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私の恐怖はこれから メロディーの呪い編
縛れない想いその4
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「人間は愚かだ!だからお前も霊になればいい」
「そんなのただの逃げ道だよ」
「は?」
「もう何も失いたくないけど、失う者だってある。だから私は後悔のないように生きたい。そう決めたから」
「......」
「貴方達もいつまで逃げるつもり⁇」
「は?逃げる?俺達が?」
「うん。逃げてるよ。怖いこと苦しいこと楽しいこと嬉しいこと......そして悲しみにから逃げてる。だから霊になっても歩こうとしない。貴方達も前を向いて歩けるよ」
「成仏出来るのか?」
「歯車で呪いを消せれば出来る」
「その言葉を信じる確証はないが、同じ七柱を信じよう」
「ありがとう」
「深雪。もう大丈夫なの?」
「うん。大丈夫」
「後は教授だけだね」
「今度こそ、あいつの呪いを解く」
「出来るの?」
「歯車を使えばなんとか......」
「させるかああああ‼︎」
バンッ
「歯車がバラバラになった!?」
「早く一ヶ所に集めなきゃ‼︎」
「死ねええええええ‼︎」
ドン
「歯車を使って防御した」
「過去の自分に言うのは変だけど、もうめちゃくちゃ......」
「そうね」
「お姉さん。凄いよ!」
「七柱あああああ‼︎」
「悪いけど、負ける訳にはいかないの!」
「詭弁だと言っていたではないか‼︎」
「詭弁だよ!ただ理屈をこねて、何も見えなくなった。本当の気持ちを隠して......自分はこうなんだ。愛されているんだって、無理矢理そう思ってた。でもそんな私だけど、信頼する仲間も出来た。霊感総合部は私の唯一の居場所。だから守る!これは詭弁じゃないから!」
「クソが!あの時死んでいればよかったものを......生き残りやがって‼︎」
「私だけを相手していいの?」
「どういう意味だ?」
「クスクス。後ろ」
「え?」
シュッ、シュー
「キャアハハ」
「......あれ?人形って声出てたっけ⁇」
「それは私の声よ!あははは‼︎うふふ。キャアハハ‼︎」
「怖いわ!」
グサッブスッドン
「ああああああああ!?」
「今のうちに......」
ガタッギギギギィ
「え?」
「深雪⁇どうしたのかしら⁇」
「歯車が動かない」
「えっ!?」
「きっと、呪いが強すぎるんだよ。もっと何か弱らせるか......呪いから離れる何かがあればいいんだけど......」
「やってみるわ」
「深雪ちゃんのためならいくらでもね。うふふ」
「お姉さんのサポートは私の仕事」
「過去の私を守る義務があるもの。絶対に死なせはしない」
「皆んな......本当にありがとう‼︎」
「この呪いを解かせるわけにはいかん!」
「往生際が悪いわよ!」
「おじさんの負けだよ。諦めて‼︎」
「僕の理想を叶えるまでは呪いを解かせるわけには絶対にさせん!」
パキッ
「氷!?」
「もういい加減にしなさい‼︎」
「もしかして......貴方、死者の復活を願ってるの?」
「はあ!?」
「何とかなくだけど、死者にやたらこだわるから......本当は弟さんに会いたいの?」
「黙れ!お前は必ずこの手で殺す!呪い殺してやる!」
「その言葉は皆んなにとっての禁句よ」
「え?」
「私達を本気で怒らせるとどうなるか、おじさんに思い知らせてあげる」
「深雪‼︎」
「もう準備満タン‼︎」
重い。歯車の中心部を持って来たのはいいけど、重すぎる。それに霊力が少し足りない。
「ううっ!」
「皆んな行くわよ!」
「えぇ!」
ガタッパキッ
「キャアハハ‼︎」
「その人形で突っ込む気?」
「もちろんよ。うふふ」
「えっ?えっ!?」
ドーンっと音共に空間が更に崩れた。
「きゃあ!?」
ボロッ
「いてて。皆んな無事⁇」
「え、えぇ。なんとか無事よ」
「ちょっと強すぎだわね」
「あれでちょっとって......」
「あ、あはは」
バンッ
「えっ?」
「未来のお姉さん!?」
「か、体が透けてる」
「......強制成仏⁇」
「そんな!?」
