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幻の洞窟その1
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こんにちは。ラティスです。私は今、洞窟に閉じ込められています。なぜそうなったかと言うと、遡ること三十分前
「西の都って......洞窟がたくさんあるんだね?」
「そーだーなー」
「何その棒読み」
「興味ねぇし」
「そう」
「あそこ!家がある」
「デッカ!?」
「私の家よりちょっと小さいぐらい⁇」
「お前家、豪邸だもんな」
「......うん」
「ちょいとそこの」
「は?誰だ爺さん。よぼよぼは引っ込ん......」
「わあああ‼︎」
「んだよ!?いきなり大声出すな‼︎」
「失礼すぎるよ」
「うっせ!俺の勝手だろ?」
「あのお爺さん。此処にレイセリファってありますか?」
「ああー!?何やってるの!?レイセリファの事は言わない約束でしょ!?」
「あっ。忘れてた」
「......」
「消すか?」
「やめて!」
「ちょいとお主らの力を借りようと思ってな?」
「力を借りる?」
「そうじゃ。この洞窟に忘れ物をしてしまってな。どの洞窟じゃ、わしにはわからんのじゃよ」
「そうなんだ」
「ノワール。棒読み感が半端ないよ」
「興味しねぇな」
「またそれ......」
「そこのお嬢さんはこの洞窟を調べてくれるかい?」
「ごめんなさい。私達はやる事があるので失礼しますね」
「逃すわけなかろ」
「......え?」
「ラティス!?」
ドン
「いてて......嘘でしょ⁇扉が閉まってる⁇」
そして今き至る。
「んんんん!やっぱり開かないか」
どうしよう。ノワール達が心配しているのに此処から出られないなんて......。
「ニーアス」
ビクッ
「こ、皇帝陛下⁇」
な、なんで?今の私をニーアスと呼ぶの?私がニーアスなんて、陛下が知るわけないのに......。
「余が間違っていた」
「は?」
「ニーアス。其方を愛しておる」
なに⁇どうなっているの?陛下がそんなこと言うはずなのに......?
「ニーアスお姉様。私が間違っていたわ。セリファを取り込むのはやめるね」
「アリ......アスまで!?」
「さぁおいで」
「これからはずっと一緒だよ」
その頃、ノワール達は
「なんなんだよ!こいつらは⁇」
「ぼ、僕に言われてもわからないよ!」
「ラティスを何処にやった?」
「何処だと思う?」
「この洞窟を全部ぶっ壊すぞ‼︎」
「おっと?そんな事したらあの娘......ラティスじゃったかなぁ?彼奴の精神が崩壊し未来永劫戻る事は無かろう」
「ぐ......」
「そちはあの娘が大事じゃろう?こんな事であの娘を失いたくはなかろう⁇」
「狙いはなんだ?」
「お主らが持っておるレイセリファを寄越すんじゃ。アリアス皇女様に献上するんじゃよ」
「あのクソ野郎の仕業か......」
「あの娘の心の底から願っている事を叶える洞窟......とは言っても幻じゃがなぁ」
「ラティスはそんな弱じゃねぇよ。あいつは必ず打ち勝つ。俺は信じるぜ」
「あの洞窟からは抜け出せぬ。それに案外喜んでおるかもしれんよ」
「ニーアス」
「おいで」
「......」
「愛しておるぞ」
「その言葉は私に向けて言ってるんですか?」
「当たり前だ。余の娘はとても愛らしい。そう思っている」
「その言葉を今更信じろと?」
「そうだよ。ニーアスお姉様を愛しているから。だからおいでよ」
「此処で余とアリアスと三人仲睦まじく暮らそうではないか」
「キュウ!」
「ま、マロンまで!?」
あれ?頭の中が真っ白になっていく。私は抜け出せたと思っていたのに......抜け出せなかったの?この悪夢を......。
「レイセリファが狙いって......俺達を馬鹿にするのも大概にしろよな?」
「あの娘は既にあの洞窟の餌食じゃ」
体が動かない。早く行かなちゃ行けないのに......力が入らない。
「ニーアス」
「ニーアスお姉様」
「キュゥキュウキュウ‼︎」
レイセリファを集めるって決めたのに......やめてしまいたい。まだ諦めていなかったの?陛下からその言葉を聞ける日が来るなんて思わなかった。でもなんで?なんでこんな所に居るの?何が本当で何が嘘なの?もうわからないよ。
