私の恐怖はこれから

私の恐怖はこれから メロディーの呪い編

呪いと御呪いその4

　「ギイイイイイイイイイイイイイイ‼︎」
　「......そろそろ決着を付けよう」
　「深雪‼︎真後ろに倒れなさい‼︎」
　「......っ‼︎」
　パキッ
　「......篤美、危ないじゃない！？少しでも遅れてたら死んでたんでけど⁇」
　「あら？そんな簡単には死なない人間よね？深雪は？」
　「私は超人か何か⁇」
　「違うわね」
　「だったらやめてよね⁇」
　「それと......」
　篤美は私の髪にそっと触れて、何かを付ける。
　「これって......ヘアピン⁇」　
　「えぇ。深雪ありがとう。貴方のお陰で踏み止まれたわ。心から感謝するわ」
　「しているようには見えないけどね」
　「はいはい」
　「グエエエエエエエエエエエエエ‼︎」
　シュッグサッ
　「見えた‼︎あれが本体‼︎」
　「あれを壊せばいいわね⁇」
　「うん」
　「じゃあ、行って来なさい‼︎苗木深雪‼︎」
　「うん‼︎」
　パキッ
　「氷の階段？ありがとう‼︎」
　「えぇ！」
　「鈴木先輩‼︎まだ、完治してないんですから急に動かないでください‼︎」
　「ごめんなさいね。でも、呪いを終わらせるなら無理をするまでよ‼︎」
　「サポートはお任せください‼︎」
　「頼もしいわね」
　「はい！」
　「アギイイイイキイキイイイイイイ‼︎」
　動きがまた速くなった。でも今度は見抜く‼︎何が何でも呪いを終わらせる‼︎
　「......っ‼︎」
　「深雪！？」
　「このままじゃ、苗木先輩が真っ逆さまに落ちちゃう！？」
　「なんの‼︎」
　「矢で足の踏み場を作った？」
　「嘘でしょ！？」
　「お姉さん凄い‼︎」
　「苗木君も考えたものだな」
　「グエエエエエエエエエエエエエ‼︎」
　聞こえる。消えたくない。死にたくない。存在を否定されたくないって言う心の声が私には聞こえる。でもそんなのは関係ない。皆んなの幸せを願うならば、最初の呪いは解くべきだ‼︎
　ギュッ
　「ギイイイイイイイイイイイイイイ！？」
　「呪いは御呪いになる‼︎」
　「アギイキイイイイイイイキイイイイイ‼︎」
　「大丈夫。貴方の存在は否定しない‼︎」
　「グエ......」
　「最初の呪いなんだもの。だから御呪いとして、皆んなを助けて」
　「グエ......キィ......ア......リガ......トウ」
　バキッ
　「止まった......」
　「勝った......⁇」
　「勝ったっすよ‼︎」
　「やったああああ‼︎」
　ドサッ
　「ゲホ！？ゲホゲホ‼︎」
　「深雪先輩！？平気っすか⁇」
　「う、うん。呪いに耐性があってよかったよ。無かったら今頃......取り込まれてたね」
　ゾワ
　「怖いっすよ‼︎」
　「うふふ。ごめんね」
　「これで終わりだと本気で思ってはいないだろうな？苗木深雪」
　「その声は......」
　「あいつしつこいっす‼︎」
　「いい感じに呪いが残ってるな」
　「何をする気？」
　ガブッ
　「ひぇ！？」　
　バキバキバキムシャムシャゴギゴギゴキ
　「......」
　その場の(教授は除く)全員は動くことが出来なかった。あの愚蒙さんですら動けなくなっていた。化け物化した残りの呪いを食い尽くす教授にただただ吐き気と嫌悪感を感じだ。あの人は何を食べているの？て言うか、化物を食べる時点でその人も化け物であると実感するしか無かった。怖い。そう思った。
　「さあ、ホラーサークル、霊感総合部、霊力才能部。僕と殺し合おう」
　呪いの強さに私は愕然とした。もう立ち上がれない。足に力が入らない。まるで、ミキサーとナイフ、ノコギリ......ありとあらゆる武器や拷問をこの身で受けている気分だ。
　「深雪‼︎立ちなさい‼︎」
　「ごめん。もう立ち上がれない。あんなのに......勝てるわけないよ」
　もう絶望するしかない。私には止められない。命を賭けても、奇跡を使え切っても勝てない。こんなにも強く悍ましい呪いは見た事がない。もう何もかも無駄だったんだと思った。此処で終わるんだ。何も出来ないまま、呪いに負ける。勝つとか都合のいい事言っておいて、結局は誰も守れない。勝てない。何処かで勝てるんじゃないかと期待していた。でも無理だった。だから私は諦めるしかないって思うしかない。皆んなが死んでしまっても仕方ない。本当にごめんなさい。