「大丈夫‼︎七柱だからしばらくはこっちに居られる。その前にあいつの呪いを解こう」
「......うん」
「ぐっ!」
ガタッギギィーガタンッギギィーガタンッギギィーガタンッ
「こ、これで呪いは解けたはず」
「この野郎!」
「え?」
「深雪は感じたかしら⁇」
「ううん。霊力が全く感じない」
「私もよ」
「もしかして、おじさんの霊力って呪いで出来ていたの?」
「嘘っ!?」
「くそおおおお‼︎」
ゴン
「え?えっ?えっ!?い、今......ゴンって......ゴンって言った!?」
「とどめを刺すのは常識よ」
「登三子ちゃん。もしかして......怒ってる⁇」
「うふふ。どうかしらね?」
ゾワッ
「お、悪寒が走った」
ガダガタガタ
「な、なに!?」
「今度は何かしら!?」
「今度こそ空間が崩れる!?」
「え?」
「早く光ってる所に飛び込んで!じゃないと......一生此処から出れなくなる」
「ひ、光君も連れて行かなきゃ」
あれ?体に力が入らない。多分、七柱の力をあんなに使ったからだ。
「そんなこと言っている場合じゃないわ!」
「申し訳ないけど、川咲君を運んであげられる体力も霊力も残ってないよ」
「いやだ!光君!光くーん‼︎」
「暴れないで‼︎」
「うわあああああ‼︎いやだ!いやだよお!」
私は三人に無理矢理元の世界へと戻された。光君を置いて、自分達だけ帰った。
「......此処に居られるのは後......一分ぐらいかな⁇」
コツコツ
「......よかった。まだ間に合う」
未来の私はそっと、光君の胸元に手を当てて......。
「最後の奇跡は、光君......貴方にあげる」
優しい光と共に、光君の傷はみるみると治っていく。そして今、光君は息を吹き返した。
「ぶはっ!?ゲホゲホゲホ!?あれ?俺生きてる?なんで?」
「あとは任せたよ」
「み、深雪先輩!?」
「早く行ってあげて。まだ、ゲートは閉じてない。だから過去の私の元に戻ってあげて。じゃないと過去の私が......苗木深雪が壊れる」
「......っ!?」
「最後に一つだけ......」
「え?」
「......結局出来なかったな。する前に消えちゃった」
「深雪先輩。今行くから!」
元の世界へと走り出した、光君。私はその事はまだ知らない。
「そんなのただの逃げ道だよ」
「は?」
「もう何も失いたくないけど、失う者だってある。だから私は後悔のないように生きたい。そう決めたから」
「......」
「貴方達もいつまで逃げるつもり⁇」
「は?逃げる?俺達が?」
「うん。逃げてるよ。怖いこと苦しいこと楽しいこと嬉しいこと......そして悲しみにから逃げてる。だから霊になっても歩こうとしない。貴方達も前を向いて歩けるよ」
「成仏出来るのか?」
「歯車で呪いを消せれば出来る」
「その言葉を信じる確証はないが、同じ七柱を信じよう」
「ありがとう」
「深雪。もう大丈夫なの?」
「うん。大丈夫」
「後は教授だけだね」
「今度こそ、あいつの呪いを解く」
「出来るの?」
「歯車を使えばなんとか......」
「させるかああああ‼︎」
バンッ
「歯車がバラバラになった!?」
「早く一ヶ所に集めなきゃ‼︎」
「死ねええええええ‼︎」
ドン
「歯車を使って防御した」
「過去の自分に言うのは変だけど、もうめちゃくちゃ......」
「そうね」
「お姉さん。凄いよ!」
「七柱あああああ‼︎」
「悪いけど、負ける訳にはいかないの!」
「詭弁だと言っていたではないか‼︎」
「詭弁だよ!ただ理屈をこねて、何も見えなくなった。本当の気持ちを隠して......自分はこうなんだ。愛されているんだって、無理矢理そう思ってた。でもそんな私だけど、信頼する仲間も出来た。霊感総合部は私の唯一の居場所。だから守る!これは詭弁じゃないから!」
「クソが!あの時死んでいればよかったものを......生き残りやがって‼︎」
「私だけを相手していいの?」
「どういう意味だ?」
「クスクス。後ろ」
「え?」
シュッ、シュー
「キャアハハ」
「......あれ?人形って声出てたっけ⁇」
「それは私の声よ!あははは‼︎うふふ。キャアハハ‼︎」
「怖いわ!」
グサッブスッドン
