私の恐怖はこれから

上野佐栁

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私の恐怖はこれから メロディーの呪い編

呪いと御呪いその2

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 ぐちゃりっと音と共に私は真っ逆さまに落ちた。
 「......奇跡は後八回」
 「くっ‼︎」
 シュグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッ
 「......っ!?」
 ドン
 「痛ーい‼︎うわぁぁぁぁぁぁあああああ‼︎」
 「悲痛の叫びね」
 「頭が潰れてなくてよかったです」
 「......さらっと怖いこと言うのやめて?」
 「はい?」
 「......」 
 「でもどうしてかしら⁇普通は死ぬはずのに......結界でも張ったのかしら⁇」
 「もしかして、篤美......気付いてないの?」
 「ん?何がかしら⁇」
 「......妹......力......双子って言えばわかる?」
 「......篤子の奇跡の力なの?でももう奇跡は残ってないはずよ‼︎」
 「......じゃあ、このヘアピンつけて」
 「は?」
 「未来の私が話したいって」
 「わかったわ」
 「苗木先輩‼︎とりあえず、肩とお腹治しますね」
 「ありがとう」
 そっと、私のヘアピンを右側に付ける。
 「過去の私も考えたね」
 「本当に深雪なの?」
 「そうだよ」
 「どうして⁇どうして、篤子の奇跡の力が残っているの?」
 「......過去に行って、篤子さんから奇跡の力を貸してもらったんだ」
 「......あ!?」
 ビクッ
 「えっ?どうしたの?いきなり叫んで......」
 「ヘンテコなお面‼︎」
 「......」
 「あれって、深雪でしょ⁇」
 「し、仕方ないじゃん‼︎あれ元々、篤美が私に渡して来た物なんだよ‼︎」
 「そうだったのね」
 「......少しだけ昔話していいかなぁ?私の昔のお話」
 「いいわよ」
 「このヘアピン......正直に言って幼すぎない?」
 「......貴方がそれを言うの?」
 「うん。と言ってもこれは、小雪......妹が使っていた物なんだ」
 「......」
 「私の手元にあるのはそれだけ。あのヘアピンは初めて、小雪にあげた物だからどうしても捨てられなくて......」
 「......そうなのね」
 「あの時の事故は呪いのせいだよ」
 「深雪」
 「事故に見せかけた呪い。だから私は死んだ今でも怒っているんだよ‼︎ずっと怒ってた。死ぬ瞬間も怒ってた。お母さんに対しても怒ってた。そもそも全部に怒っていたんだよ‼︎」
 「......深雪」
 「それでも何も言わなかった。お母さんが、小雪の部屋も小物も家具も全部捨てても怒りを表に出さなかった」
 「......」
 「でもこれだけは......このヘアピンだけは私の大切な物だから捨てさせなかった」
 「何を言えばいいのかはわからないわ。でも......私は、今の深雪も深雪だって思えるわ‼︎」
 「......ありがとう。そろそろ戦いに戻って。皆んなが戦っている。だから行って‼︎」
 「......えぇ」
 「過去の私を守って」
 「わかったわ‼︎」
 「キイイイイイイイイ‼︎」
 「皆んな‼︎気を付けて‼︎さっきよりも動きが速くなってる‼︎」
 「了解‼︎」
 「了解です‼︎」
 「了解っす‼︎」
 パキッ
 「篤美⁇」
 「氷で動きを封じることは出来なくても動きを鈍らせられるわ‼︎」
 「流石だね‼︎」
 「当然よ」
 後奇跡は八回か。無理しなきゃ勝てない‼︎でも憎しみの想いで解くんじゃ無い。純粋な気持ちで解くんだ‼︎
 「グエエエエエエエエエエエエエ‼︎」
 ブシャー
 「......え?」
 「篤美!?」
 ドサッ
 見えなかった。あまりにも速すぎて、目で追えなかった。そのせいで、篤美は大怪我をした。早く回復させなきゃ......そうだ。奇跡‼︎奇跡は?なんで?こんな時に奇跡が発動しないの?どうすればいいの?篤美が居なきゃ私......どうしたらいいのかわからないよ‼︎
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