愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

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抜け出せないあの日その2

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 「余は、ニーアスに恨まれていてもいい。其方がこの空間にいるのなら何度同じ事をするだろう」    
 アリアスがこの世界には居ない。まるで、排除したみたいにこの世界は、陛下だけが得する所だ。
 「......アリアスを見つけてあげなきゃ‼︎」
 何度も繰り返す運命は、私の心削り取るものだった。
 「もう何回死んだかわからない」
 「......ラティス⁇」
 「アリアス⁇どうしたんだよ?」
 「今、ラティスの声が聞こえた」
 「は!?なんて言ってたんだよ!」
 「もう何回死んだかわからないって言ってたような気がする」
 「は?何回死んだかわからない⁇なんだよそれ?ラティスは生きていて、皆んなで救出しようとしているんじゃねぇかよ!」
 「わ、私に言われても......」
 「二人とも!雷の攻撃が来る!」
 「クソが!めんどくせぇ‼︎」
 「ニーアス。今日も変わりはないか?」
 「......はい」
 「そうか。もう良い。下がれ」
 「......一つ質問してよろしいですか?」
 「なんだ?」
 「此処は......陛下が作った世界ですか?」
 「は?余が作った世界?なんの話をしておるのだ?」
 「......すみません。少し疲れているので、変な質問でしたね?皇帝陛下に煌めく星々の祈りを捧げます」
 「お、おい!ニーアス!?」
 バタン
 あの反応。陛下が理想として、作った世界?私を何度も殺す事で、自分は悪くないって思っているのかしら⁇此処には、アリアスが居ないって思ってたけど、何処かに居るはず。
 「陛下の魔法は対象の相手を閉じ込めることで、作り出される世界......対象は私。じゃあ、この世界を作る要はなに?」
 何か見落としているような気がする。でもそれがわからない。
 「ああああ!?」
 「アリアス!?大丈夫か?」
 「だ、大丈夫......怪我は大した事ない」
 でものままじゃ確実に使い物にならなくなる。どうすれば......。
 「キュウ!」
 「え......」
 「ま、マロン!?なんで!?」
 「オレンジ色のセリファ⁇ラティスのセリファ!?取り込まれてなかったの?」
 「キュウキュウキュウ‼︎」
 「ラティスと離れているから......マロンが一時的に復活をしたのか?」
 「だとすると、マロンは自分の意思で、魔法を使える。ラティスの魔法があれば、かなりの有利だ!」
 「......ラティス」
 「......やっぱり魔法は使えない」
 「ニーアス。其方を愛したことはない。この先も愛することなどない」
 「......そうですか。もう陛下には期待なんてしません」
 「何?ニーアスよ。其方生意気だぞ‼︎」
 「生意気で結構です。私は、貴方の娘で居る気はもうありませんから」
 「......もう良い。下がれ!その顔余に見せるではない」
 「......皇帝陛下に煌めく星々の祈りを捧げます」
 待って。出口はとても簡単じゃないの?ずっと目の前にあったせいで、気付かなかったけど、出口は門⁇可能性はある。でもこの世界を出るための鍵と、相当な魔力が必要となる。
 「......レイセリファ」
 シュル
 「風が吹いた?」
 私自身、ラティスとして、しっかりと認識をしなきゃいけなかったんだ。だから魔法も使えない。姿はニーアスのまま。少しだけ、答えが見えた気がする。あとは、アリアスを探すのみ。絶対に見つけるから。待っていてね。この世界のアリアス‼︎
 
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