愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

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集まる運命達

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 「早くルーク様の元に‼︎」
 「ああ。もうあいつをひとりにはさせない」
 「あんたって本当に馬鹿」
 「んだと!」
 「早く行くよ」
 「おう」
 ルーク。今度こそ絶テェお前を連れ出してみせる。
 ドーン
 「くっ......」
 「あははは‼︎私に勝てるとか言っていたのに全然弱いじゃん。こんなんで何に勝つの?私に勝つなんて何度死んでも無理なんだよ」
 「はぁはぁ」
 強い。でも私の目的はルークを倒すことじゃない。私の考えが正しければまだ、ノルは生きているはず。それまでは時間を稼ぐ。
 「主人様。もうこれ以上の応戦は無理だ。俺様の力を全力で使え」
 「でもそんなことをしたらルークが......」
 「その前に主人様がやられる!」
 「......」
 もう無理なの⁇もうルークを殺すこと以外に止める方法がないの?此処は夢の世界だからどっちみち何をしても過去を変えられない。だから本当はこんな行動無意味なの。でもどうしてかなぁ⁇どうしてもルークを夢の中でもいいから少しでもいい未来になってほしいって思う。
 ドーンバーン
 「主人様!?後ろ‼︎」
 「え......きゃっ!」
 ドンッ
 何⁇何がぶつかったの?
 「ゔっ!」
 「り、リーン!?」
 「ルークはん⁇これは一体どうゆーことなん⁇なんで腕だけがあるん?」
 「黄色のレイセリファ。ちょうどいいわ。こいつらを殺して」
 「......」 
 「何をしているの?早く殺しなさい‼︎これは命令よ」
 「その命令には従えへん」
 「......」
 黄色のレイセリファがルークの命令に逆らった?
 「うちは誰かを傷付けるために生まれたわけじゃあらへん。うちらを創ってくれたことには感謝する。でもこれとそれは違うわ。うちは緑のレイセリファについていく」
 「黄色のレイセリファ」
 「そう。私にはもう味方が居ないね⁇私はずっと独りぼっちなのね」
 そういえば、オレンジのレイセリファどうしたんだろ⁇あれだけの忠誠心があるオレンジのレイセリファがルークのピンチに来ないわけがない。何かあったんだ。
 「もう皆んないらない。私は神様だから孤独でいいのよ!」
 「......まずい」
 ルークが本気で魔法を使ったら勝つどころかこの世界が終わる。夢だからいいなんて言っている場合じゃない。
 バーン
 「ルーク‼︎」
 「......ノル⁇なんで⁇たしかに君を消し去ったはず。なのになんで此処に居るの⁇」
 「ルーク様申し訳ございません。私はノルを見捨てることが出来ませんでした」
 「青のレイセリファ。君までも私に見捨てるのね⁇そうか。君の幻の力だね⁇まんまと騙されたよ」
 「ルーク様。もう誰も傷付けてほしくないのです。他のレイセリファ達もきっとそれを望んでいます」
 「うふふ」  
 「ルーク様⁇」
 「この世界はもう駄目。やっぱり一度リセットするのがいいわ。もう誰も苦しくない世界に変えてあげる」 
 「ルーク様!」
 「モールド家!?」
 もう追い付いて来たの!?早すぎるよ!
 「此処は神の間だ。部外者立ち去ってもらおう」
 「悪いけど、私達はもう部外者じゃないの」
 「何を言っている⁇ルーク様に逆らうものは皆死を持って償うのだ」
 「それが正しいと言うの?それがこの村の掟だと言うの?この村は人を殺しても平気だと言うの?」
 「そんなわけ......」
 「だったらなんで、ルークをひとりにしたの⁇ルークのご両親はどうしたのよ!ルークには家族が必要なの‼︎」
 「何を勝手な......」
 「勝手だっていい!私にはわかるから。家族と離れ離れに暮らすのがどれだけ辛いかわかるから!」
 「......」
 「ルーク様のお父様もお母様ももうこの世には......」
 「嘘?嘘だって言ってよ⁇まだ生きているって......いつか会えるって信じて今まで頑張って来たのに......それも全てが無意味だったの?あ、あはは、あははは。この世界に私を愛してくれる人は居ない」
 あれ?なんだかルークがアリアスに似て来た。アリアスも誰も愛してくれない。好いてくれる人が居ない。家族が欲しいってずっと言っていた。でも目の前の幸せに気付くことが出来ずにニーアスを私を失った。ラティスとして生まれ変わってようやく和解することが出来た。まるで、目の前のルークがアリアスのように自分で自分を苦しめているように感じる。
 「誰も私を見てくれない!」
 「そんなこと......」
 「あるよ!もう嫌!こんな世界いらない。皆んな皆んな消えてしまえばいいんだ‼︎だから......」
 パチィッ
 「は......⁇」
 叩かれた?私が⁇生まれてから誰にも叩かれるどころか叱られたことすらないのに......。
 「......ルークいい加減にしなさい‼︎」
 「......」
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