私の恐怖はこれから

上野佐栁

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私の恐怖はこれから 過去の恐怖編

繋がる記憶その1

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 「えっと?苗木先輩でしたっけ?どうして私達のことを知ってるんですか?」
 「こんなこと言っても信じてはくれないと思うけど......私は未来から過去に引き摺り込まれたの」
 「え......⁇」
 「引き摺り込まれた?」
 「そんなことがあるんすか⁉︎」
 「普通はないと思う。でも確かなことを言えるならきっとこれは誰が天之川学園の呪いを復活させて利用しようとしている。それだけは確かだよ」
 「......」
 「そ、その話が本当なら僕達は......」
 「一度学園の呪いに触れた者達。そしてその呪いは今も気付かぬうちに纏まりついているの」
 「......っ⁉︎」
 「そレはワタシも同じデースか⁇」
 「ううん。ペリシアターさんと亜純君と御霊さんには呪いがない。それに......」
 二人からは前に感じた霊力と似た何かがある。でも何処で感じたのかが思い出せない。
 「それになんだい?」
 「ううん。やっぱりなんでもない」
 「......お姉ちゃん」
 「えっ?」
 「お姉ちゃんこっちだよ」
 「この声は......小雪?」
 「そうだよ。お姉ちゃん。早くこっちに来て」
 「こ、小雪っ......」
 「苗木さん‼︎」 
 「はっ⁉︎」
 「苗木さん⁇いきなり黙り込んでどうしたの?」
 「あ、あれ?あれ......あれ?」
 「ほ、本当に大丈夫なの?」
 「さ、さっき......小雪の妹の声が聞こえた気がしたんだけど......気のせいね。ごめんなさい。今日は相当疲れているみたいだからもう帰るね」
 「え、えぇ......そうしなさい」
 「じゃあまた明日ね」
 「えぇ。また明日」
 「先輩ひとりで大丈夫っすか?」
 「平気だよ。いざっとなったら応戦するだけだから」
 「そうっすか」
 「......ごめん。やっぱり我慢出来ない」
 「え......」
 チュッ
 「な、苗木さん⁉︎」
 「な、なニしてイるんデースか⁉︎」
 「あ、あの......」
 「ごめんね。我慢出来なかった。これで最初で最後だから。さよなら」
 「......」
 あの時、深雪を追いかければよかった。あの時もっと気にかけていればあんなことにならなかった。まさかその後に深雪を失いかけることになるんて今の篤美は思いもしなかったのであった。
 深雪の部屋
 「......小雪」
 「お姉ちゃん。私を守ってくれないの?」
 「ほ、本当に小雪なの?」
 「そうだよ」
 「小雪......小雪‼︎」
 ギュッ
 「うわあああん!やっと会えた。会いたかったよぉー!」
 「私もだよ。お姉ちゃん」
 「今この場に居る小雪はやっぱり......」
 「霊だよ」
 「......ごめんなさい」
 「お姉ちゃん⁇」
 「あの時守ってあげられなくてごめんなさい」
 「もういいよ。その代わりに......してね」
 「......っ⁉︎」
 何これ?感情が感覚がなくなっていく?痛みも苦しみも悲しみも......そして好きという気持ちもなくなる⁇どうして?ひとつだけ残ったのは小雪を守らなくちゃっていう気持ちだけ。
 「その代わりに私を......霊達を守って。そして私達の敵の霊感総合部と霊力才能部を殺してね」
 「......」
 「出来るよね?お姉ちゃん」
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