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真っ暗な影
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私は昔からバッドエンドが嫌いだった。悲しくなるから?ううん。きっと違う。私がリーリエだから。そうなるって何処かで確信をしていたから。だからバッドエンドが嫌い。私が死ぬ運命を変えたかっただけなんだ。リリアを救いたいだとかこの運命を変えるんだって思うのは私が死ぬのが嫌だったから。だからバッドエンドが大っ嫌い。
「それを変えようとする自分嫌い」
「そうだね。何も知らない。何もわからない。だからこそこの人生に意味がある」
「......」
「なのに貴方は何も考えずに首を突っ込んで何もかも駄目にした。だから私が変えてあげる。リーリエが私がなし得た無かったことを私が代わりにやってあげる。そうすればリーリエは救われる。そうなる運命」
「......」
「大丈夫。私が全てを包み込んであげる。だから何考える必要はない。ただの操り人形になればいい。そうでしょ⁇私」
「......もう自分で考えるのも疲れた。この苦しみから解放されるならなんでもいい」
もう何もいらない。リリアもハッピーエンドもいらない。私にはもう必要ない。
ドンッドドドドドーン
「リーリエ⁇なんの音だ?」
「......」
バンッ
「げっ⁉︎何すんだよ......リーリエ⁇」
なんだ?顔が墨汁を塗ったくったみたいに黒い。確認できるのは笑っていることぐらい。なんでだ?なんでいきなりこうなっているんだよ?
「......」
カチャッ
「り、リーリエ⁉︎ま、待て......」
バンバンバンバン
「くそ‼︎」
「リリア‼︎いきなりシルクロードの城を制圧ってどうゆーことだよ⁉︎」
「リーリエが危険な気がするの。もうリーリエが帰って来ないみたいな......そんな嫌な予感がする」
リーリエ。私の大切で可愛い妹。あの時再会した時からずっと、リーリエを取り戻すって心に決めていたの。だから必ずリーリエを連れ戻す。
バッシャーン
「水⁉︎」
「はぁはぁ......くそ!なんなんだよ。リーリエ‼︎しっかりしろよ!」
「デイモン‼︎」
「ん?お前らはリーリエと一緒に居た奴ら」
「何があった?」
「今協力するしかないな。リーリエが暴走しているんだ」
「どうして⁉︎」
「俺にも理由はわからない。だが、朝起きてリーリエの部屋まで行ったらもうリーリエはリーリエじゃなかった」
「......」
「俺じいちゃんから聞いたことがある。自分の中にはもうひとりの自分が居てその自分と代わるなって言われたことがある」
「それって......」
「リーリエはもうひとりの自分と入れ替わったのかもしれない」
「そんなことって......」
「じいちゃんの話だとその人にはとてつもない闇を抱え込んだ人だけがなる症状だって言ってた」
「じゃあリーリエは闇を抱えているの?」
「そうだな。じいちゃんの話が本当ならリーリエは相当な闇を抱え込んでいることになる。そしてそのもうひとりの自分と代わったってことはリーリエはその闇に負けたんだ」
「......」
「助ける方法はないのか?」
「......ある」
「それ何⁉︎」
「共鳴すれば助けられるかもしれない。リーリエが閉ざした心の蓋を開けることができれば......もしくは無理やりこじ開けて出て来させるしかない」
「私がやる。リーリエの姉だもん。絶対にリーリエは心を開いてくれる」
「できるのか?」
「できるよ。リーリエと私は双子なんだから‼︎」
「......」
「リリアをサポートするぞ!」
「おお!」
バンバン
「リーリエ!戻って来い!」
「リーリエはそんな奴じゃない。誰かを無闇に傷付ける奴じゃない‼︎」
「......」
「リーリエ‼︎」
お願い。この気持ち届いて。
「共鳴‼︎」
リーリエ。お願い。返事をして!私よ。リリアよ。そこに居るなら返事をして。
「......帰って」
「リーリエ‼︎」
