私の恐怖はこれから

上野佐栁

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私の恐怖はこれから メロディーの呪い編

皆んなの所へその3

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 「......皆んなを助けたい?悪霊が?はっ?笑わせないでくれる⁇」
 「なんとでも言えばいいよ。私は本気だから」
 「......いいよ」
 「はあ!?篤子!?貴方正気なの?」
 「うん」
 「そうなのね?それと......なんで、ヘンテコなお面をつけているのかしら?」
 「......てへ」
 「てへじゃなくて、理由を言いなさい」
 「顔バレは未来を大きく変えてしまうから。今未来を大きく変えてしまったら......霊である私は消滅してしまう」
 「......」
 「一度大きく未来を変えた事があるの。だからもうその手は使えない。本当は過去に行くのだって、無理なはずだったよ。でも、篤子さんの奇跡の力でなんとか来られたんだ」
 「顔はわからないけど......貴方は嘘を言ってない。そのぐらいは話しててわかるよ」
 「ありがとう」
 「少しでも変な真似をしたら......」
 「強制的成仏させる?」
 「そうよ」
 「私はまだ、世界の歯車さんとは会っていない。だから二回奇跡を与えられる」
 「ほんとに?」
 「うん。二回合わせて最大十回までなら貸せる」
 「ありがとう‼︎」
 「未来のお姉ちゃんを救って」
 「うん」
 「......消えたわね。それよりも私を救ってって今現時点で此処に居るわよ」
 「未来にって意味だよ」
 「そう」
 現代
 「此処から、篤美達の所へ行けばいいんですね?」
 「ああ」
 「お姉さん‼︎気をつけて‼︎なんか来る‼︎」
 「......っ‼︎」
 すごく警戒したのに目の前に鞄が落ちてきた。
 「......は?鞄⁇」
 「変な力は無いみたい」
 「あ、開けるね」
 鞄の中には何故か私の服が入っていた。
 「......」
 「何故、制服?」
 「あっ下の方に普通の服がある」
 「あー。確かに病院服は動き辛いね」
 「あっち向いているから着替えてきたら⁇」
 「うん。そうする」
 着替え終わって、もも達の所に合流した。
 「え?」
 「お姉さん⁇」
 「......ううん。なんでもない」
 「じゃあ行くぞ」
 「はい......ありがとう」
 ニコッ
 「なんか言った?」
 「なんでもないよ」
 三時間後
 「何この数‼︎」
 「霊が多すぎる」
 「このままじゃ前に進めないよ‼︎」
 シュッグサッ
 「はぁはぁ」
 「チッ‼︎」
 「......奇跡は後九回」
 「えっ!?」
 「お姉さん⁇」
 パキッ
 「あ、篤美!?待って、十......いや、九年後の皆んな!?」
 「はあ!?なんで!?」
 「説明はあと......いいえ、私達は一時間程度しか居られないのよ。だから早く行きなさい‼︎」
 「ありがとう‼︎」
 「......これでよかったのね?」
 「......うん。今の私達に出来ることは、過去の私達をサポートする事だけ‼︎」
 「じゃあ行くわよ」
 「了解‼︎」
 「此処から皆んなの所に行けるはずだよ‼︎」
 「覚悟は出来ているか?」
 「はい‼︎」
 「じゃあ行くぞ‼︎」
 「あははは‼︎」
 「人形が邪魔をして本体に近づけない‼︎」
 「雷で撃ち落としてもきりが無いっす‼︎」
 シュグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッ
 「え?」
 「矢?」
 「......ってことは‼︎」
 「遅くなってごめんね‼︎」
 「深雪‼︎」
 「それと......愚蒙さんだったっすか?」
 「ああ‼︎妹を取り返す‼︎」
 「あははは‼︎」
 ビリ
 「うっ!?」
 「苗木君?」
 「お姉さん⁇」
 何?今首元が静電気が走ったみたいに痛かった。ドクンドクンって音もうるさい。  
 「うううっ!?」
 心臓が急に痛くなってきた。こんな時に限ってこうなるの?
 「ああ......ああああ」
 「姉さん!?どうしたの?」
 「......呪?」
 「え?」
 「あははは‼︎」
 「......怖い」
 この声はきっと、登三子ちゃんだ。登三子ちゃんと私は今、シンクロしているんだ。暗くて痛くて冷たくて寂しい。
 「......もういいよ」
 「お姉さん⁇」
 「始まりの呪いは御呪いになる!」
 「お姉さん⁇何言っているの?」
 「苗木君?」
 「......ああ。なんて綺麗な結晶のカケラ」
 「あれって......七柱の呪いの結晶体のカケラ!?お姉さん‼︎今すぐに手を離して!」
 「大丈夫だよ。これは人を狂わせたりしない」
 そうだよね?叔母ちゃん
 「もう大丈夫だから。だから......だよ」
 「今なんて?」
 「あははは‼︎」
 「人形が!?」
 「お姉さん‼︎避けて!?」
 
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