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家族
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私が生まれてから一週間が過ぎた。転生後の母親は、私が生まれてすぐに死んでしまった。もう何も感じない。誰が死のうと生きようと、私には関係のない事だから。たとえ家族であっても私にとっては本当の家族じゃない。
ガチャ
「うっー」
また来たのか。
「おはよう」
私に兄が一人いる。だけど、生まれてからずっと朝五時に挨拶して来る。普通の赤ちゃんなら寝ているからね?常識ってものを知らないの?
「セスにーが来たよ」
「ぶー」
「ご機嫌斜め?」
あんたが来たらかね‼︎赤ちゃんの睡眠を妨害する兄がいてたまるか!
「早く大きになってね。そうしたら僕と沢山遊べるよ」
悪いけど、私は貴方と遊ぶ気ないからね?中身は十六歳だからね!貴方よりも年上だからね!
「ううっあーむ」
「うふふ。ぼくと遊びたいの?」
違うわ!なんなのよ。この子変だよ。
「セスにーとずっと一緒に居ようね」
今はそう言えても......愛してもらうなんてありえない。私、お父様に愛されたかった。
「んーう」
「セス様!」
ビクッ
「ヤースリさん」
「ラティス様の睡眠を妨害してはならないと何度も何度も申し上げたではありませんか」
「ご、ごめん」
「あーうー」
「ラティス様は、奥様に似ていらっしゃる。髪色と目の色は公爵家の者。ですが、顔はまるで生写しのように似ていらっしゃる」
「そうなの?」
「はい。ラティス様は髪はプラチナブロンド。目は透き通るように綺麗なオレンジです」
「でも......目の中にお花みたいな模様があるよ?」
「それは不思議ですね。旦那様ももう時期お会いになさいますよ」
「......」
私の見た目は直接見ないとわからないけど、前世の私は、髪は深紅色。目は濁ったグリーン。だから嫌われたのかなぁ?
その日の夜
「あー」
変な時間に起きちゃった。赤ちゃんだから動けないのよね。つまんない。
「やぁー。君達は僕のことを神と呼ぶ」
「あ?」
誰?
「僕の名前はウリス。僕は神に等しい存在。君は僕に......神に愛された子なんだよ」
何を言っているの?神に愛された子?だったらなんで......。
「......なんで、父親に愛されなかったのか?」
「あー?」
「なぜわかるって?僕は君の心を読んだんだよ」
「......」
私はなんのために転生したの?
「僕なりの罪滅ぼし」
そんな言葉を信じろと?
「君は愛されるために生まれて来たんだ。自信を待ちなさい。この先、待ち受ける困難を君は乗り越えられるさ。僕は君を信じる」
その言葉を最後に私はまた、深い眠りの世界に落ちた。愛されなかった私が誰かに愛される?私は信じない。ううん。信じるのが怖い。裏切られて、また死んでしまうのが怖い。だから信用なんてしない。もう会うこともないお父様。私は新たな人生で自由に生きます。貴方のことは忘れます。さようなら。
ガチャ
「うっー」
また来たのか。
「おはよう」
私に兄が一人いる。だけど、生まれてからずっと朝五時に挨拶して来る。普通の赤ちゃんなら寝ているからね?常識ってものを知らないの?
「セスにーが来たよ」
「ぶー」
「ご機嫌斜め?」
あんたが来たらかね‼︎赤ちゃんの睡眠を妨害する兄がいてたまるか!
「早く大きになってね。そうしたら僕と沢山遊べるよ」
悪いけど、私は貴方と遊ぶ気ないからね?中身は十六歳だからね!貴方よりも年上だからね!
「ううっあーむ」
「うふふ。ぼくと遊びたいの?」
違うわ!なんなのよ。この子変だよ。
「セスにーとずっと一緒に居ようね」
今はそう言えても......愛してもらうなんてありえない。私、お父様に愛されたかった。
「んーう」
「セス様!」
ビクッ
「ヤースリさん」
「ラティス様の睡眠を妨害してはならないと何度も何度も申し上げたではありませんか」
「ご、ごめん」
「あーうー」
「ラティス様は、奥様に似ていらっしゃる。髪色と目の色は公爵家の者。ですが、顔はまるで生写しのように似ていらっしゃる」
「そうなの?」
「はい。ラティス様は髪はプラチナブロンド。目は透き通るように綺麗なオレンジです」
「でも......目の中にお花みたいな模様があるよ?」
「それは不思議ですね。旦那様ももう時期お会いになさいますよ」
「......」
私の見た目は直接見ないとわからないけど、前世の私は、髪は深紅色。目は濁ったグリーン。だから嫌われたのかなぁ?
その日の夜
「あー」
変な時間に起きちゃった。赤ちゃんだから動けないのよね。つまんない。
「やぁー。君達は僕のことを神と呼ぶ」
「あ?」
誰?
「僕の名前はウリス。僕は神に等しい存在。君は僕に......神に愛された子なんだよ」
何を言っているの?神に愛された子?だったらなんで......。
「......なんで、父親に愛されなかったのか?」
「あー?」
「なぜわかるって?僕は君の心を読んだんだよ」
「......」
私はなんのために転生したの?
「僕なりの罪滅ぼし」
そんな言葉を信じろと?
「君は愛されるために生まれて来たんだ。自信を待ちなさい。この先、待ち受ける困難を君は乗り越えられるさ。僕は君を信じる」
その言葉を最後に私はまた、深い眠りの世界に落ちた。愛されなかった私が誰かに愛される?私は信じない。ううん。信じるのが怖い。裏切られて、また死んでしまうのが怖い。だから信用なんてしない。もう会うこともないお父様。私は新たな人生で自由に生きます。貴方のことは忘れます。さようなら。
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