私の恐怖はこれから

上野佐栁

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私の恐怖はこれから 呪われた者たち編

呪いの結晶体その2

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 「死ななかっただけ有難いっ思って欲しいです」
 「......て......よ」
 「文句あるんです⁇」
 「怪我をさせておいて......その言い方はなによ‼︎誰かを傷つける事しかない脳は何処かに捨てなさい‼︎」
 「うるさいです‼︎」
 「......」
 「あれ?なにも言えないです⁇」
 「......」
 「ん⁇」
 「深雪の様子が変よ⁇」
 「許さないから」
 「早っ!?えっちょっ......ぎ、ぎゃああああ!?あ、アガガガ!?あ、ああ」
 「四番消滅......」
 「嘘でしょ......」
 「七不思議‼︎お前達も賛成しろ‼︎」
 「まずいわ‼︎」
 「......」
 シュッグサッドンバンゴン
 「ぎゃあああ!?」
 「あああああ!?」
 「ギイイイイ!?」
 「な、七不思議達が消滅して行く......」
 「つ、強すぎるわ」
 「お姉さんもしかして......意識を飛ばしているの?」
 「どういうことなの?」
 「意識を飛ばせば、恐怖や恐れなどが消えて、痛みも感じないから......霊力が無くなっても気づかずに......」
 ももはその後が言えずに俯いた。
 「死を覚悟しなきゃいけない......」
 ももは軽く頷くと、私に向かって何かを叫んだ。
 「駄目だよ‼︎死んじゃ駄目‼︎死んだら許さないから‼︎お姉さんは生きなきゃ駄目なの‼︎」
 「......もも」
 「お姉さんは私に大切なことを教えてくれた人なの‼︎だから死ぬなんて嫌だよ‼︎お願い‼︎自分の限界に気付いて‼︎」
 その言葉に反応するように、私は、ももの方へと歩み寄った。
 「......お姉さん」
 ドン
 「え......⁇お、お姉さん⁇」
 「悪霊消えて⁇」
 「い、いやああ!?」
 逃げるももを追いかける私
 「深雪‼︎」
 「邪魔」
 「落ち着きなさい‼︎」
 「そうよ‼︎」
 「自分を見失ってどうするのよ!」
 「私はこの呪いを消すだけ」
 「誰かを犠牲にするのは良くないわ‼︎」
 その言葉を聞いて、少しだけ意識が戻った気がするけど、体が言うことをを効かない。
 「くっ‼︎」
 ガブッ
 「み、深雪!?」
 「なんで?手を噛んだの?」
 「いてて。これでよし!ごめんね‼︎もう大丈夫だよ‼︎」
 「良かった‼︎」
 「お姉さん‼︎あれが、呪いの結晶体⁇」
 「うん。多分そうだよ」
 そう言って、呪いの結晶体の方へと行こうとしたけど、体が重くふらつく。
 「あれ......⁇」
 「霊力限界......」
 「そ、そんな‼︎まだやれるよ‼︎い、行けるから......お、置いて行かないで‼︎お願い‼︎」
 「お姉さん。もう限界なんだよ。あの時、七不思議を消滅させて、七柱四番も倒したんだよ。もう無理だよ」
 「駄目だよ。此処で倒れるわけにはいかない。だって、呪いを解くって約束したんだもん」
 「あとは、私達に任せなさい」
 「......ひとつ言い忘れてたんだけど......氷のお姉さん。もしかしたら、苗木深雪以外の霊力で呪いの結晶体を壊したら霊力が無くなるかもしない。お姉さんも可能性はあるけど、多分低い」
 「霊力がなくなる⁇」
 「嘘......」
 「もし上手くいかなかったら......」
 「私一人で相手するの?」
 「そうなるね」
 その言葉を聞いて、愕然とした。もし失敗すれば、当然、残りの七柱が襲って来る。それなのに、私一人だけだと、応戦どころか、動く事も出来ずに死んでしまう。そうわかっているから、篤美達も黙ったまま、静かにその時を待った。
 
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