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青のレイセリファ
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前世の本当の父に会いに行くと決めて早く二週間。極寒の地と言われる。冷山に来た私達。ファルミの話だとこの山に魔女の一族が住んでいるらしい。
「さささ、寒い!?」
「当たり前じゃろ?カセリよ。お主、寒さに弱いのか?」
「俺は赤のレイセリファだぞ!こんな極寒の地に連れて来やがって!」
「ちょっ!?カセリ?」
「レイセリファに戻りおったな。うむ。たしかにラティスのポケットの中は暖かいだろう」
「ファルミ?怒ってる?」
「大丈夫じゃ。この地に雪崩が起きるかもしれんほどには怒っておるけどな」
「へ、へぇー」
めちゃくちゃ怒ってる!?
山頂。
「本当に村があった」
「うむ。思ったよりも数が多いのう」
「てか、ウリスはどうした?」
「うわっ!?びっくりした‼︎」
「いきなり大きな声出すなよな」
「ウリスならとうの昔に神の元へと帰ったぞ」
「帰った!?」
「知らなかったんだ......」
ぶつぶつ
「彼奴は......」
「ん?どうしたんだ?」
「何でもないぞ」
「そうか」
「わしがここの村長じゃ。よろしく」
「よぼよぼの爺さんじゃん」
ゴンッ
「ぐぅむ!?」
「......」
「主人様、何すんだよ!」
「何すんだよじゃないわよ!いきなりの失礼発言はやめてよね?」
「仲がよろしくてなりよりじゃ」
「仲良くない‼︎」
「息ぴったりじゃのう。我とは息を合わせてくれぬのか?」
「オメェはややこしくなる事を言うんじゃねぇよー‼︎」
「黙れ。我のおかげで命が繋がったと思え」
「ぐぬぬ‼︎」
マジでムカつく!
バーン
「これ!お前はノックぐらい出来んのか?」
ぶつぶつ
「あの......」
「なんだ?」
めっちゃ睨んでる!
「何か悩みでもあるんですか?」
「俺は......俺は悪くない‼︎あいつが悪いんだ!」
ビクッ
「な、何あれ?」
「どうも精神がおかしくなってしまったのじゃ。娘と妻を亡くし......と言っても娘の方は安否がわかっておらん上に死んだと思う他なかったのじゃ」
「......そうですか」
娘と妻?まるで、私の前世の父みたい。
「......」
次の日の朝
「ニールス‼︎」
「......」
「あの人誰と話しているの?」
「貴方......娘は諦めましょう」
「そんな!?俺達の娘だ!」
「そうね」
「なによあれ?」
「ああ......人ではない」
「あれが人間に見ておるのは流石にやばいのう」
「ニールス。俺の大切な妻」
「......ニールス?」
「うふふ。ありがとう。ニーアスもきっと見つかるわ」
「ニーアス!?」
私は驚いて、素っ頓狂な声が出てしまった。
「何だ今の言い方?」
「......やめて。突っ込まないで。恥ずかしい」
「大丈夫じゃ。時が経てばいずれ忘れる」
「......あああ‼︎」
恥ずかしい過ぎて死にそう。私の黒歴史になると思う。もうやだあー‼︎
「君達は昨日の......」
ボソ
「いきなり話しかけてくるのかよ?」
「し、知らないわよ!私に言われても......」
「お主は、ニーアスと言う娘が大事なのか?」
「ふ、ファルミ!?」
「ああ。俺の愛娘だ」
「......」
「その者がもうこの世のものではなかったとしてもか⁇」
「何を言っている?ニーアスは生きている。俺達を離れ離れにした義兄を許さん」
「この者はもう駄目かもしれん。悲しみのあまり、何もかも見ないようにしておる」
「貴方達、此処は遊び場じゃないのよ。今すぐに村長の所へと帰りなさい」
「怖いのか?」
「え?」
「我がお主の正体に気付いておらんと思ったのか?おめでたい頭じゃな?」
「......」
「おい。こいつは......」
「無論じゃ。青のレイセリファじゃ」
「ええええええ!?」
ここに来て、青のレイセリファ!?確か青のレイセリファは幻だったはず⁇だからあの人は青のレイセリファを自分の妻だと認識しているのね?そう気付いた時にはもう前世の父は狂っていた。
「さささ、寒い!?」
「当たり前じゃろ?カセリよ。お主、寒さに弱いのか?」
「俺は赤のレイセリファだぞ!こんな極寒の地に連れて来やがって!」
「ちょっ!?カセリ?」
「レイセリファに戻りおったな。うむ。たしかにラティスのポケットの中は暖かいだろう」
「ファルミ?怒ってる?」
「大丈夫じゃ。この地に雪崩が起きるかもしれんほどには怒っておるけどな」
「へ、へぇー」
めちゃくちゃ怒ってる!?
