30 / 145
兄との時間
しおりを挟む
「レイセリファ‼︎」
「甘い」
ドーン
「はぁはぁ......ゔっ‼︎」
「ラティス‼︎大丈夫かい?今日はもう休むんだ」
「......まだ足りない」
「休むんだ‼︎もう八時間はずっと修行をしている。だから今日は休みなさい」
「わかった」
次の日の朝
「へっ?休み?」
「ああ。たまには休む事も大事だ」
「で、でもそれじゃ......」
「休みなさい」
「わ、わかった」
「とりあえず市場に来たけど......何しよう」
「......ラティス⁇」
ギクッ
「え、えーと......人違いですぅ‼︎」
「待て待て待て待て待て待て待て!?」
やばいやばいやばいやばいやばいやばい‼︎私を知って居る人に出会うなんて‼︎
ギュッ
「ラティスなんだろう‼︎」
あれ?この声って......。
「セスお兄様......」
「何処に行っていたんだ?凄く心配したじゃないか‼︎」
「ご、ごめんなさい」
「今すぐに家に帰ろ!」
「それは無理」
「なんで?」
「今はまだ帰れない」
「お父様なら気にするな」
「そうじゃないの。今は魔法の特訓をしているの」
「え?魔法の特訓?ラティスはもうコントロール出来ているはずだよ⁇」
「そうじゃない。もっと巨大な力を使いこなすように頑張っているの」
「......そうか。ラティスがそう言うなら仕方ない。でも今日だけは一緒に居てくれるか?」
「お父様は居ないんだよね?」
「もちろんだよ」
「じゃあ少しだけ」
「ラティス‼︎」
ギュウウウウ
「あばばば!」
凄い力。押し潰させる。
「こうして二人でゆったりと過ごすのはいつぶりだろう⁇」
「さぁ?二年ぶりぐらいかなぁ?」
「そうかもね」
「セスお兄様。お父様はどうしているの?」
「今は......お酒に溺れているよ」
「はあっ!?お、お酒!?お父様が!?」
「うん」
「何があったんだろ⁇」
気付いていない!?嘘だろ⁇自分の妹は鋭そうで鈍感だ。いや恋愛に疎いのか。
「ん?セスお兄様⁇」
「な、なんでもないよ」
「そう?」
「ラティス......レイセリファって何?」
「えっ?」
「前に教えてくれるって言っただろう⁇」
言ったけど、今聞くことか?いや今しかないよね?ちゃんと言わないと、セスお兄様を危険な目に遭わせてしまう。
「......レイセリファは神様が作った最強のセリファ」
「神様が作った?」
「うん......神はレイセリファの正しい使い方を教えたのにも関わらず......間違ったやり方で使う人が多かった。それで......レイセリファを使えるのは私と、アリアス皇女様だけなの」
前に神様に聞いた。アリアスも神に愛された子だと言っていた。いつからかは知らないけど、花が下を向いているのは嫌われた子だと言われるようになった。どっちも愛されているのに......誤解したまま恨み続けている。そう言っていた。
「君達はどういう関係なの?」
本当の事を言っても信じてくれるだろうか?セスお兄様は優しい。きっと信じられなくても信じてくれる。そう思う。
「実はね私......ニーアスだったの」
「......は?元皇女様のニーアス.サン.アイ.サーンドル⁇」
「......うん。陛下を殺害未遂の濡れ衣を着せられて死んだの」
「......」
「死んで終わったと思ってた。でも私は転生して、ラティスになったの。セスお兄様やお父様、ノワール、ウリスに出会えた。だからもう寂しくはないよ」
さぁ。どう出る?私は本当の事しか言っていない。セスお兄様はその話を聞いてもわからないだろうか?
ポン
「ラティスがそう言うなら信じるよ。ちょっと混乱しているけど......僕の妹は嘘をつかない」
「......セスお兄様」
信じてくれた。少し肩の荷が軽くなった気がする。
「僕は絶対にラティスを裏切らない」
「うっうぅ。うえーん!セスお兄様‼︎」
みっともなく泣いてしまう私をそっと抱きしめてくれるお兄様。それだけで心が温かくなる。
「ニーアス。そろそろ決着を付けてあげる。セリファを一万も取り込んだ私に勝てるかしら⁇そしてもう......神に嫌われた子なんて言わせない」
「甘い」
ドーン
「はぁはぁ......ゔっ‼︎」
「ラティス‼︎大丈夫かい?今日はもう休むんだ」
「......まだ足りない」
「休むんだ‼︎もう八時間はずっと修行をしている。だから今日は休みなさい」
「わかった」
次の日の朝
「へっ?休み?」
「ああ。たまには休む事も大事だ」
「で、でもそれじゃ......」
「休みなさい」
「わ、わかった」
「とりあえず市場に来たけど......何しよう」
「......ラティス⁇」
ギクッ
「え、えーと......人違いですぅ‼︎」
「待て待て待て待て待て待て待て!?」
やばいやばいやばいやばいやばいやばい‼︎私を知って居る人に出会うなんて‼︎
ギュッ
「ラティスなんだろう‼︎」
あれ?この声って......。
「セスお兄様......」
「何処に行っていたんだ?凄く心配したじゃないか‼︎」
「ご、ごめんなさい」
「今すぐに家に帰ろ!」
「それは無理」
「なんで?」
「今はまだ帰れない」
「お父様なら気にするな」
「そうじゃないの。今は魔法の特訓をしているの」
「え?魔法の特訓?ラティスはもうコントロール出来ているはずだよ⁇」
「そうじゃない。もっと巨大な力を使いこなすように頑張っているの」
「......そうか。ラティスがそう言うなら仕方ない。でも今日だけは一緒に居てくれるか?」
「お父様は居ないんだよね?」
「もちろんだよ」
「じゃあ少しだけ」
「ラティス‼︎」
ギュウウウウ
「あばばば!」
凄い力。押し潰させる。
「こうして二人でゆったりと過ごすのはいつぶりだろう⁇」
「さぁ?二年ぶりぐらいかなぁ?」
「そうかもね」
「セスお兄様。お父様はどうしているの?」
「今は......お酒に溺れているよ」
「はあっ!?お、お酒!?お父様が!?」
「うん」
「何があったんだろ⁇」
気付いていない!?嘘だろ⁇自分の妹は鋭そうで鈍感だ。いや恋愛に疎いのか。
「ん?セスお兄様⁇」
「な、なんでもないよ」
「そう?」
「ラティス......レイセリファって何?」
「えっ?」
「前に教えてくれるって言っただろう⁇」
言ったけど、今聞くことか?いや今しかないよね?ちゃんと言わないと、セスお兄様を危険な目に遭わせてしまう。
「......レイセリファは神様が作った最強のセリファ」
「神様が作った?」
「うん......神はレイセリファの正しい使い方を教えたのにも関わらず......間違ったやり方で使う人が多かった。それで......レイセリファを使えるのは私と、アリアス皇女様だけなの」
前に神様に聞いた。アリアスも神に愛された子だと言っていた。いつからかは知らないけど、花が下を向いているのは嫌われた子だと言われるようになった。どっちも愛されているのに......誤解したまま恨み続けている。そう言っていた。
「君達はどういう関係なの?」
本当の事を言っても信じてくれるだろうか?セスお兄様は優しい。きっと信じられなくても信じてくれる。そう思う。
「実はね私......ニーアスだったの」
「......は?元皇女様のニーアス.サン.アイ.サーンドル⁇」
「......うん。陛下を殺害未遂の濡れ衣を着せられて死んだの」
「......」
「死んで終わったと思ってた。でも私は転生して、ラティスになったの。セスお兄様やお父様、ノワール、ウリスに出会えた。だからもう寂しくはないよ」
さぁ。どう出る?私は本当の事しか言っていない。セスお兄様はその話を聞いてもわからないだろうか?
ポン
「ラティスがそう言うなら信じるよ。ちょっと混乱しているけど......僕の妹は嘘をつかない」
「......セスお兄様」
信じてくれた。少し肩の荷が軽くなった気がする。
「僕は絶対にラティスを裏切らない」
「うっうぅ。うえーん!セスお兄様‼︎」
みっともなく泣いてしまう私をそっと抱きしめてくれるお兄様。それだけで心が温かくなる。
「ニーアス。そろそろ決着を付けてあげる。セリファを一万も取り込んだ私に勝てるかしら⁇そしてもう......神に嫌われた子なんて言わせない」
0
お気に入りに追加
644
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

