私は......」
私はどうしたいんだろ⁇もう一度やり直してニーアスが愛される方に行けばいいの?
「ひとつだけ忠告するならひとりにならないことね」
「は?」
「ニーアスとして一言。何を甘ったれているの」
「......」
「貴方はラティスなのよ。今までだって、私を......ニーアスではないって言い続けたラティス.ハンル.モールドはどうしたの?貫きなさい」
「で、でも記憶が......」
「記憶が無くなれば何もかもお終いだって思っているの?まだまだこの先長い人生が待っているのに立ち止まるの?」
「そんなこと......」
「何もかも諦めてニーアスだって思い込んで......ラティスを否定するの?貴方はラティスなのに」
「そんなこと言われたって......」
「甘えるのもいい加減にしなさいよね?今甘えている時じゃないの‼︎世界のことわりをひっくり返せる貴方が立ち止まったら皆んな立ち止まる!皆んなを不幸な道に追いやる気?」
「そんなことしない!」
「だったら貫きなさい。どんな形だっていい。ラティスだって思えるその気持ちが大事なの。私はセリファだけど、ラティスのことは私が一番よく知っているの。だから諦めないで。お願い。貴方にはやるべきことがあるの」
「やるべきこと?」
「今の貴方に言っても仕方ない。でももし代償を跳ね返せるのならばきっと、貴方は止めてくれる。この負の連鎖を止めてくれるって信じているから。だからどうか絶望だけはしないでね」
そう言って何処かに消えてしまった。
そうか。同じ魂を分け合ってももう私はニーアスじゃない。ありがとう。まだ混乱してはいるけど、未来の先が見えて来た気がする。
「......ニア。まだあんたが生きているなんて許さないから。ルーク様を復活させるのは私なんだから」
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