山頂。
「本当に村があった」
「うむ。思ったよりも数が多いのう」
「てか、ウリスはどうした?」
「うわっ!?びっくりした‼︎」
「いきなり大きな声出すなよな」
「ウリスならとうの昔に神の元へと帰ったぞ」
「帰った!?」
「知らなかったんだ......」
ぶつぶつ
「彼奴は......」
「ん?どうしたんだ?」
「何でもないぞ」
「そうか」
「わしがここの村長じゃ。よろしく」
「よぼよぼの爺さんじゃん」
ゴンッ
「ぐぅむ!?」
「......」
「主人様、何すんだよ!」
「何すんだよじゃないわよ!いきなりの失礼発言はやめてよね?」
「仲がよろしくてなりよりじゃ」
「仲良くない‼︎」
「息ぴったりじゃのう。我とは息を合わせてくれぬのか?」
「オメェはややこしくなる事を言うんじゃねぇよー‼︎」
「黙れ。我のおかげで命が繋がったと思え」
「ぐぬぬ‼︎」
マジでムカつく!
バーン
「これ!お前はノックぐらい出来んのか?」
ぶつぶつ
「あの......」
「なんだ?」
めっちゃ睨んでる!
「何か悩みでもあるんですか?」
「俺は......俺は悪くない‼︎あいつが悪いんだ!」
ビクッ
「な、何あれ?」
「どうも精神がおかしくなってしまったのじゃ。娘と妻を亡くし......と言っても娘の方は安否がわかっておらん上に死んだと思う他なかったのじゃ」
「......そうですか」
娘と妻?まるで、私の前世の父みたい。
「......」
次の日の朝
「ニールス‼︎」
「......」
「あの人誰と話しているの?」
「貴方......娘は諦めましょう」
「そんな!?俺達の娘だ!」
「そうね」
「なによあれ?」
「ああ......人ではない」
「あれが人間に見ておるのは流石にやばいのう」
「ニールス。俺の大切な妻」
「......ニールス?」
「うふふ。ありがとう。ニーアスもきっと見つかるわ」
「ニーアス!?」
私は驚いて、素っ頓狂な声が出てしまった。
「何だ今の言い方?」
「......やめて。突っ込まないで。恥ずかしい」
「大丈夫じゃ。時が経てばいずれ忘れる」
「......あああ‼︎」
恥ずかしい過ぎて死にそう。私の黒歴史になると思う。もうやだあー‼︎
「君達は昨日の......」
ボソ
「いきなり話しかけてくるのかよ?」
「し、知らないわよ!私に言われても......」
「お主は、ニーアスと言う娘が大事なのか?」
「ふ、ファルミ!?」
「ああ。俺の愛娘だ」
「......」
「その者がもうこの世のものではなかったとしてもか⁇」
「何を言っている?ニーアスは生きている。俺達を離れ離れにした義兄を許さん」
「この者はもう駄目かもしれん。悲しみのあまり、何もかも見ないようにしておる」
「貴方達、此処は遊び場じゃないのよ。今すぐに村長の所へと帰りなさい」
「怖いのか?」
「え?」
「我がお主の正体に気付いておらんと思ったのか?おめでたい頭じゃな?」
「......」
「おい。こいつは......」
「無論じゃ。青のレイセリファじゃ」
「ええええええ!?」
ここに来て、青のレイセリファ!?確か青のレイセリファは幻だったはず⁇だからあの人は青のレイセリファを自分の妻だと認識しているのね?そう気付いた時にはもう前世の父は狂っていた。
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