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消えた記憶の先には
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アリアス達を追い出した二時間経過
「ウリス‼︎もっと詳しく説明しろ!」
「何度も言ったじゃないか。もう二時間ぐらい説明してるんだけど⁇」
「ラティスの記憶は代償って......あいつにそんな魔力あったのかよ!?」
「何気に酷いな」
「ラティスがそれを望んだのか⁇」
「いや。ラティスは望んでいない。誰が勝手に代償を使ったんだ。ラティスを生かすために」
「......」
「じゃあラティスは転生後の記憶も私と戦ったことも......レイセリファや公爵様達のことも何もかも忘れてしまったって言うの!?」
「そうだよ」
「......っ!?」
嘘?ラティスが私達を忘れるなんて......。
「どうすれば元に戻せるのだ⁇」
「わからない。僕にもその事については知らないんだ」
「ウリスでも知らねぇってことは前例がないんだな⁇」
「ああ、そうだよ」
「そんな......代償を跳ね返すことが出来なければラティスは一生あのままなの?」
「そうなるね」
「そんなのあんまりだよ」
ラティスはきっと大切な記憶が消えて混乱しているはず。目覚めた先には何もかも失った世界。ニーアスお姉様を死に追いやったのは陛下と自分。わかってはいるけど......ラティスがどう受け止めるかどうかはわからない。
一方その頃ラティスの部屋
「......私が死んだ」
何も得ずに死んだ⁇誰かに愛してもらえずに大切な家族に振り向いてもらえずに死ぬなんて......私の人生ってなんだったんだろ⁇
「お父様の殺人未遂の濡れ衣を着させられて死ぬなんて......最悪だよ」
私はなんのために転生して来たの⁇何もないくせにまた何もないまま生きて死ねって言っているの⁇そんなの嬉しくない。本当に記憶が消えたのならその先には何もない。
「私はニーアスなんだから」
ラティスじゃない。ラティスなんて知らない。
ふと鏡に映る自分を見つめた。
「......本当に私なの⁇」
私の容姿ではない。私の髪は深紅色で目は濁った沼なんだから。
「そんなに綺麗な瞳じゃない」
いつも曇っていた瞳が曇っていない。まるで此処での生活が幸せであったかのように映っていた。
「私は本当に死んでラティスになったの?私はもうニーアスじゃないの?」
公爵家に生まれた令嬢。
今更人生が変わったって意味なんてない。苦しみや怒りや悲しみや痛みは消えたりしないんだから。
「私は貴方じゃない。ニーアスなの」
私はずっと昔からおとぎ話のように愛されたかった。でも何もないまま愛されずに死に転生した。
「貴方だけが幸せなんて......許さないから。ラティスも不幸の道に進むべきだよ」
私はニーアスでとても汚い。心がどす黒くなるぐらい駄目な人間だ。
「お願い。もう一度あの日に戻して。今度こそ私はお父様に気に入られるから」
「そんなことしても意味ないよ」
ビクッ
「誰!?」
「やあ。僕はウリスさ。人間達は僕のことを神と呼ぶ。神の代理であり神の使いさ」
「......神の使い⁇」
何を言っているの?てか、何処から入ったの?それになんだか懐かしい。そんな気がする。
その答えはまだ先のお話。
「ウリス‼︎もっと詳しく説明しろ!」
「何度も言ったじゃないか。もう二時間ぐらい説明してるんだけど⁇」
「ラティスの記憶は代償って......あいつにそんな魔力あったのかよ!?」
「何気に酷いな」
「ラティスがそれを望んだのか⁇」
「いや。ラティスは望んでいない。誰が勝手に代償を使ったんだ。ラティスを生かすために」
「......」
「じゃあラティスは転生後の記憶も私と戦ったことも......レイセリファや公爵様達のことも何もかも忘れてしまったって言うの!?」
「そうだよ」
「......っ!?」
嘘?ラティスが私達を忘れるなんて......。
「どうすれば元に戻せるのだ⁇」
「わからない。僕にもその事については知らないんだ」
「ウリスでも知らねぇってことは前例がないんだな⁇」
「ああ、そうだよ」
「そんな......代償を跳ね返すことが出来なければラティスは一生あのままなの?」
「そうなるね」
「そんなのあんまりだよ」
ラティスはきっと大切な記憶が消えて混乱しているはず。目覚めた先には何もかも失った世界。ニーアスお姉様を死に追いやったのは陛下と自分。わかってはいるけど......ラティスがどう受け止めるかどうかはわからない。
一方その頃ラティスの部屋
「......私が死んだ」
何も得ずに死んだ⁇誰かに愛してもらえずに大切な家族に振り向いてもらえずに死ぬなんて......私の人生ってなんだったんだろ⁇
「お父様の殺人未遂の濡れ衣を着させられて死ぬなんて......最悪だよ」
私はなんのために転生して来たの⁇何もないくせにまた何もないまま生きて死ねって言っているの⁇そんなの嬉しくない。本当に記憶が消えたのならその先には何もない。
「私はニーアスなんだから」
ラティスじゃない。ラティスなんて知らない。
ふと鏡に映る自分を見つめた。
「......本当に私なの⁇」
私の容姿ではない。私の髪は深紅色で目は濁った沼なんだから。
「そんなに綺麗な瞳じゃない」
いつも曇っていた瞳が曇っていない。まるで此処での生活が幸せであったかのように映っていた。
「私は本当に死んでラティスになったの?私はもうニーアスじゃないの?」
公爵家に生まれた令嬢。
今更人生が変わったって意味なんてない。苦しみや怒りや悲しみや痛みは消えたりしないんだから。
「私は貴方じゃない。ニーアスなの」
私はずっと昔からおとぎ話のように愛されたかった。でも何もないまま愛されずに死に転生した。
「貴方だけが幸せなんて......許さないから。ラティスも不幸の道に進むべきだよ」
私はニーアスでとても汚い。心がどす黒くなるぐらい駄目な人間だ。
「お願い。もう一度あの日に戻して。今度こそ私はお父様に気に入られるから」
「そんなことしても意味ないよ」
ビクッ
「誰!?」
「やあ。僕はウリスさ。人間達は僕のことを神と呼ぶ。神の代理であり神の使いさ」
「......神の使い⁇」
何を言っているの?てか、何処から入ったの?それになんだか懐かしい。そんな気がする。
その答えはまだ先のお話。
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