私の恐怖はこれから

私の恐怖はこれから 過去の恐怖編

小雪の初登校編

　小雪が帰って来てから数日が経過した。そして現在
　「は、はじめまして......苗木小雪って言います。えっと、その......が、学校に行くのは初めてで勉強とかまだまだわからないところがありますが......よ、よろしくお願いします‼︎」
　き、緊張する！学校ってこんなもんなの?
　違います！
　「苗木さんよろしくね」
　「可愛い」
　「仲良くしようね」
　「は、はい！」
　「えぇ。苗木はまだこの学校についてよく知らん。だから教えてやってくれ」
　「はーい」
　「ねぇねぇ、苗木さん！苗木さんってずっと行方不明だったんでしょ⁇」
　「そ、そうだよ」
　「どうやって戻って来たの?」
　「......」
　「ちょっと！月坂！デリケートな質問は相手を傷付けるのよ‼︎」
　「ご、ごめん」
　「いいの。お姉ちゃんが居てくれたから戻って来られたの。お姉ちゃんが居なかったら私は今頃......」
　二度目の死を迎えてたと思う。お姉ちゃんには感謝だ。
　「苗木さん。よく耐えたね！頑張ったね。これからは楽しいことがたくさん待ってるよ！」
　「何ないているのよ?衣更着」
　「あは、あはは......」
　昼
　「嘘⁉︎」
　「苗木さん?どうしたの?」
　「......お弁当忘れた」
　「えっ⁉︎」
　「やばいじゃん⁉︎」
　「今すぐに購買に行かなきゃいいの無くなっちゃうよ⁇」
　「うぅ......お姉さんのお弁当食べたかったよ」
　「......」
　ガラガラ
　「失礼します」
　「お、お姉ちゃん⁉︎」
　「小雪居た‼︎」
　「え?苗木さんのお姉さんめっちゃ美人！」
　「え......」
　「ほんとだ！苗木さんも美人だけど......先輩も美人だ！」
　「あ、ありがとう」
　「お姉ちゃんモテモテだね」
　「小雪......はい。お弁当」
　「あっ！お姉ちゃんありがとう」
　「まったく......朝はしゃぎすぎてお弁当置き忘れてたよ」
　「だ、だって......学校楽しみだったんだもん」
　「はいはい」
　「あ、あの！先輩の名前ってなんですか?」
　「私の名前?」
　「はい！」
　「私の名前は......」
　「深雪お姉ちゃんだよ！」
　「苗木深雪先輩」
　「なんで小雪が誇らしげなの?」
　「だって！お姉ちゃんと一緒なのが嬉しいんだもん」
　「あ、あの！先輩はどうやって苗木さんを見つけたんですか?」
　「は、はい?」
　「連れて帰ったのって先輩ですよね?」
　「そ、そうだけど......うちの事情だからあんまり首を突っ込まないでくれる?」
　「ご、ごめんなさい」
　「怒ってはいないけど......次はないよ」
　「......はい」
　なんだろ⁇お姉ちゃんからやばいオーラが滲み出てる。あれは怒る寸前だ。
　「お姉ちゃん！今日はお姉ちゃんと一緒にご飯食べたい」
　「......いいよ。篤美達に連絡するからちょっと待ってね」
　「うん！」
　「深雪遅いわね」
　「そうデースね」
　「何かあったのでしょうか?」
　「僕達は気長に待つか」
　ピロン
　「ごめんなさい。私よ」
　「霊感総合部の皆んなへ。今日は小雪達と食べるので私のことは気にしないでください。急でごめんね。深雪より」
　「......今日は別々で食べるみたいよ」
　「そう。じゃあ食べようか」
　「いたダきマース‼︎」
　「うん！美味しいです！」
　「......」
　ズキン
　またこの気持ちだ。深雪の妹にまで嫉妬するなんて......私はそれだけ深雪が大好きなのね。
　昼休みの終わり頃
　「早く学校終わらせて一緒に遊ぼうね」
　「うん。でもその前に勉強ね！」
　「はーい」
　「じゃあまた後でね」
　「はい！」
　「先輩また来てくださいね」
　「み、深雪先輩⁉︎」
　「光君‼︎」
　ギュウウウウ
　「ひ、光君⁉︎ぐるじい⁉︎」
　「お姉ちゃんに抱きつくな！」
　バーン
　「何するんだよ！」
　「それはこっちの台詞！私のお姉ちゃんに無闇に抱きつくな！変態！」
　「んだと！」
　「ふ、二人とも落ち着いて！」
　ドンバンゴン
　「喧嘩は駄目！」
　ゴンッ
　「いっ⁉︎」
　「あ......」
　「......」　　　　
　「お、お姉ちゃん?」
　「深雪先輩?」
　「......いい加減にしなさーい‼︎この馬鹿共‼︎」
　「ご、ごめんなさい‼︎」
　「大体貴方達は何が発端で喧嘩になったのかはわかってるけど！まずは光君‼︎」
　「は、はいっす！」
　「むやみやたらに抱きつかない！周囲の視線ぐらい見なさい！」
　「す、すみませんっす！」
　「そして小雪‼︎」
　「ひぃ！」
　「貴方は暴力で解決しようとしないの‼︎いい?次やったらお姉ちゃん本気の本気で怒るからね！わかった?」
　「はい！もうしません！」
　「次はないよ」
　「はい......」
　「はいっす......」
　二人は思った。苗木深雪だけは二度と怒らせないようにしようと心に誓ったのであった。