「ああああああああ!?」
「今のうちに......」
ガタッギギギギィ
「え?」
「深雪⁇どうしたのかしら⁇」
「歯車が動かない」
「えっ!?」
「きっと、呪いが強すぎるんだよ。もっと何か弱らせるか......呪いから離れる何かがあればいいんだけど......」
「やってみるわ」
「深雪ちゃんのためならいくらでもね。うふふ」
「お姉さんのサポートは私の仕事」
「過去の私を守る義務があるもの。絶対に死なせはしない」
「皆んな......本当にありがとう‼︎」
「この呪いを解かせるわけにはいかん!」
「往生際が悪いわよ!」
「おじさんの負けだよ。諦めて‼︎」
「僕の理想を叶えるまでは呪いを解かせるわけには絶対にさせん!」
パキッ
「氷!?」
「もういい加減にしなさい‼︎」
「もしかして......貴方、死者の復活を願ってるの?」
「はあ!?」
「何とかなくだけど、死者にやたらこだわるから......本当は弟さんに会いたいの?」
「黙れ!お前は必ずこの手で殺す!呪い殺してやる!」
「その言葉は皆んなにとっての禁句よ」
「え?」
「私達を本気で怒らせるとどうなるか、おじさんに思い知らせてあげる」
「深雪‼︎」
「もう準備満タン‼︎」
重い。歯車の中心部を持って来たのはいいけど、重すぎる。それに霊力が少し足りない。
「ううっ!」
「皆んな行くわよ!」
「えぇ!」
ガタッパキッ
「キャアハハ‼︎」
「その人形で突っ込む気?」
「もちろんよ。うふふ」
「えっ?えっ!?」
ドーンっと音共に空間が更に崩れた。
「きゃあ!?」
ボロッ
「いてて。皆んな無事⁇」
「え、えぇ。なんとか無事よ」
「ちょっと強すぎだわね」
「あれでちょっとって......」
「あ、あはは」
バンッ
「えっ?」
「未来のお姉さん!?」
「か、体が透けてる」
「......強制成仏⁇」
「そんな!?」
「大丈夫‼︎七柱だからしばらくはこっちに居られる。その前にあいつの呪いを解こう」
「......うん」
「ぐっ!」
ガタッギギィーガタンッギギィーガタンッギギィーガタンッ
「こ、これで呪いは解けたはず」
「この野郎!」
「え?」
「深雪は感じたかしら⁇」
「ううん。霊力が全く感じない」
「私もよ」
「もしかして、おじさんの霊力って呪いで出来ていたの?」
「嘘っ!?」
「くそおおおお‼︎」
ゴン
「え?えっ?えっ!?い、今......ゴンって......ゴンって言った!?」
「とどめを刺すのは常識よ」
「登三子ちゃん。もしかして......怒ってる⁇」
「うふふ。どうかしらね?」
ゾワッ
「お、悪寒が走った」
ガダガタガタ
「な、なに!?」
「今度は何かしら!?」
「今度こそ空間が崩れる!?」
「え?」
「早く光ってる所に飛び込んで!じゃないと......一生此処から出れなくなる」
「ひ、光君も連れて行かなきゃ」
あれ?体に力が入らない。多分、七柱の力をあんなに使ったからだ。
「そんなこと言っている場合じゃないわ!」
「申し訳ないけど、川咲君を運んであげられる体力も霊力も残ってないよ」
「いやだ!光君!光くーん‼︎」
「暴れないで‼︎」
「うわあああああ‼︎いやだ!いやだよお!」
私は三人に無理矢理元の世界へと戻された。光君を置いて、自分達だけ帰った。
「......此処に居られるのは後......一分ぐらいかな⁇」
コツコツ
「......よかった。まだ間に合う」
未来の私はそっと、光君の胸元に手を当てて......。
「最後の奇跡は、光君......貴方にあげる」
優しい光と共に、光君の傷はみるみると治っていく。そして今、光君は息を吹き返した。
「ぶはっ!?ゲホゲホゲホ!?あれ?俺生きてる?なんで?」
「あとは任せたよ」
「み、深雪先輩!?」
「早く行ってあげて。まだ、ゲートは閉じてない。だから過去の私の元に戻ってあげて。じゃないと過去の私が......苗木深雪が壊れる」
「......っ!?」
「最後に一つだけ......」
「え?」
「......結局出来なかったな。する前に消えちゃった」
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