「だ、誰か......助けて‼︎」
「西の都って......洞窟がたくさんあるんだね?」
「そーだーなー」
「何その棒読み」
「興味ねぇし」
「そう」
「あそこ!家がある」
「デッカ!?」
「私の家よりちょっと小さいぐらい⁇」
「お前家、豪邸だもんな」
「......うん」
「ちょいとそこの」
「は?誰だ爺さん。よぼよぼは引っ込ん......」
「わあああ‼︎」
「んだよ!?いきなり大声出すな‼︎」
「失礼すぎるよ」
「うっせ!俺の勝手だろ?」
「あのお爺さん。此処にレイセリファってありますか?」
「ああー!?何やってるの!?レイセリファの事は言わない約束でしょ!?」
「あっ。忘れてた」
「......」
「消すか?」
「やめて!」
「ちょいとお主らの力を借りようと思ってな?」
「力を借りる?」
「そうじゃ。この洞窟に忘れ物をしてしまってな。どの洞窟じゃ、わしにはわからんのじゃよ」
「そうなんだ」
「ノワール。棒読み感が半端ないよ」
「興味しねぇな」
「またそれ......」
「そこのお嬢さんはこの洞窟を調べてくれるかい?」
「ごめんなさい。私達はやる事があるので失礼しますね」
「逃すわけなかろ」
「......え?」
「ラティス!?」
ドン
「いてて......嘘でしょ⁇扉が閉まってる⁇」
そして今き至る。
「んんんん!やっぱり開かないか」
どうしよう。ノワール達が心配しているのに此処から出られないなんて......。
「ニーアス」
ビクッ
「こ、皇帝陛下⁇」
な、なんで?今の私をニーアスと呼ぶの?私がニーアスなんて、陛下が知るわけないのに......。
「余が間違っていた」
「は?」
「ニーアス。其方を愛しておる」
なに⁇どうなっているの?陛下がそんなこと言うはずなのに......?
「ニーアスお姉様。私が間違っていたわ。セリファを取り込むのはやめるね」
「アリ......アスまで!?」
「さぁおいで」
「これからはずっと一緒だよ」
その頃、ノワール達は
「なんなんだよ!こいつらは⁇」
「ぼ、僕に言われてもわからないよ!」
「ラティスを何処にやった?」
「何処だと思う?」
「この洞窟を全部ぶっ壊すぞ‼︎」
「おっと?そんな事したらあの娘......ラティスじゃったかなぁ?彼奴の精神が崩壊し未来永劫戻る事は無かろう」
「ぐ......」
「そちはあの娘が大事じゃろう?こんな事であの娘を失いたくはなかろう⁇」
「狙いはなんだ?」
「お主らが持っておるレイセリファを寄越すんじゃ。アリアス皇女様に献上するんじゃよ」
「あのクソ野郎の仕業か......」
「あの娘の心の底から願っている事を叶える洞窟......とは言っても幻じゃがなぁ」
「ラティスはそんな弱じゃねぇよ。あいつは必ず打ち勝つ。俺は信じるぜ」
「あの洞窟からは抜け出せぬ。それに案外喜んでおるかもしれんよ」
「ニーアス」
「おいで」
「......」
「愛しておるぞ」
「その言葉は私に向けて言ってるんですか?」
「当たり前だ。余の娘はとても愛らしい。そう思っている」
「その言葉を今更信じろと?」
「そうだよ。ニーアスお姉様を愛しているから。だからおいでよ」
「此処で余とアリアスと三人仲睦まじく暮らそうではないか」
「キュウ!」
「ま、マロンまで!?」
あれ?頭の中が真っ白になっていく。私は抜け出せたと思っていたのに......抜け出せなかったの?この悪夢を......。
「レイセリファが狙いって......俺達を馬鹿にするのも大概にしろよな?」
「あの娘は既にあの洞窟の餌食じゃ」
体が動かない。早く行かなちゃ行けないのに......力が入らない。
「ニーアス」
「ニーアスお姉様」
「キュゥキュウキュウ‼︎」
レイセリファを集めるって決めたのに......やめてしまいたい。まだ諦めていなかったの?陛下からその言葉を聞ける日が来るなんて思わなかった。でもなんで?なんでこんな所に居るの?何が本当で何が嘘なの?もうわからないよ。
「だ、誰か......助けて‼︎」
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