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毒親
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「なぁ、マリア。お前は殿下の専属メイドだろ?だったら金を持ってこいよなぁ?」
「......」
「なんとか言ったらどうなの?この役立たず‼︎」
「......」
なんで?なんでこうなったの?さっきまであんなに楽しかったのに、殿下のお側を離れたから?だからあんな毒にしかならない親に捕まったの?
こんにちは。マリアです。私は今、両親にお金をせびられています。
なぜそうなったかと言うと、遡ること数分前
「お、俺、こんな大きなパーティー初めてだよ」
「私も初めてです」
今日は殿下の誕生日パーティー。今までは開催されなかった殿下の誕生日会。だけど、今年は殿下自ら自分の誕生日を祝ってほしいと、陛下に懇願。
今まで一度もお願いをしてこなかった殿下を見て、陛下は多いに喜び(顔には出てない)大勢の人を招待し今日の誕生日パーティーを開催している。
「マリア!あの大きな肉食べていいのか?」
目をキラキラさせながら私に聞いてくる殿下。本当に可愛い。
「はい。殿下の好きなようにって陛下も言っていたので、沢山食べてくださいね」
「うん」
そう返事をし、普通の子供のようにはしゃぐ殿下。
「本当に可愛らしいお方」
私は殿下が嬉しいと私も嬉しい。
「マリア久しぶりだなあ?」
ドクン
「......え」
「ここではなんだ。テラスで話そうじゃないか?」
「わ、私は......」
ボソボソ
「せっかくの殿下の誕生日パーティーを邪魔させたくないだろ?」
「......はい」
「だったらおとなしく着いてきな」
「わかり、ました」
「なぁ、マリア。お前は殿下の専属メイドだろ?だったら金を持ってこいよなぁ?」
「......」
「なんとか言ったらどうなの?この役立たず‼︎」
「......」
そして今に至る。
「マリア。実はなぁ、ちょっと金に困ってるんだよ。お前なら金たんまり持ってるだろ?殿下の専属メイドなんだからよ?」
「そ、そんなに、も、持ってない......です」
「だったら今ある分だけでも寄越しな」
「む、無理です。あ、貴方達にあげる、お、お金なんてありません」
駄目。今ここではっきりはさせなきゃ。ここできっぱりと絶縁するのよ。
パチィッ
「......っ」
「この役立たず!誰のおかげで大きくなれたと思ってるんだ?」
「親の元を離れて随分と生意気になったもんだね!」
「はぁはぁ!はっはぁっはぁはぁ......」
怖い。またあの時みたいに私は......。
「早く金を寄越せ!」
「役に立たないお前を育てた恩を仇で返すのかよ?えっ!」
駄目だ。考えがまとまらない。私はこの二人には逆らえない。逆らったらいけない。
「わ、わかりました。今持ってくるので、ま、待っててください」
「いいや。俺達も行くぞ」
「え、えっ?」
私を疑っている。確かにこの場を離れれば二人が危うい立場になる。それをわかった上で、私を支配下に置きたいんだ。
「早く金寄越せよ⁇」
「はぁっはっはぁはっはぁはぁ」
まともに息が出来ない。怖い。誰か助けて‼︎
「マリアに何してくれてるんだ!この馬鹿ども!」
「えっ......」
さっきまでご飯を食べに行っていた殿下が真っ赤な顔で、私の両親に怒鳴りつけた。
「うわっ!なんがこのクソガキ」
「マリアから離れろ」
そう言って父の腕にしがみつく。
「うるせーよ!」
ドンッ
「で、殿下!?」
父が思いっきり殿下を突き飛ばしテラスの柵を越えてそのまま下へと落下していった。
私はただそれを呆然と見ることしか出来がなった。
「いやあああああ!?」
「......」
「なんとか言ったらどうなの?この役立たず‼︎」
「......」
なんで?なんでこうなったの?さっきまであんなに楽しかったのに、殿下のお側を離れたから?だからあんな毒にしかならない親に捕まったの?
こんにちは。マリアです。私は今、両親にお金をせびられています。
なぜそうなったかと言うと、遡ること数分前
「お、俺、こんな大きなパーティー初めてだよ」
「私も初めてです」
今日は殿下の誕生日パーティー。今までは開催されなかった殿下の誕生日会。だけど、今年は殿下自ら自分の誕生日を祝ってほしいと、陛下に懇願。
今まで一度もお願いをしてこなかった殿下を見て、陛下は多いに喜び(顔には出てない)大勢の人を招待し今日の誕生日パーティーを開催している。
「マリア!あの大きな肉食べていいのか?」
目をキラキラさせながら私に聞いてくる殿下。本当に可愛い。
「はい。殿下の好きなようにって陛下も言っていたので、沢山食べてくださいね」
「うん」
そう返事をし、普通の子供のようにはしゃぐ殿下。
「本当に可愛らしいお方」
私は殿下が嬉しいと私も嬉しい。
「マリア久しぶりだなあ?」
ドクン
「......え」
「ここではなんだ。テラスで話そうじゃないか?」
「わ、私は......」
ボソボソ
「せっかくの殿下の誕生日パーティーを邪魔させたくないだろ?」
「......はい」
「だったらおとなしく着いてきな」
「わかり、ました」
「なぁ、マリア。お前は殿下の専属メイドだろ?だったら金を持ってこいよなぁ?」
「......」
「なんとか言ったらどうなの?この役立たず‼︎」
「......」
そして今に至る。
「マリア。実はなぁ、ちょっと金に困ってるんだよ。お前なら金たんまり持ってるだろ?殿下の専属メイドなんだからよ?」
「そ、そんなに、も、持ってない......です」
「だったら今ある分だけでも寄越しな」
「む、無理です。あ、貴方達にあげる、お、お金なんてありません」
駄目。今ここではっきりはさせなきゃ。ここできっぱりと絶縁するのよ。
パチィッ
「......っ」
「この役立たず!誰のおかげで大きくなれたと思ってるんだ?」
「親の元を離れて随分と生意気になったもんだね!」
「はぁはぁ!はっはぁっはぁはぁ......」
怖い。またあの時みたいに私は......。
「早く金を寄越せ!」
「役に立たないお前を育てた恩を仇で返すのかよ?えっ!」
駄目だ。考えがまとまらない。私はこの二人には逆らえない。逆らったらいけない。
「わ、わかりました。今持ってくるので、ま、待っててください」
「いいや。俺達も行くぞ」
「え、えっ?」
私を疑っている。確かにこの場を離れれば二人が危うい立場になる。それをわかった上で、私を支配下に置きたいんだ。
「早く金寄越せよ⁇」
「はぁっはっはぁはっはぁはぁ」
まともに息が出来ない。怖い。誰か助けて‼︎
「マリアに何してくれてるんだ!この馬鹿ども!」
「えっ......」
さっきまでご飯を食べに行っていた殿下が真っ赤な顔で、私の両親に怒鳴りつけた。
「うわっ!なんがこのクソガキ」
「マリアから離れろ」
そう言って父の腕にしがみつく。
「うるせーよ!」
ドンッ
「で、殿下!?」
父が思いっきり殿下を突き飛ばしテラスの柵を越えてそのまま下へと落下していった。
私はただそれを呆然と見ることしか出来がなった。
「いやあああああ!?」
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