私の恐怖はこれから

上野佐栁

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私の恐怖はこれから メロディーの呪い編

最初の呪いその2

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 「は?あんたも苗木家の人間⁇」
 「そうだよ」
 「呪われた一族がまだ、残っていたんだ」
 「は?どういう意味⁇」
 「あんたは三十歳も生きられないよ」
 「は?冗談だよね⁇」
 「冗談じゃない」
 「ど、どうしてこんな......」
 「......何度人を助けても結果は同じ......死を迎えるだけ」
 「やめて‼︎」
 「どうしてだと思う?」
 「わからないよ‼︎」
 「人は愚かで、自分勝手で、何も出来ないくせに‼︎プライドは高く人を平気で傷付ける。あんたも薄々気付いてたんでしょ⁇」
 「やめてってば‼︎」
 「もう目を背くのも辞めましょう⁇だって、人間は身勝手な生き物だから」
 「梓さん‼︎いい加減にしなさい‼︎」
 「そうだ‼︎言い過ぎた‼︎」
 「へぇー。そこの小娘はわかっているようだけど⁇」
 「そうだとしても......人を殺していい理由にはならない‼︎」
 「そうなの?」
 「当たり前だろ⁇」
 「そういえば、名前聞いてなかったのね?教えて⁇」
 「......苗木深雪」
 「いい名前ね」
 「逃げるよ‼︎」
 「わっ!?」
 いきなり私の手を取り苗木原学校の外へと出た。
 「逃げても無駄だよ‼︎運命は変わらない‼︎」
 「......」
 数分後
 「はぁはぁ」
 「こ、此処まで来れば、梓さんもそう簡単には追い付きません」
 「あの......」
 「まだ、名乗っていませんでしたね。私は、鈴木海石榴です。よろしくお願い申し上げます」
 「僕は、原技水類。よろしくな」
 「うん。よろしくお願いします」
 「本当に梓さんにそっくりです」
 「ほんとだな」
 「私は多分......未来の世界から来たと思います」
 「は?」
 「七柱の呪いはあの学校の半分以上の生徒が犠牲になります」
 「そんな......」
 「お前、もしかして......その呪いを解いた者か?」
 「え?はい。解きました」
 「敬語入りませんよ」
 「そう。わかった」
 「みーつけた」
 「梓さん!」
 「私ね、気分がいいの。だから地下に閉じ込めておくだけにしてあげる。あははは‼︎」
 シュッ
 「は?矢?私と同じ弓道使いさん⁇嬉しい‼︎もっともっともっともっともーと遊びましょう⁇」
 「これが遊び?」
 「ふざけるのも大概にしろよ‼︎」
 「私は負けない」
 五分後
 「す、凄い......あの梓さんと互角だなんて......」
 「ああ。梓の方が力強いが......」
 「......スピードは深雪さんの方が上」
 「くっ‼︎」
 「あははは‼︎このまま閉じ込めてあげる‼︎」
 ガチャン
 「えっ!?」
 「空から檻!?」
 「梓さん‼︎」
 「邪魔」
 グサッ
 「あ、ああ。ああ......」
 「海石榴!?」
 「このっ‼︎」
 「呪いに勝とうだなんて、何回生まれ変わっても無理だよ。うふふ」
 「あああああああああああ!?」
 「深雪さん‼︎」
 「あんたもおねんねの時間だよ」
 グサッ
 「ぐはっ!?」
 バタン
 「後は......」
 次の気がついた時には、苗木原学校の地下室だった。そして、何も出来ないまま、閉じ込められるしかなかった。
 「何もかも忘れて生きなさい」
 「......」
 「深雪先輩」
 「うっ‼︎」
 「先輩‼︎」
 「あれ?」
 ギュッ
 「良かったっす」
 「......っ!?」
 「先輩⁇」
 「きゃっ‼︎」
 ドサッ
 「先輩!?痛くないっすか?」
 「見事に頭から落ちたわね」
 「心配しなくていいの?」
 「苗木ちゃんなら平気だよ」
 「深雪先輩⁇」
 「......っ!?」
 ゴン
 「今のは痛くない!?」
 「痛そうね」
 「あ、ああ、うううう」
 「あの、深雪先輩⁇どうしたっすか?」
 「え、えーと?どちら様ですか?」
 「は?」
 「何言ってるの?」
 「変な苗木ちゃん」
 「苗木って、私のこと?」
 「まさかの記憶喪失!?」
 「そうだと思う」
 「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
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