「もう私には何も残されてない。私はもう駄目なの。だから帰って」
「嫌だ!リーリエを連れ戻すまでは......」
「いい加減にして⁉︎」
「リーリエ⁇」
「その考えが私を追い詰めているってなんで気付かないの⁇なんでそんなに私を求めるの?私が居なくたって今までと変わらないじゃない!だからもう私のことは放っておいて」
「そんなのっ......」
「もうこれ以上私の中に踏み込んで来ないで!」
ビリッ
「きゃっ⁉︎」
「リリア‼︎」
ドサッ
「......リーリエが私を拒絶した?」
「......嘘だろ?あのリーリエがリリアを拒絶?」
「なんでなんだよ。なんでリリアの声すら届かねーんだよ!リーリエ‼︎」
「今度は俺がやる」
「デイモンが?」
「俺達は少なくても十年一緒だ。お前らが知らないリーリエを知っている。可能性は低いがやる価値はある」
「......信じていいんだね?」
「ああ。俺を信じろ!」
「わかった。私はリーリエのためにやるだけのことはする」
「......」
ゴオオオ
「ほんっとお前ら姉妹だけあって、似た者同士だな!」
「当然!」
「俺もリーリエを助けたい。あの時は傷付けちゃったけど......今度は守る方に力を使いたい」
「エース......クリフ......ありがとう」
リーリエがもう諦めていても私は諦めないよ。リーリエを取り戻すの‼︎
「リーリエ‼︎共鳴」
「......」
「リーリエ帰ろう。お前を待っている奴は沢山いるんだ。だから......」
「......だからまた頑張れって?」
「リーリエ⁇」
「もう十分頑張ったでしょ⁇もう嫌なの。いつまでシルクロードの精神支配に苦しまなければならないの?」
「お前そんなことを思っていたのか?」
「どうして⁇どうして私はリリアと敵対しなければならないの?こんなことをして誰も幸せになんてなれないのに......私がやって来たことは無意味だったんだよ。だから帰って」
「リーリエ。お前がどれだけ拒絶してもお前を諦めきれないのは俺だけじゃないって覚えておけよ‼︎」
「......」
「......これ以上この子の心を掻き乱さないでくれる?」
「誰だ⁉︎」
「私はリーリエ。この世界がリセットされる前のリーリエ.クロムラム」
「何言ってるんだ?リセット⁇この世界が⁇」
「そうだよ。なんで皆んなの中にもうひとりの自分が居ると思う⁇」
「考えたこともなかった」
「一度リセットされたからだよ。本来リセットされる前の自分が本当の自分だったりするかもね。でも私はリーリエのためならなんでもできる。たとえそれがリーリエが望んでいないことだったとしてもね」
「お前はそれで幸せなのかよ?」
「幸せだよ。リーリエが笑ってくれるなら私はそれでいい」
「そんな屁理屈......」
「貴方達は自分が大事なんでしょ⁇リーリエみたいに誰かのために強くなったわけじゃないんだよね?リーリエはリリアを守りたい一心で強くなったの。だから貴方達とは済む世界も違う。リーリエは操り人形じゃない。私がそれを許さない」
「お前さっきから何を言って......」
「私の結末は私だけが知る。リリアはねぇ。禁断の魔術に手を出したの」
「は?禁断の魔術?」
「そう。禁断の魔術は全部で四つある。その中のひとつは時を操る魔法。その力は誰にでも使えるわけじゃない。本当に強く願いがあるものにしか使えない」
「......」
「リリアは願った。リーリエを助けたい。リーリエが生き残る世界にしてほしい。その願いに反応して禁断の魔術はリリアを選んだ。でもその力強すぎてリセット後の記憶はない」
「......さっきから聞いていればお前は何もかも知っていて俺達の結末も知っているような口振りを......」
「だって知っているもん」
「え......」
「シルクロードがどうなるとか誰が死んで誰が生き残るのかも知っている。逆に聞くけど、デイモンは何がしたいの?私の心を壊したいの?」
「そんなことっ⁉︎」
「でもやっていることは私が望まないこと。それにリーリエは知っているのよ。自分が二年後に死ぬことを......」