異世界転移聖女の侍女にされ殺された公爵令嬢ですが、時を逆行したのでお告げと称して聖女の功績を先取り実行してみた結果
富士とまと
恋愛
公爵令嬢が、異世界から召喚された聖女に婚約者である皇太子を横取りし婚約破棄される。
そのうえ、聖女の世話役として、侍女のように働かされることになる。理不尽な要求にも色々耐えていたのに、ある日「もう飽きたつまんない」と聖女が言いだし、冤罪をかけられ牢屋に入れられ毒殺される。
死んだと思ったら、時をさかのぼっていた。皇太子との関係を改めてやり直す中、聖女と過ごした日々に見聞きした知識を生かすことができることに気が付き……。殿下の呪いを解いたり、水害を防いだりとしながら過ごすあいだに、運命の時を迎え……え?ええ?

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

転生者の取り巻き令嬢は無自覚に無双する
山本いとう
ファンタジー
異世界へと転生してきた悪役令嬢の取り巻き令嬢マリアは、辺境にある伯爵領で、世界を支配しているのは武力だと気付き、生き残るためのトレーニングの開発を始める。
やがて人智を超え始めるマリア式トレーニング。
人外の力を手に入れるモールド伯爵領の面々。
当然、武力だけが全てではない貴族世界とはギャップがある訳で…。
脳筋猫かぶり取り巻き令嬢に、王国中が振り回される時は近い。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる