私の恐怖はこれから

上野佐栁

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私の恐怖はこれから メロディーの呪い編

ホラーサークル活動

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 こんにちは。苗木深雪です。私達は天之川学園を卒業して、今年の春にメロディー大学に入学しました‼︎そして、今日はホラーサークルの初活動日です。 
 ガラガラ
 「失礼します」
 ドチャッ
 「ヒッ!?な、何?今の音......」
 「あ、あああ」
 「ぎゃ、ぎゃあああああああ!?」
 ガラガラ
 「遅くなりました......って何をしているのかしら⁇」
 「いやああああ!?何なのよ‼︎篤美‼︎助けて‼︎」
 「なんで逃げるの?仲良くしよう‼︎私名前は‼︎」
 「いやああ‼︎」
 「私の名前は‼︎」
 「来ないで‼︎」
 「私の名前は‼︎」
 「落ち着きなさい‼︎」
 ドン
 「痛ーいわ。うふふ」
 「幽霊!?幽霊なの!?」
 「いや、違うから落ち着きなさい」
 「う、うん」
 ニコッ
 「はじめまして‼︎愚蒙登三子です!よろしくね」
 「愚蒙!?え?あ、あの、愚蒙政宗さんの娘さん?」
 「違うわ。妻よ‼︎」
 「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
 「冗談よ。妹なのよ」
 「な、なんだ......」
 「少し驚いたわ」
 「そんな事よりも......この顔はどうかしら⁇」
 「いやああああ‼︎」
 特殊メイクで、目玉がはみ出したように見え、口からは血を吐き、あちこちに穴が開いているように見えてしまう。ホラーサークルにとんでもない人が入って来た。
 「あー。言い忘れたなぁ」
 「何をですか?」
 「僕の妹もメロディー大学に進学したんだけど、あいつ、人を脅かすのが好きで、死人のようなメイクと技術を持っているから気をつけろって言うの忘れた」
 「なんか、怖いですね。被害に遭った人達が可哀想......」
 もう遅い。
 「何なのよ‼︎」
 「氷で凍らせる⁇」
 「それは駄目だよ‼︎」
 ガラガラ
 「失礼しまーす‼︎クラスのマドンナ、愛組悠美が登場しまーす‼︎」
 「また、可愛い子が来たわ‼︎」
 「わー。特殊メイク⁇凄いね」
 「え?あっ。ありがとう......」
 「何でテンションが下がってるの⁇」
 「知らないよ‼︎」
 「俺様も登場だぜ‼︎魔方佐竹だ‼︎俺様を崇めろよ‼︎」
 「意味わからないわ。そもそもナルシストって好きじゃないのよね。とゆーかダサいよ」
 グサッ
 「ま、魔方君?げ、元気出して!これも個性だよ‼︎」
 グサッ
 「深雪......トドメを刺したわね」
 「えっ?え?えっ!?何のこと!?」
 「わかってないね。鈴木ちゃん‼︎苗木ちゃん‼︎ホラーサークル活動開始だよ‼︎」
 「おおー‼︎」
 「部長は......」
 「俺様だぜ‼︎」
 「苗木ちゃんがいいと思うよ」
 「えっ!?私!?」
 「なんでこいつ?」
 「一番強いから」
 「私は......篤美がいいと思うよ。だって、霊感総合部の部長を勤めてたし......適任だと思う‼︎」
 「苗木ちゃんがいいなら、私は別にいいけどね」
 「私もいいわよ‼︎いっぱい悲鳴を聞かせてね‼︎」
 「それはお断り‼︎」
 「いいじゃない‼︎」
 「俺様はじゃないのかよ‼︎」
 「一番弱そうな人を部長にはしないと思うわよ。それに......俺様気質もどうかと思うし、周りが見えてないのも駄目なところよね。あとは、単にうざい。きもい。臭そう。役に立たなそう。もっとあるわよ」
 グサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッ
 「や、やめてあげて‼︎」
 「もう。元部長のエイチピーゼロですよ」
 「うっゔゔ。俺様なんて駄目な子だ」
 「相当の落ち込みようね」
 ガラガラ
 「苗木深雪は居るか?」
 「あっはい‼︎」
 「お前、前の学校で元学級員だろ?だからこの書類を整理するの手伝ってくれるか?」
 「わかりました。すぐに戻るから続きやってて」
 「了解」
 「あの先生⁇こっちだと屋上ですけど......」
 「クスクス。やっと一人になったな」
 「......え?」
 「苗木深雪......元七柱七番目世界の歯車」
 「な、何でその事を......」
 そう。私は一時的でも七柱になっていた。あの時七柱にならなければ、確実に負けていた。そんな辛い記憶が蘇ってくる。
 「このカケラなんだかわかるか?」
 「わかりませ......まさか!?七柱の呪いのカケラ!?」
 「そうだよ。もう四年前になるなぁ。このカケラを持ち出したのは......」
 「何故そんなことを⁇」
 「七柱は一人で充分。だから待っていたのさ‼︎一人だけの七柱をね‼︎ようやく願いが叶う‼︎さぁ、こっちにおいで‼︎」
 そう言って、手を伸ばす先生を見て、この人はもう完全に狂っている事がわかった。もうあの日の苦しみも悲しみも悔しさも味わいたくない。そう思った。
 
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