「......」
何も言えない。目の前に居る少女は言っていることはめちゃくちゃなのになぜか説得感がある。まるで囁くようにそうだって言われているようなそんな気がする。
「もうこの世界から出て行きなさい。デイモン.クラック」
「それを変えようとする自分嫌い」
「そうだね。何も知らない。何もわからない。だからこそこの人生に意味がある」
「......」
「なのに貴方は何も考えずに首を突っ込んで何もかも駄目にした。だから私が変えてあげる。リーリエが私がなし得た無かったことを私が代わりにやってあげる。そうすればリーリエは救われる。そうなる運命」
「......」
「大丈夫。私が全てを包み込んであげる。だから何考える必要はない。ただの操り人形になればいい。そうでしょ⁇私」
「......もう自分で考えるのも疲れた。この苦しみから解放されるならなんでもいい」
もう何もいらない。リリアもハッピーエンドもいらない。私にはもう必要ない。
ドンッドドドドドーン
「リーリエ⁇なんの音だ?」
「......」
バンッ
「げっ⁉︎何すんだよ......リーリエ⁇」
なんだ?顔が墨汁を塗ったくったみたいに黒い。確認できるのは笑っていることぐらい。なんでだ?なんでいきなりこうなっているんだよ?
「......」
カチャッ
「り、リーリエ⁉︎ま、待て......」
バンバンバンバン
「くそ‼︎」
「リリア‼︎いきなりシルクロードの城を制圧ってどうゆーことだよ⁉︎」
「リーリエが危険な気がするの。もうリーリエが帰って来ないみたいな......そんな嫌な予感がする」
リーリエ。私の大切で可愛い妹。あの時再会した時からずっと、リーリエを取り戻すって心に決めていたの。だから必ずリーリエを連れ戻す。
バッシャーン
「水⁉︎」
「はぁはぁ......くそ!なんなんだよ。リーリエ‼︎しっかりしろよ!」
「デイモン‼︎」
「ん?お前らはリーリエと一緒に居た奴ら」
「何があった?」
「今協力するしかないな。リーリエが暴走しているんだ」
「どうして⁉︎」
「俺にも理由はわからない。だが、朝起きてリーリエの部屋まで行ったらもうリーリエはリーリエじゃなかった」
「......」
「俺じいちゃんから聞いたことがある。自分の中にはもうひとりの自分が居てその自分と代わるなって言われたことがある」
「それって......」
「リーリエはもうひとりの自分と入れ替わったのかもしれない」
「そんなことって......」
「じいちゃんの話だとその人にはとてつもない闇を抱え込んだ人だけがなる症状だって言ってた」
「じゃあリーリエは闇を抱えているの?」
「そうだな。じいちゃんの話が本当ならリーリエは相当な闇を抱え込んでいることになる。そしてそのもうひとりの自分と代わったってことはリーリエはその闇に負けたんだ」
「......」
「助ける方法はないのか?」
「......ある」
「それ何⁉︎」
「共鳴すれば助けられるかもしれない。リーリエが閉ざした心の蓋を開けることができれば......もしくは無理やりこじ開けて出て来させるしかない」
「私がやる。リーリエの姉だもん。絶対にリーリエは心を開いてくれる」
「できるのか?」
「できるよ。リーリエと私は双子なんだから‼︎」
「......」
「リリアをサポートするぞ!」
「おお!」
バンバン
「リーリエ!戻って来い!」
「リーリエはそんな奴じゃない。誰かを無闇に傷付ける奴じゃない‼︎」
「......」
「リーリエ‼︎」
お願い。この気持ち届いて。
「共鳴‼︎」
リーリエ。お願い。返事をして!私よ。リリアよ。そこに居るなら返事をして。
「......帰って」
「リーリエ‼︎」
「もう私には何も残されてない。私はもう駄目なの。だから帰って」
「嫌だ!リーリエを連れ戻すまでは......」
「いい加減にして⁉︎」
「リーリエ⁇」
「その考えが私を追い詰めているってなんで気付かないの⁇なんでそんなに私を求めるの?私が居なくたって今までと変わらないじゃない!だからもう私のことは放っておいて」
