愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

文字の大きさ
上 下
78 / 145

ルークの復讐その5紫のレイセリファ編

しおりを挟む
 「なんなんだ。なんなんだよ‼︎何故倒れない⁇何故魔力が尽きないんだよ!」
 「俺は不死の力を持っているからだ」
 「不死の力だと?」
 勝てるわけがない。不死の力を持っている時点で体力の限界が来ても死ぬことはない。
 「ルークは何処だ⁇神の間か?」
 「行ってどうする?」
 「ルークを説得する」
 「はっ?それで主人様が止まると思うのか?もう俺様達にも止められないぜ」
 「......それでも俺はルークのことが好きだから。だからあいつには不幸になってほしくないんだ!」
 「本気なんだな?」
 「そうだ!」
 「いいぜ。協力してやるよ」
 「い、いいのか?」
 「ああ。主人様を裏切る形にはなるがこのままじゃ駄目だって思っていたんだ」
 「赤のレイセリファ」
 「どうして⁇」
 「オレンジのレイセリファ!?」
 「どうしてルーク様を裏切るの?なんでルーク様に消えない傷を付けるの⁇なんで、赤のレイセリファがそっち側なの?ねぇ!どうしてよ!」
 「ノル!テメェは行け!此処は俺様が食い止める!」
 「サンキュー!ぜってえー死ぬなよ」
 「当たり前だ!力じゃ俺様の方が強い」
 「言ってくれるじゃない。あんた如きに負けるわけないでしょ⁇一番最初に創られたのは私よ。だから負ける気がしないの」
 「ノル!早く行け」
 「......死ぬなよ」
 神の間
 「はぁはぁ」
 「此処から先には通すわけにはいかん」
 「誰だ!」
 「我は紫のレイセリファじゃ。お主を此処から先には行かせん」
 「退け!ルークに用があるんだ‼︎」
 「お主がなんと言おうと関係なかろう。我は我の責務を全うするだけだ」
 「お前を倒さなければいけないのなら俺はやるぜ。ルークに会うためにもな!」
 「どうしてそこまでするのじゃ?そんなにルークを大事に思っておるのか?」
 「当たり前だ!」
 「じゃあ何故一番大事な時に側に居てやらんかったのだ?我はそこが不思議で仕方ないのだ」
 「そ、それは......」
 わかっていた。ルークが徐々に壊れていく事を。なのに見て見ぬ振りをして来た。本気でルークが好きなら真正面で向き合わなければいけないのに......出来なかった。でも今度は逃げない。ルークにこの想いをぶつけるまでは!
 「それは何?」
 「それは俺の弱い心が招いた結果だ!」
 「そうか。なら死ね」
 「......っ‼︎」
 こいつの魔力は他とは違う。魔力量が桁違いだ。でも負けねぇ。ルークと直接話すまではな!
 「......」
 ノル。此処まで来た事は褒めてあげる。でも此処から先は一歩も行かせない。この神の間に入れるものは私しか居ない。
 「......本当にそうなの?」
 「!?」
 またあの子!?
 「な、なんでこんな所に居るの⁇誰も入ってこれないように何重にも結界を張ったのに......」
 「私は此処にただ漂っている存在だから」
 「何を言っているの?」
 「貴方が数時間前に紫のファルミ...... レイセリファを創ったところも見たよ」
 「ファルミ⁇誰それ?」
 「今は言わない。言えない」
 夢の中でも今言ってしまえば戻れなくなる。それだけは嫌だ。皆んなにもノワールにも会えないのは死んだも同然だから。
 「君は何故そんなにも私に似ているの?」
 「いつか気付くから。その時までは目を瞑ってほしい」
 「......」
 その言葉はまるでもう何もかもお終いにすればいいって言われているような......。
 「まだ終われない。終われないの!」
 「!?」
 レイセリファ!?最後のレイセリファは黄色のレイセリファ‼︎
 「もうこの世界を一度リセットするしかない」
 「そんな事をしたら......」
 「存在自体が無かったことになる。それでいいのよ!これが正しい答えなのよ!あははははは‼︎」
 「私はそうだとは思いません!」
 「り、リーン!?」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

異世界転移聖女の侍女にされ殺された公爵令嬢ですが、時を逆行したのでお告げと称して聖女の功績を先取り実行してみた結果

富士とまと
恋愛
公爵令嬢が、異世界から召喚された聖女に婚約者である皇太子を横取りし婚約破棄される。 そのうえ、聖女の世話役として、侍女のように働かされることになる。理不尽な要求にも色々耐えていたのに、ある日「もう飽きたつまんない」と聖女が言いだし、冤罪をかけられ牢屋に入れられ毒殺される。 死んだと思ったら、時をさかのぼっていた。皇太子との関係を改めてやり直す中、聖女と過ごした日々に見聞きした知識を生かすことができることに気が付き……。殿下の呪いを解いたり、水害を防いだりとしながら過ごすあいだに、運命の時を迎え……え?ええ?

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

転生者の取り巻き令嬢は無自覚に無双する

山本いとう
ファンタジー
異世界へと転生してきた悪役令嬢の取り巻き令嬢マリアは、辺境にある伯爵領で、世界を支配しているのは武力だと気付き、生き残るためのトレーニングの開発を始める。 やがて人智を超え始めるマリア式トレーニング。 人外の力を手に入れるモールド伯爵領の面々。 当然、武力だけが全てではない貴族世界とはギャップがある訳で…。 脳筋猫かぶり取り巻き令嬢に、王国中が振り回される時は近い。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

処理中です...