愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

文字の大きさ
上 下
82 / 145

モールド家初代当主とラティス

しおりを挟む
 「オレンジのレイセリファもレイセリファに戻り......」
 バーン
 「!?」
 大きな音がしたと思ったら地面がガタガタと揺れ出した。
 「な、なに!?」 
 「......ルーク様」
 「......」
 遡ること数分
 「ルーク‼︎」
 「うわあああああ‼︎」
 「落ち着け!お前は本当にこのままでいいのか⁇罪なき人々を苦しめるのが神様なのか?」
 「ノルに何がわかる‼︎私の気持ちも初めて人を殺したあの日のことも全部知らないくせに偉そうなこと言わないで!」
 「俺だって、人を殺した。大勢の罪なき人を殺してセリファを壊した。だが、お前は今、無差別に人を襲う怪物と化しているんだ」
 「うるさい‼︎」
 「ルーク.ハート‼︎話を聞け!」
 「嫌だ!話す事なんてない。もう出て行って‼︎」
 「俺はあるんだよ」
 「......話す事なんてないって言っているのに......もういいわ。わからせてあげる。神の前では大魔法使いも無意味だという事を!」
 「ルーク何を......」
 「さようなら。もう二度と会う事はないと思うわ。大好きだったよ。ノル.ウィーング」
 バーン
 そして今に至る
 「嘘でしょ⁇」
 さっきまであった村がほぼ崩壊している。神の間だけは無傷だ。
 「貴方様はルーク様⁇」
 「え?」
 あれ?プラチナブロンドにオレンジの瞳⁇
 「......まさか、モールド家なの⁇」
 スッ
 「貴様はルーク様じゃない。お前は誰だ⁇」
 「......」
 一瞬で見抜かれた!?なんで⁇ルークとは瓜二つだと思っていたけど、モールド家初代当主にはわかるものなの?
 「ルーク様にしては幼すぎる」
 「......」
 確かに今のルークとは五歳違いだ。前世は省いてね!
 「貴様は何しに此処に来た?答えによっては......」
 「......」
 悪いけど、貴方に構っている暇はないの!
 シュルルル
 「か、風!?」
 風で自分自身を打ち上げただと⁇あの子は何者なんだ⁇知らない奴のはずなのに知っている気がする。モールド家はまだ名の知らない貴族だ。まだ立ち上げてからそんなに経っていない。なのにあの子は知っていた。まるで、最初からモールド家のことを何もかも知っていたかのように。
 「カセリついて来ているわよね⁇」
 「当たり前だ」
 「そうよかった」
 今、カセリを失うわけにはいかない。今失えばルークと対等に話すどころか戦う事すら出来ない。
 「このまま神の間に一直線だよ」
 「了解。主人様」
 「えっ!?」
 「何驚いてるんだよ⁇」
 「ま、まさか主人として認めてもらえるとは思わなかったから......その......つい驚いてしまったの」
 「そうかよ。いつもの俺様ならこんな奴認めるかよ」
 「ん?何か言った?」
 「なんでもねぇよ!」
 「そう⁇」
 神の間
 「ルーク、ノル。お願いだからどっちも無事で居て」
 キィー
 「あら?思ったよりも早く戻って来たのね⁇それに赤のレイセリファを手懐けるなんて......君何者?」
 「......ルーク」
 おかしい。ノルの姿が何処にもない。最初から此処には居なかったかのように......。
 「ノルは何処⁇」
 「ああ。あれならあそこだよ」
 ルークは天井に指を指した。
 「ノル!?」
 天井にはノルの......。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

異世界転移聖女の侍女にされ殺された公爵令嬢ですが、時を逆行したのでお告げと称して聖女の功績を先取り実行してみた結果

富士とまと
恋愛
公爵令嬢が、異世界から召喚された聖女に婚約者である皇太子を横取りし婚約破棄される。 そのうえ、聖女の世話役として、侍女のように働かされることになる。理不尽な要求にも色々耐えていたのに、ある日「もう飽きたつまんない」と聖女が言いだし、冤罪をかけられ牢屋に入れられ毒殺される。 死んだと思ったら、時をさかのぼっていた。皇太子との関係を改めてやり直す中、聖女と過ごした日々に見聞きした知識を生かすことができることに気が付き……。殿下の呪いを解いたり、水害を防いだりとしながら過ごすあいだに、運命の時を迎え……え?ええ?

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

転生者の取り巻き令嬢は無自覚に無双する

山本いとう
ファンタジー
異世界へと転生してきた悪役令嬢の取り巻き令嬢マリアは、辺境にある伯爵領で、世界を支配しているのは武力だと気付き、生き残るためのトレーニングの開発を始める。 やがて人智を超え始めるマリア式トレーニング。 人外の力を手に入れるモールド伯爵領の面々。 当然、武力だけが全てではない貴族世界とはギャップがある訳で…。 脳筋猫かぶり取り巻き令嬢に、王国中が振り回される時は近い。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

処理中です...