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ニーアスの秘密
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何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も繰り返される皇后殿下の死。もう見たくない。精神がおかしくなりそうだ。何回も飛び散る血。その度に顔にかかってくる。
「きゃあああ!?皇后殿下!?しっかりしてください‼︎」
彼女の最後の言葉はずっと耳に残り続ける。
「あ、あん......たな......んて......死......」
その死を最後に息絶える皇后殿下。それを見るたびに心が壊れそうになる。これを克服しろって、私に無になれって言ってるの?無理に決まってる。
「......うむ」
「紫のレイセリファ?どうしたんだい⁇」
「そろそろこっちに引き戻した方が良さそうじゃ」
「なんでだ?」
「このままでは、ラティスの心が壊れるじゃろう。それに......」
それに......ラティスの本当のトラウマに気付かせなければならない。たしかに皇后殿下の死はトラウマになるには充分すぎるほどの理由じゃ。しかしあの後すぐにあんな事を言われたら誰だって......まぁ仕方なかろう。
「それになんだよ?」
「今は言わないでおこう」
「んだよ!気になるじゃねぇよー」
「其方は黙っておれ」
「紫のレイセリファって、誰かを呼ぶ時、其方って言うんだっけ?」
「普段はお主じゃぞ」
「じゃなんで?」
「陛下の真似を少しやっておるのじゃ。本当に陛下に対する恐怖心を無くしたかの試しじゃ」
「マジで鬼だな。お前、悪魔になった方がいいじゃねえの?」
「お主を此処で始末するぐらいは出来るぞ。命の恩人に仇で返すような奴は死しか無かろう」
ゾワッ
「す、すまん」
「次はないぞ」
べっちゃ
「......」
もう何も感じなくなってきた。もう心が壊れ始めてるんだ。もう私は、ラティスでもニーアスでもない。ただの人形だ。
「ラティスよ。そろそろ引き戻すぞ」
このままでいいの?このまま終わりでいいの?嫌だ。ちゃんと克服したい。
「戻すぞ」
「待って!」
「ん?早く戻りたくないのか?」
「もう少し待って!」
「良かろう。次でラストじゃ」
「......わかった」
「きゃあああ!?皇后殿下!?しっかりしてください‼︎」
「あ、あん......たな......んて......死」
「死なないよ。絶対」
「......」
「ごめんね。私、貴方を置いて生きるから」
「......」
もう目に正気を感じない。死んだんだ。そうだよね?でも顔は少し笑っているように見える?どうして?声が届いたの?
「ねぇ?聞いた?」
「......え?」
これで終わりじゃないの?
「なになに?」
「ニーアス皇女様って陛下の子供でも皇后殿下の子供でもないんだって」
「嘘!?」
「......」
嘘でしょ?じゃあ私は誰の子なの?
「ニーアス皇女様の本当の名前は、ニーアス.ハーンテリングだって」
「ええええ!?あの魔女の一族なの?」
「そうなのよ。皇后殿下もその一族らしいの」
「......」
なんで忘れていたんだろ。私はこの会話を聞いた事がある。聞いた上でショックを受けた。この記憶を封じたいそう思った。本当のトラウマは......私に親がいない事だったんだ。
「ラティスよ。気に病むではない......っと言いたいが、ラティス場合そうはいかんのう」
「......」
いつの間に戻って来たの?一瞬すぎてわからなかった。
「......主人様」
「ラティス。僕らが話を聞くよ。だから絶望だけはしないでくれ」
「......うん」
思い出した記憶で、本当に小さい頃に本物の両親の面影を思い出す。
「......だから似てなかったんだ」
「......」
しーんと静まり返る部屋。皆んなは私をただただ黙って見つめる事しかしなかった。いや出来なかった。ショックが大き過ぎる。頭の整理が欲しい。そう思った。
「きゃあああ!?皇后殿下!?しっかりしてください‼︎」
彼女の最後の言葉はずっと耳に残り続ける。
「あ、あん......たな......んて......死......」
その死を最後に息絶える皇后殿下。それを見るたびに心が壊れそうになる。これを克服しろって、私に無になれって言ってるの?無理に決まってる。
「......うむ」
「紫のレイセリファ?どうしたんだい⁇」
「そろそろこっちに引き戻した方が良さそうじゃ」
「なんでだ?」
「このままでは、ラティスの心が壊れるじゃろう。それに......」
それに......ラティスの本当のトラウマに気付かせなければならない。たしかに皇后殿下の死はトラウマになるには充分すぎるほどの理由じゃ。しかしあの後すぐにあんな事を言われたら誰だって......まぁ仕方なかろう。
「それになんだよ?」
「今は言わないでおこう」
「んだよ!気になるじゃねぇよー」
「其方は黙っておれ」
「紫のレイセリファって、誰かを呼ぶ時、其方って言うんだっけ?」
「普段はお主じゃぞ」
「じゃなんで?」
「陛下の真似を少しやっておるのじゃ。本当に陛下に対する恐怖心を無くしたかの試しじゃ」
「マジで鬼だな。お前、悪魔になった方がいいじゃねえの?」
「お主を此処で始末するぐらいは出来るぞ。命の恩人に仇で返すような奴は死しか無かろう」
ゾワッ
「す、すまん」
「次はないぞ」
べっちゃ
「......」
もう何も感じなくなってきた。もう心が壊れ始めてるんだ。もう私は、ラティスでもニーアスでもない。ただの人形だ。
「ラティスよ。そろそろ引き戻すぞ」
このままでいいの?このまま終わりでいいの?嫌だ。ちゃんと克服したい。
「戻すぞ」
「待って!」
「ん?早く戻りたくないのか?」
「もう少し待って!」
「良かろう。次でラストじゃ」
「......わかった」
「きゃあああ!?皇后殿下!?しっかりしてください‼︎」
「あ、あん......たな......んて......死」
「死なないよ。絶対」
「......」
「ごめんね。私、貴方を置いて生きるから」
「......」
もう目に正気を感じない。死んだんだ。そうだよね?でも顔は少し笑っているように見える?どうして?声が届いたの?
「ねぇ?聞いた?」
「......え?」
これで終わりじゃないの?
「なになに?」
「ニーアス皇女様って陛下の子供でも皇后殿下の子供でもないんだって」
「嘘!?」
「......」
嘘でしょ?じゃあ私は誰の子なの?
「ニーアス皇女様の本当の名前は、ニーアス.ハーンテリングだって」
「ええええ!?あの魔女の一族なの?」
「そうなのよ。皇后殿下もその一族らしいの」
「......」
なんで忘れていたんだろ。私はこの会話を聞いた事がある。聞いた上でショックを受けた。この記憶を封じたいそう思った。本当のトラウマは......私に親がいない事だったんだ。
「ラティスよ。気に病むではない......っと言いたいが、ラティス場合そうはいかんのう」
「......」
いつの間に戻って来たの?一瞬すぎてわからなかった。
「......主人様」
「ラティス。僕らが話を聞くよ。だから絶望だけはしないでくれ」
「......うん」
思い出した記憶で、本当に小さい頃に本物の両親の面影を思い出す。
「......だから似てなかったんだ」
「......」
しーんと静まり返る部屋。皆んなは私をただただ黙って見つめる事しかしなかった。いや出来なかった。ショックが大き過ぎる。頭の整理が欲しい。そう思った。
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