「そんなのっ......」
「もうこれ以上私の中に踏み込んで来ないで!」
ビリッ
「きゃっ⁉︎」
「リリア‼︎」
ドサッ
「......リーリエが私を拒絶した?」
「......嘘だろ?あのリーリエがリリアを拒絶?」
「なんでなんだよ。なんでリリアの声すら届かねーんだよ!リーリエ‼︎」
「今度は俺がやる」
「デイモンが?」
「俺達は少なくても十年一緒だ。お前らが知らないリーリエを知っている。可能性は低いがやる価値はある」
「......信じていいんだね?」
「ああ。俺を信じろ!」
「わかった。私はリーリエのためにやるだけのことはする」
「......」
ゴオオオ
「ほんっとお前ら姉妹だけあって、似た者同士だな!」
「当然!」
「俺もリーリエを助けたい。あの時は傷付けちゃったけど......今度は守る方に力を使いたい」
「エース......クリフ......ありがとう」
リーリエがもう諦めていても私は諦めないよ。リーリエを取り戻すの‼︎
「リーリエ‼︎共鳴」
「......」
「リーリエ帰ろう。お前を待っている奴は沢山いるんだ。だから......」
「......だからまた頑張れって?」
「リーリエ⁇」
「もう十分頑張ったでしょ⁇もう嫌なの。いつまでシルクロードの精神支配に苦しまなければならないの?」
「お前そんなことを思っていたのか?」
「どうして⁇どうして私はリリアと敵対しなければならないの?こんなことをして誰も幸せになんてなれないのに......私がやって来たことは無意味だったんだよ。だから帰って」
「リーリエ。お前がどれだけ拒絶してもお前を諦めきれないのは俺だけじゃないって覚えておけよ‼︎」
「......」
「......これ以上この子の心を掻き乱さないでくれる?」
「誰だ⁉︎」
「私はリーリエ。この世界がリセットされる前のリーリエ.クロムラム」
「何言ってるんだ?リセット⁇この世界が⁇」
「そうだよ。なんで皆んなの中にもうひとりの自分が居ると思う⁇」
「考えたこともなかった」
「一度リセットされたからだよ。本来リセットされる前の自分が本当の自分だったりするかもね。でも私はリーリエのためならなんでもできる。たとえそれがリーリエが望んでいないことだったとしてもね」
「お前はそれで幸せなのかよ?」
「幸せだよ。リーリエが笑ってくれるなら私はそれでいい」
「そんな屁理屈......」
「貴方達は自分が大事なんでしょ⁇リーリエみたいに誰かのために強くなったわけじゃないんだよね?リーリエはリリアを守りたい一心で強くなったの。だから貴方達とは済む世界も違う。リーリエは操り人形じゃない。私がそれを許さない」
「お前さっきから何を言って......」
「私の結末は私だけが知る。リリアはねぇ。禁断の魔術に手を出したの」
「は?禁断の魔術?」
「そう。禁断の魔術は全部で四つある。その中のひとつは時を操る魔法。その力は誰にでも使えるわけじゃない。本当に強く願いがあるものにしか使えない」
「......」
「リリアは願った。リーリエを助けたい。リーリエが生き残る世界にしてほしい。その願いに反応して禁断の魔術はリリアを選んだ。でもその力強すぎてリセット後の記憶はない」
「......さっきから聞いていればお前は何もかも知っていて俺達の結末も知っているような口振りを......」
「だって知っているもん」
「え......」
「シルクロードがどうなるとか誰が死んで誰が生き残るのかも知っている。逆に聞くけど、デイモンは何がしたいの?私の心を壊したいの?」
「そんなことっ⁉︎」
「でもやっていることは私が望まないこと。それにリーリエは知っているのよ。自分が二年後に死ぬことを......」
「......」
何も言えない。目の前に居る少女は言っていることはめちゃくちゃなのになぜか説得感がある。まるで囁くようにそうだって言われているようなそんな気がする。
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