私の恐怖はこれから

私の恐怖はこれから 過去の恐怖編

深雪と小雪二人の呪いその2

　「......小雪、お姉ちゃんが絶対に助けてあげるから」
　「ぐるるる」
　「お姉ちゃんが呪いから解放してあげるからね」
　ガタン
　「狂った歯車は正常に戻す」
　「ぐるがるががるる‼︎」
　その頃光君は
　「先輩！深雪先輩何処っすか‼︎」
　しーん
　「音がない。まるでここ一体の音が抜け落ちたみたいに......何も感じない」
　「私の妹を返してよ！」
　「深雪先輩の声⁉︎」
　「先輩が怒ってる。今行くっす。先輩は俺が守るっす！」
　ガタンギイイイーガタン
　「ぐっ！」
　歯車が思う通りに進まない。小雪の呪いが強すぎるんだ。だから歯車が止まってしまっているんだ。
　「負けない。私は小雪を連れ戻すの。あの時の私よりももっと強くなっているから......小雪を不幸な道に進ませない」
　「あははは！おっかしいわね?もう死んだ人間を何処まで追いかけているのかしら⁇」
　「え......篤美⁇」
　「......」
　「違う。篤美だけど篤美じゃない。貴方は別の時間軸から鈴木篤美なの?」
　「うふふ。あははは‼︎」
　「何がおかしいの⁉︎」
　「貴方は本当に賢くて愚かねぇ?」
　「私が愚か?」
　「そうよ。なぜ自分のことをもっと大事にしないの?どうして貴方は誰かを助けようと飛び込むの?死ぬかもしれない状態まで追い詰められたら今まで以上の力を発揮するの?」
　「そ、それは......」
　「私はもう貴方のことがわからないの。貴方が死んで貴方が居ない世界で生きていたわ。でもある日気付いたの。貴方が居なきゃ意味のない世界だって気付かされたわ」
　「何を言って......」
　「貴方という存在は私の生きる希望だった。だから頑張って来たの。絶望しそうになっても呪いに負けそうになっても......苗木深雪という存在があるから生きていられてたの。なのに貴方は死んだ。私の目から姿を消した。そんなの許せない」
　「篤美落ち着いて！」
　「もう何に頼ったっていい。貴方とこうしてもう一度話して貴方を捕まえられるなら！」
　ガチャーン
　「な、何これ?檻?」
　「もう此処から出さない。貴方を一生飼い慣らしてあげる。うふふ」
　「......篤美いい加減に......」
　パチィッゴロゴロ
　「雷⁉︎」
　「光君！」
　「深雪先輩無事っすか?」
　「如何して貴方が此処に⁇私と深雪の時間を邪魔しないで！」
　「鈴木先輩っすか?」
　「そうだけどそうじゃない」
　「意味がわからないっす」
　「別の時間軸に存在する私達。そしてその定めを超えて来る者も居る」
　「......」
　「私はもう深雪を離さない‼︎」
　「悪いけど......私は此処から出る‼︎」
　ガタン
　「な、何?」
　「やあああああああ‼︎」
　「歯車で檻を殴った⁉︎」
　バキン
　「う、嘘⁇嘘よ。私の檻が壊れるなんてありえないわ！」
　「ありえないのは貴方の存在よ」
　「篤美⁉︎それに皆んなも?」
　「鈴木先輩が二人居る⁉︎」
　「......」
　「どうイうことデースか?」
　「とりあえず二人が無事で良かった」
　「問題この先です」
　「この呪いをどうするかやで」
　「ぼ、僕達なら大丈夫です」
　「僕の計算によると倒せる確率五十パーセント。つまり五分五分ということです」
　「小雪は助ける。そして貴方の心も救いたい。私の一番最初の友達で大親友なんだから‼︎」
　必ずこの呪いを解く。そして別の時間軸の篤美も救ってみせる。
　「......でもこの呪いの核ならもし壊してしまったら小雪はどうなるの⁇」
　漠然と気持ちが襲ってくる。でもこの呪いは解かないといけない。皆んなのためにも私のためにもそしてなによりも小雪のためにも必ず解いてみせる！
　そう心に誓ったのであった。