愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

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ルークの復讐その2赤のレイセリファ編

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 ノル。君が私の敵になるなんて思ってなかった。ノルが人間達を守るなんて思ってもみなかったよ。
 「......さようならノル」
 もう君とは会わない。この神の間にも入れる気はないよ。
 私はこの神の間に強力な結界を張った。ノルはもちろん。殺意を向ける者や私を利用とする者は絶対に入れない。
 「君を止めるにはレイセリファはひとつじゃ足りない」
 神の力を発動させるたびに何かを失う感覚に陥る。まるで、私が私じゃない感じだ。
 「もう私は駄目みたい」
 今までのルーク.ハートは消えた。本物の神としてこの地に降臨するのだ。
 翌日
 「出来た」
 「此処は?」
 「君は赤のレイセリファだよ。そして私はルーク.ハート。神様さぁ」
 「主人様」
 「ノル.ウィーングを足止めをして。傷付けるだけならいいけど......殺すことだけは認めないよ」
 ノルが死ぬところなんて見たくもないし聞きたくもない。
 「わかりました」
 「じゃあ行って」
 「ノル!あんた邪魔なのよ!」
 「オレンジのレイセリファ。俺は無闇に人を傷付ける奴は嫌いだ」
 「あっそう。私はあんたが好きでもなければ感心するないわ!」
 「悪いがこれ以上人を傷付けるのはよしてくれ」
 「ルーク様を裏切った外道が何を吐かすか!」
 「おっと。此処から先は俺様にやられせてくれよ。オレンジのレイセリファ」
 「あんた誰?」 
 「赤のレイセリファだ」
 「ルーク様が二個目を創った⁇」
 「テメェがノルだな?」
 「だったらどうした?」
 「お前は今から俺様と戦うんだよ。手荒な真似をしたくはないが仕方ねぇ。主人様のご命令だからな」
 「ルークの?」
 ルーク。お前は一体何を考えているんだ?
 「じゃあ行くぜ」
 「赤のレイセリファ。負けたら承知しないから」
 「わかってるぜ」
 ドーン
 「......」
 なんだこの威力は?普通の魔力じゃね!オレンジのレイセリファとはまた違う力。これはかなり厄介だな。
 「......」
 ノル。君が大好きだったよ。でも君がそっち側ならもう好きなる理由がない。
 「......恋ってそんなものなの?」
 「誰だ!?」
 体が透けている?それに私に似ている?一体誰なんだ?
 「......ルーク。私は貴方の恋を見守りたい。でも傷付けるのは違うんじゃないかなぁ?」
 「君は一体何者なんだ?」
 「今は言えない。いつかわかるよ。だって私は......」
 貴方の記憶と言う名の夢を見ているのだから。
 バーン
 「!?」
 「あがっ!?」
 「お前じゃ俺に勝てない」
 こいつ。思っていた以上にやるな。だが此処で引き下がるわけにはいかねぇ。主人様のご命令だからな!
 「ノル。俺様が思っていた以上に強いことはわかった。たが、俺様がお前に勝てないようにお前も俺様には勝てない」
 「どうゆー意味だ?」
 「こういう事さ!」
 「ぎゃあああああ‼︎」
 「あ、熱い!」
 「まだ死にたくないよ!」
 「助けて!」
 「お母さーん!」
 「て、テメェ!」
 「ぐあははは!お前は誰も守れはしないんだよ!」
 「くそが!」
 「本当にノルが好きなの?」
 「......好きだったよ」
 「じゃあ何故傷付けるの⁇」
 「あっちが裏切ったから。裏切り者は排除しなきゃ」
 「裏切ったとはまだ言えない」
 「は?何を言っているの?あっち側になった時点で裏切ったんだよ?君は頭が悪いのかなぁ?」
 「ルークをこれ以上罪を重ねないようにしたのよ」
 「意味がわからない」
 「貴方は間違っている。好きなら最後まで貫きなさいよ!何神様に負けているの?貴方はルーク.ハートでしょ‼︎」
 「......っ‼︎」
 「私は信じる。でも未来を変えることは出来ない」
 ルークの目の前に現れる時点でおかしい。夢の中ならそこを漂うことしか出来なかった。でも傷付けるのは駄目だって伝えたい。そう思ったら姿を表すことが出来た。
 「ルーク。貴方が何をしたいのかも貴方自身で決めることよ」
 「ま、待って!君は一体誰なんだ!それに此処にどうやって入って......待ってくれ!」
 不思議な女の子は消えてしまった。あの子の姿を見てまるで写鏡のように私に似ていた。一体君は何処の誰で何者なんだ?
 その答えはこの夢が終わる頃にわかることになるのであった。
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