愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

終わらない戦い

　ねぇ、皆んなは知ってる?レイセリファには意志がある事を知ってる?レイセリファの意志は普通は目覚めない。魔力が相当強くなければ目覚める事はまずない。でも愛された子の私ならかなりの魔力を持っている。だからレイセリファの意志を目覚めさせてしまった。
　「人の子よ」
　誰だろう⁇聞いた事のない声だ。
　「お前は我らレイセリファを所有するのに相応しいと言えるか?」
　わからない。
　「ならその甘ったれた考えを捨てない限り、我らレイセリファを使いこなす事は出来ない」
　周りに今まで集めて来たレイセリファが浮いている。本来レイセリファは六つなのだが、神に愛された子の私と、アリアスはセリファの他にレイセリファがある。私は白。アリアスは黒。レイセリファは人の心によって、色を変える時がある。だから私達の色は何を意味するのかは知らない。
　「お前は、レイセリファを所有するのに値しない」
　レイセリファが散らばって行く。　　
　ま、待って！？
　「......夢なの?でもすごくリアルだった」
　ふと、レイセリファが入った箱が気になり中を見た。
　「......え」
　箱の中はまるで、最初から何もなかったかのように空っぽだった。
　「な、なんで......」
　「それはなぁ、あんたが主人として認められてない証拠さ」
　「だ、誰！？」
　「赤のレイセリファさ」
　「......っ‼︎」
　「じゃあ此処ら一体爆発させるね?」
　「や、やめ......」
　バーン
　「な、なんの音だ！？」
　「お父様‼︎い、家が半分吹き飛んでいます！？」
　「な、なに！？」
　「どうした?神に愛された子ならもっと強いはずだが、この程度か?あぁ！」
　「ゔ......」　
　「このまま絞め殺してもいいんだぞ?」
　「ヴグッ......」
　バンッ
　「ラティス‼︎」
　「おっと?此処の当主のお出ましか?」
　「ラティスを離せ！」
　「それは無理な話だ。この世界のことわりをひっくり返した嬢ちゃんにはなぁ、死んでもらうしかないんだ」　
　シュル
　「風?お前の得意魔法か?」
　バチィバチィ
　「なっ！？」
　ドサッ
　「ゲホッゲホッ‼︎はぁはぁ......ゲホゲホゲホ‼︎」
　「ラティス！？大丈夫か?」
　「な、なんとか......ゲホッ‼︎」
　「やってくれるね?この俺様に一発食らわせるなんてなぁ?流石神に愛された子だよ」
　「神に愛されたとか関係ない。私は私だよ」
　「案外意志が強いんだな?でもそれも何処まで続くのかなぁ?この街ごと吹き飛ばれやるよ」
　「止まりなさい‼︎」
　「か、体がう、動かねぇ！？」
　「アリアス‼︎」
　「遅くなってごめんね。強い魔力を感知して慌ててこっちに来たんだから」
　「フンッ。お前の洗脳など一瞬で解いてやるよ」
　そう言って、赤のレイセリファ?は何処かに消えた。
　「ラティス。あれは何?」
　「赤のレイセリファみたいなの」
　「は?レイセリファ！？そんなはずはない‼︎だって、私達はレイセリファを全部所有しているもの！どうやってもあれが、レイセリファなんて信じられない‼︎」
　「そうだけど、無かったの......全部のレイセリファが無くなっていたの」
　「......」
　声も出ずに驚きを隠せないアリアスを見つめることしか出来ない。あれが、レイセリファだとしたら本当にレイセリファには意志があることになる。終わったらはずの戦いはまだ、終わっていなかった。ひとまずはあのレイセリファを止めなければいけない。被害が出る前に止める！