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迷子のアリアスその1
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あの村を出てから数日後意外な自分にあった。
「ラティス‼︎」
「あ、アリアス!?」
「やっと会えた!」
「どうして此処がわかったの?」
「わかってないよ」
「......え」
「世界中あちこち探し回ったんだから」
「ご、ごめんね。いきなり居なくなって......」
「うん。そうだね。お父様も公爵様も怒ってるよ。貴方のお兄様もね」
「ゔっ!ごめんなさい」
「でも悪いのは......こいつ!」
そう言って、カセリの方へ指を指した。
「俺様!?」
「自覚なしか!あんたが、ラティスを連れ去ったんでしょうが‼︎しかも怪我の手当てもしないで......この馬鹿レイセリファ‼︎」
「あ、アリアス。言い過ぎたよ」
「フッんだ!」
「お主ら気を付けるのじゃ」
「え?何が?」
「この先......迷いの森じゃ」
「迷いの森?」
「ああ。聞いた事あるぜ。誰かを憎まれることや恨まれることをした奴は永遠にこの森を彷徨うって話だろ?」
「そうじゃよ。ラティスは大丈夫じゃろう」
「ラティスは優しいから」
「皆んな......」
「この森に踏み入れるのは良いが、迷う可能性もある。だからお主、皇女様はついてこない方が良いではないのか?」
「いや行く。私だって、ラティスの役に立ちたい」
「まぁ、いいけどさ。主人様の邪魔だけはするなよ?」
「誘拐犯に言われたくない」
「んだと!」
「二人とも!落ち着きなさい。ラティスが困っているわよ」
「え?」
「は?」
「ふ、二人とも喧嘩は駄目だよ」
天使!
「二人ともどうしたの?」
「な、なんでもないのよ」
「ああ。なんでもない」
「ん?」
この時二人は困った顔で止めるラティスを見て可愛すぎて天使に見てたのであった。
「ね、ねぇ、ラティス。手繋いでもいい?」
「駄目じゃ」
「なんで!?」
「もしお主がこの森を彷徨うならばラティスも彷徨うことになる。だから誰一人とも手を繋いではならないのじゃ。我慢するのじゃ」
「わかった」
私達は同時に迷いの森に足を踏み入れた。
霧が凄い。一応前は見えるけど、少ししか見えない。
「......あれ?」
もう森を抜けた!?
「皆んなはまだ抜けてない?」
「貴方は誰にも憎まれてもないし恨まれてもないのですね」
「誰!?」
「私は緑のレイセリファです。貴方は心が綺麗なのですね」
私は誰にも憎まれてない?てっきりオレンジのレイセリファに恨まれているって思ってた。
「あら。貴方と来た三人は抜け出せたみたいね」
「カセリ、ファルミ、ニーブル‼︎よかった。無事だったんだね」
「当然じゃ」
「俺様は憎まれることなんてしてないぜ」
「私も憎まれてないみたいね。よかったわ」
「アリアスは⁇」
「あの人は試練と戦っています」
「試練?」
「はい」
「試練ってどいうことなの!?」
「あの人はいろんな人から恨まれて憎まれています」
「......」
その話を聞いて、私は確信した。手を繋ぎたいって言ったのも恨まれて憎まれることをしたからだ。
どうして気付いてあげられなかったんだろう。
「試練に勝つことさえ出来ればあの人もここに来ることが出来ます。しかし......」
私はその言葉を聞いて愕然した。だって、アリアスが試練を乗り越えることが出来なければ......。
「ラティス‼︎」
「あ、アリアス!?」
「やっと会えた!」
「どうして此処がわかったの?」
「わかってないよ」
「......え」
「世界中あちこち探し回ったんだから」
「ご、ごめんね。いきなり居なくなって......」
「うん。そうだね。お父様も公爵様も怒ってるよ。貴方のお兄様もね」
「ゔっ!ごめんなさい」
「でも悪いのは......こいつ!」
そう言って、カセリの方へ指を指した。
「俺様!?」
「自覚なしか!あんたが、ラティスを連れ去ったんでしょうが‼︎しかも怪我の手当てもしないで......この馬鹿レイセリファ‼︎」
「あ、アリアス。言い過ぎたよ」
「フッんだ!」
「お主ら気を付けるのじゃ」
「え?何が?」
「この先......迷いの森じゃ」
「迷いの森?」
「ああ。聞いた事あるぜ。誰かを憎まれることや恨まれることをした奴は永遠にこの森を彷徨うって話だろ?」
「そうじゃよ。ラティスは大丈夫じゃろう」
「ラティスは優しいから」
「皆んな......」
「この森に踏み入れるのは良いが、迷う可能性もある。だからお主、皇女様はついてこない方が良いではないのか?」
「いや行く。私だって、ラティスの役に立ちたい」
「まぁ、いいけどさ。主人様の邪魔だけはするなよ?」
「誘拐犯に言われたくない」
「んだと!」
「二人とも!落ち着きなさい。ラティスが困っているわよ」
「え?」
「は?」
「ふ、二人とも喧嘩は駄目だよ」
天使!
「二人ともどうしたの?」
「な、なんでもないのよ」
「ああ。なんでもない」
「ん?」
この時二人は困った顔で止めるラティスを見て可愛すぎて天使に見てたのであった。
「ね、ねぇ、ラティス。手繋いでもいい?」
「駄目じゃ」
「なんで!?」
「もしお主がこの森を彷徨うならばラティスも彷徨うことになる。だから誰一人とも手を繋いではならないのじゃ。我慢するのじゃ」
「わかった」
私達は同時に迷いの森に足を踏み入れた。
霧が凄い。一応前は見えるけど、少ししか見えない。
「......あれ?」
もう森を抜けた!?
「皆んなはまだ抜けてない?」
「貴方は誰にも憎まれてもないし恨まれてもないのですね」
「誰!?」
「私は緑のレイセリファです。貴方は心が綺麗なのですね」
私は誰にも憎まれてない?てっきりオレンジのレイセリファに恨まれているって思ってた。
「あら。貴方と来た三人は抜け出せたみたいね」
「カセリ、ファルミ、ニーブル‼︎よかった。無事だったんだね」
「当然じゃ」
「俺様は憎まれることなんてしてないぜ」
「私も憎まれてないみたいね。よかったわ」
「アリアスは⁇」
「あの人は試練と戦っています」
「試練?」
「はい」
「試練ってどいうことなの!?」
「あの人はいろんな人から恨まれて憎まれています」
「......」
その話を聞いて、私は確信した。手を繋ぎたいって言ったのも恨まれて憎まれることをしたからだ。
どうして気付いてあげられなかったんだろう。
「試練に勝つことさえ出来ればあの人もここに来ることが出来ます。しかし......」
私はその言葉を聞いて愕然した。だって、アリアスが試練を乗り越えることが出来なければ......。
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