上 下
55 / 145

魔法が使えない日

しおりを挟む
 今晩はラティスです。私は今、少し困っています。何故かと言うと
 「ラティスどう?」
 「うーん。わからない。なんで、いきなりカセリ達がレイセリファに戻ったのかは不明だよ」
 「本当いきなりだったね」
 「うん」
 そう。カセリ達がレイセリファに戻ってしまったのだ。緑のレイセリファことリーンが仲間に加わり数日後の出来事だ。
 「皆んな大丈夫かなぁ?」
 「大丈夫だと思うよ。だって人間じゃないし」
 「......」
 「ん?ラティスどうしたの?」
 「......アリアス。堂々と言うね」
 「なにが?」
 わかってない‼︎たしかにカセリ達は人間ではない。だけど、レイセリファが壊れた時点でほぼ終わり。
 「今は説明とかは要らないかなぁ......」
 「まぁいいけど......」
 「うわああ‼︎」
 「ねぇ?何か聞こえなかった?」
 「なにも聞こえてないけど?」
 「そうだよね?」
 なんか上の方から声がした気がするが気のせいだよね?
 「うわあああああ!?」
 「......え」
 ゴンッ
 「ら、ラティス!?えっ⁇えっ!?空から人が!?なんで?」
 「いてて......ノワール!?」
 「はあああ!?」
 「ラティス⁇偶然だな」
 「なにが......偶然だなよ!なに私のラティスにぶつかってるのよ‼︎馬鹿!」
 「アリアス......そうキレるなよ」
 「キレてなにが悪いの⁇ラティスの上に落ちておきながら謝罪の一言もないの?」
 「あ、アリアス落ち着いて......私は大丈夫だから」
 「いいえ!此処で白黒はっきりっとつけましょう」
 「なにを?」
 「ラティスのことが大事なのか⁇大事じゃないのか?白黒はっきりっとつけた方がいいわ」
 「はあ!?おまっ!変なこと思いつくなよ」
 「そんなことよりも......ノワール。どうして空から落ちて来たの⁇」
 「あ、ああ。今日一日は魔法が使えねぇんだよ。忘れてた」
 「ええええええ!?」
 「そうだった」
 「アリアス!?知ってたの?」
 「うん。知らないのは多分......ラティスぐらいだと思うよ?」
 ガーン
 「前世では......魔法なんて使った事なかったからなぁ」
 「ほ、ほら!知らない人もたくさんするよ」
 「魔法使う奴らは知ってるけどな」
 ぐにゅっ
 「いててて‼︎なにすんだよ!」
 「ラティスの顔見てよ」
 「私だけ知らない」
 「す、すまん」
 「ちょっ待てよ。カセリ達がレイセリファの戻ったのって......」
 「......そうだよ!魔法が使えないからよ!ラティス‼︎やっぱり原因を突き止めるって思ってたよ」
 「カセリ⁇誰だ?」
 「あっそうか。ノワールは知らないね。今、私達はレイセリファを探す旅に出てるの」
 「は?はあ!?またかよ!?」
 「うん。今は四つ目」
 「結構集まったな」
 「うん。あと二つ」
 「もう一つはオレンジのレイセリファ。そしてもう一つは黄色のレイセリファよ」
 「......黄色のレイセリファ」
 「なんでまた探してるの?手元にあるよなぁ⁇」
 「それが......」
 私はノワールにこれまであったことを話した。ノワールは話を聞き終わる頃には心底驚いた顔をしていた。
 「まじかよ......」
 「うん」
 「ノワール。ラティス」
 「んだよ?」
 「魔法って今日一日使えないんだよね?」
 「そうだけど......」
 「魔法が使えない日に魔物と遭遇したらどうすればいいの?」
 「逃げるの選択肢しかないだろ?」
 「うん。そうだね......逃げろ‼︎」
 「は?」
 「グアマルル‼︎」
 「ぎゃあああ!?」
 まさかの魔物と遭遇。いきなり過ぎて何が何だかもうわからない。
 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。  運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。  憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。  異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

婚約破棄されたので王子様を憎むけど息子が可愛すぎて何がいけない?

tartan321
恋愛
「君との婚約を破棄する!!!!」 「ええ、どうぞ。そのかわり、私の大切な子供は引き取りますので……」 子供を溺愛する母親令嬢の物語です。明日に完結します。

噂の醜女とは私の事です〜蔑まれた令嬢は、その身に秘められた規格外の魔力で呪われた運命を打ち砕く〜

秘密 (秘翠ミツキ)
ファンタジー
*『ねぇ、姉さん。姉さんの心臓を僕に頂戴』 ◆◆◆ *『お姉様って、本当に醜いわ』 幼い頃、妹を庇い代わりに呪いを受けたフィオナだがその妹にすら蔑まれて……。 ◆◆◆ 侯爵令嬢であるフィオナは、幼い頃妹を庇い魔女の呪いなるものをその身に受けた。美しかった顔は、その半分以上を覆う程のアザが出来て醜い顔に変わった。家族や周囲から醜女と呼ばれ、庇った妹にすら「お姉様って、本当に醜いわね」と嘲笑われ、母からはみっともないからと仮面をつける様に言われる。 こんな顔じゃ結婚は望めないと、フィオナは一人で生きれる様にひたすらに勉学に励む。白塗りで赤く塗られた唇が一際目立つ仮面を被り、白い目を向けられながらも学院に通う日々。 そんな中、ある青年と知り合い恋に落ちて婚約まで結ぶが……フィオナの素顔を見た彼は「ごめん、やっぱり無理だ……」そう言って婚約破棄をし去って行った。 それから社交界ではフィオナの素顔で話題は持ちきりになり、仮面の下を見たいが為だけに次から次へと婚約を申し込む者達が後を経たない。そして仮面の下を見た男達は直ぐに婚約破棄をし去って行く。それが今社交界での流行りであり、暇な貴族達の遊びだった……。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……

こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

平凡なオレは、成長チート【残機無限】を授かってダンジョン最強に! でも美少女なのだがニートの幼馴染みに、将来性目当てで言い寄られて困る……

佐々木直也
ファンタジー
交通事故で死んだオレが授かった特殊能力は──『怠け者でもラクして最強になれる、わずか3つの裏ワザ』だった。 まるで、くっそ怪しい情報商材か何かの煽り文句のようだったが、これがまったくもって本当だった。 特に、自分を無制限に複製できる【残機無限】によって、転生後、オレはとてつもない成長を遂げる。 だがそれを間近で見ていた幼馴染みは、才能の違いを感じてヤル気をなくしたらしく、怠け者で引きこもりで、学校卒業後は間違いなくニートになるであろう性格になってしまった……美少女だというのに。 しかも、将来有望なオレに「わたしを養って?」とその身を差し出してくる有様……! ということでオレは、そんなニート幼馴染みに頭を悩ませながらも、最強の冒険者として、ダンジョン攻略もしなくちゃならなくて……まるで戦闘しながら子育てをしているような気分になり、なかなかに困った生活を送っています。

処理中です...