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暴走の誕生日パーティー
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「皇帝陛下に煌めく星々の祈りを捧げます」
「うむ」
「......皇帝陛下に煌めく星々の祈りを捧げます」
どうよ。この自然な笑顔。本当は会いたくもないけど、前に進む為にはこの試練を乗り越える!
「ラティス.ハンル.モールドお誕生日おめでとう」
相変わらず冷たい笑顔ね。
「ありがとうございます。陛下に祝われて嬉しいです」
「そうか。実はな、もう一人の娘、アリアスを連れて来た。歳離れているが仲良くしてやってくれ」
来た。
「......はい」
何処に居るの?普通は陛下が挨拶したらすぐに出て来るものだけど、アリアスは危険。
「おい。あんま警戒しすぎるなよ?怪しまれるぞ」
「......わかってる」
とりあえずテラスに行こう。
「こんにちは」
ドキッ
この声は間違えない。アリアスだ。
「アリアス皇女様に煌めく星々の祈りを捧げます」
アリアス......私は貴方のことが嫌い。本当に嫌い。何もかも奪っておきながら平然としているその姿さえ妬ましい。
「クスクス。ラティス.ハンル.モールド......いいえ、ニーアス.サン.アイ.サーンドル‼︎お久しぶりね。生まれ変わってよかったね?」
「......え?」
なんで?なんで知ってるの?私はまだ、誰にも言ってないのに......。
「ど、どなたかと勘違いしているのでは?」
「五歳の子供にしては大人びている。貴方が、ニーアスだってもう知ってるから。演技はいらない」
「......そう」
「それに......あんたが神に愛された子なんて信じないから!」
「は?」
「全部奪ってあげる。何もかも友人も家族も誰一人として、あんたにはなにも残らない」
瞳が赤くなった?今ならくっきりと見える。下に向いた花が憎しみの色へと変わる。
「......あ」
どうしよう。此処から早く逃げたいのに......体が動かない。
「その瞳をまた、消してあげる」
いや。もう、アリアスに振り回されたくない。
シュー
「......風?」
ボォー
「きゃあっ!?」
「アリアス!?大丈夫か?」
「は、はい」
「まさか......魔力の暴走⁇」
あんな目にはもう遭いたくない‼︎
「なっ......あいつ!」
バン
「きゃああ!」
「このままじゃ、建物が崩壊する!」
「皆さん!落ち着いて!お......私の言う通りに動いてください‼︎」
「あれは......大魔法使い?」
「元の姿に戻したのは良いが......どうやって止めるかだな?」
ああ。このまま何も無くなれば、何も失わない。いっそ自分の手で何もかも壊してしまおうか。
「ラティス‼︎」
この声はお父様⁇
「ラティス‼︎待っていろ!俺が助けてやるから!」
私には何も残されていないって思ったのに......こんなにも大切にしてくれる人がまだ残っていたんだ。
「俺の力じゃ、追い付かない。ラティスの魔法が此処まで強いなんて......」
今のお父様は危険を顧みずに飛び込んた。
「私は......」
「風の勢いが少し弱まった?」
「ラティス‼︎手を伸ばしてくれ!」
伸ばしたい。でも......拒絶されたらどうしよう。
「ラティス‼︎」
そうか。私自身が壁を作って、勝手に拒絶して、受け入れようとしなかった。手を伸ばしても拒絶はしない。掴んでくれる。
「......お父様」
「ラティス」
ギュッ
あれ?目の前が赤く染まって行く。これって......目の充血?
「ゔっ‼︎」
「ラティス⁇」
口から血が?吐血なの?
「ラティス!?」
目の前が暗い。意識を失いかけているのに痛い。苦しいよ。お父様!もう何もわからなくなった。目の前のお父様ですら見えない。私の意識は闇の中消えて行った。
「うむ」
「......皇帝陛下に煌めく星々の祈りを捧げます」
どうよ。この自然な笑顔。本当は会いたくもないけど、前に進む為にはこの試練を乗り越える!
「ラティス.ハンル.モールドお誕生日おめでとう」
相変わらず冷たい笑顔ね。
「ありがとうございます。陛下に祝われて嬉しいです」
「そうか。実はな、もう一人の娘、アリアスを連れて来た。歳離れているが仲良くしてやってくれ」
来た。
「......はい」
何処に居るの?普通は陛下が挨拶したらすぐに出て来るものだけど、アリアスは危険。
「おい。あんま警戒しすぎるなよ?怪しまれるぞ」
「......わかってる」
とりあえずテラスに行こう。
「こんにちは」
ドキッ
この声は間違えない。アリアスだ。
「アリアス皇女様に煌めく星々の祈りを捧げます」
アリアス......私は貴方のことが嫌い。本当に嫌い。何もかも奪っておきながら平然としているその姿さえ妬ましい。
「クスクス。ラティス.ハンル.モールド......いいえ、ニーアス.サン.アイ.サーンドル‼︎お久しぶりね。生まれ変わってよかったね?」
「......え?」
なんで?なんで知ってるの?私はまだ、誰にも言ってないのに......。
「ど、どなたかと勘違いしているのでは?」
「五歳の子供にしては大人びている。貴方が、ニーアスだってもう知ってるから。演技はいらない」
「......そう」
「それに......あんたが神に愛された子なんて信じないから!」
「は?」
「全部奪ってあげる。何もかも友人も家族も誰一人として、あんたにはなにも残らない」
瞳が赤くなった?今ならくっきりと見える。下に向いた花が憎しみの色へと変わる。
「......あ」
どうしよう。此処から早く逃げたいのに......体が動かない。
「その瞳をまた、消してあげる」
いや。もう、アリアスに振り回されたくない。
シュー
「......風?」
ボォー
「きゃあっ!?」
「アリアス!?大丈夫か?」
「は、はい」
「まさか......魔力の暴走⁇」
あんな目にはもう遭いたくない‼︎
「なっ......あいつ!」
バン
「きゃああ!」
「このままじゃ、建物が崩壊する!」
「皆さん!落ち着いて!お......私の言う通りに動いてください‼︎」
「あれは......大魔法使い?」
「元の姿に戻したのは良いが......どうやって止めるかだな?」
ああ。このまま何も無くなれば、何も失わない。いっそ自分の手で何もかも壊してしまおうか。
「ラティス‼︎」
この声はお父様⁇
「ラティス‼︎待っていろ!俺が助けてやるから!」
私には何も残されていないって思ったのに......こんなにも大切にしてくれる人がまだ残っていたんだ。
「俺の力じゃ、追い付かない。ラティスの魔法が此処まで強いなんて......」
今のお父様は危険を顧みずに飛び込んた。
「私は......」
「風の勢いが少し弱まった?」
「ラティス‼︎手を伸ばしてくれ!」
伸ばしたい。でも......拒絶されたらどうしよう。
「ラティス‼︎」
そうか。私自身が壁を作って、勝手に拒絶して、受け入れようとしなかった。手を伸ばしても拒絶はしない。掴んでくれる。
「......お父様」
「ラティス」
ギュッ
あれ?目の前が赤く染まって行く。これって......目の充血?
「ゔっ‼︎」
「ラティス⁇」
口から血が?吐血なの?
「ラティス!?」
目の前が暗い。意識を失いかけているのに痛い。苦しいよ。お父様!もう何もわからなくなった。目の前のお父様ですら見えない。私の意識は闇の中消えて行った。
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