愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

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応えられない想い

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 こんばんは。ラティスです。私は今、ノワールに連れられてとある森の中に居ます。何故森なのかわかりません!
 「ノワール。話ってなに?」
 「そ、その......俺は......が......きだ」
 「は?今なんて?」
 「だからその......す......だ」
 「ごめん。声が小さすぎて聞こえない」
 「だからその......お、お前が好きなんだよ!一回で聞き取れ馬鹿!」
 「は、はあ!?えっ?ちょっ‼︎ノワールほ、本気なの⁇私が好きって......えっ?」
 ノワールに告白される日が来るなんて!?なにこれ?どうなってるの⁇ドッキリ?意味がわからなくなってきた。でも私の答えは決まってる。
 「......ごめんなさい」
 「......え」
 「私はノワールの気持ちに応えることができません」
 「な、なんで!?」
 「私は誰かを好きなる資格なんてないよ」
 「そんなことねぇよ!」
 「だって......人を信用することをやめた私が誰を好きになるの⁇ノワールにはわからないでしょうね?今の私の気持ち......」
 「なんでそんなこと言うんだよ?俺のこと信用しているんだよなぁ?なぁ!」
 「してるよ。信頼はしている。でも何処かで信用してないのかもしれない」
 「......」
 「ノワールの想いに応えたい。でも今の私じゃ無理だよ。だからごめん」  
 ノワールの顔を直視出来ない。どんな顔をしているの⁇怒っているの?それとも悲しんでいるの?今の私にノワールを好きになる資格はないって決めつけるのは駄目なのはわかってる。でも誰も信用だけは出来ない。
 「なんだよそれ?」
 「......」
 「お前はいつもそうだ。肝心な時に黙り込んで......俺のこと信用しているって言ったじゃねぇかよ!あれは嘘だったのかよ!えっ?」
 「ごめん......なさい」
 泣きそうだ。私よりもノワール方が傷付いているのに......こんなにも辛いの?最初から誰も信用も信頼もしなければ良かった。
 「もういい。お前のことはもう助けないからな」
 「......」
 そう言ったノワールはさっさと森を降りて行った。
 「ノワールごめんね」
 私はただノワールの背中越しに謝ることしか出来なかった。
 しばらくして
 「あっ。ノワール‼︎お帰り。で?どうなったの?付き合うことにした......」
 「うるせー‼︎」
 「の、ノワール!?なにがあったの?てか、ラティスは?」
 「もうあいつの事なんて知らねぇんだよ‼︎」
 「......」
 ノワールがここまで怒るなんて......ラティスはなにを言ったの?ノワールがラティスのことなんて知らないって言うなんて......よっぽどのことがあったんだ。早くラティスを見つけなきゃ。
 その頃ラティスは
 「完全に道に迷った!」
 遭難中
 ノワールの後をついて行っただけだから道なんて覚えてなかった!
 ゴキッ
 「いっ‼︎」
 嘘やだ?なんで転んで先が崖なの?今は力を使えないのに......このまま私死ぬの?いやだよ。まだ死にたく無い。お父様やお兄様とまだ一緒に居たい。
 そう願ったが、その願いは虚しくラティスはそのまま真っ逆さまに落ちて行った。
  
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