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私の恐怖はこれから
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「貴方の名前は......鬼野崎桃。ずっと産まれた時から、鬼野崎桃よ‼︎」
「うん」
「そして、今の気持ちは......消えたくない。でも、この世界が好き。ううん。嫌い。色んな想いが混ざり合っている」
「......本当に凄いなお姉さんは、私の気持ちもあっさりとわかるなんて、超能力者だよ」
「もも。私は、貴方に感謝している。貴方が居なかったらきっと、篤美と仲良くなれかった。霊感総合部に入る事もしなかった。私の狭待った世界を広くしてくれたのは、もものせいだけど、もものおかげ。ありがとうもも‼︎」
「うっうっ。グスッ。ごめんなさい‼︎ごめんなさいぃぃ‼︎皆んなを傷つけて、いっぱい痛くして、殺してごめんなさい‼︎うわーん‼︎うわあああん‼︎シクシク」
泣き喚く、ももを私はそっと抱きしめた。
「もも。私は、もものこと忘れないよ‼︎」
「お姉さん‼︎うわーん‼︎」
「ももの気持ち、私が受け取ったよ」
「お姉さんありがとう‼︎うわーん。シクシク。グスッ」
ボソ
「この呪いは私が、持っていくからね‼︎」
「うん」
眩い光と共に、ももの姿は消えた。瞬きした時にはもう、ももの姿はなかった。成仏したのかはわからない。でも、私は、ももの事を忘れない。だって、ももは私の友達だから‼︎
「深雪⁇やったのかしら⁇」
「うん。ももは、もうこの世界には居ないよ。だって、気配が感じないもん」
「そうね」
「ごめんね。約束守れそうに無いよ」
「深雪⁇何を言って......」
激しい地鳴りで、大きく歪んだ空間。これが呪いの実態だ。禍々しくて、憎しみしかない世界。私は今から、その世界に行く。ももの呪いを受け継いだのだから。
「深雪‼︎待ちなさい‼︎そっちに行っては駄目よ‼︎」
「完全には呪いは解けない。だから、ももの呪いを私が、受け継く事にしたのよ。ごめんね」
「認めないわ‼︎そんな現実私は、認めない‼︎勝手に決めないで‼︎」
「ごめん」
「深雪‼︎この結界を解きなさい‼︎」
「駄目だよ」
「深雪先輩‼︎行かないで欲しいっす‼︎俺はまだ、先輩に伝えてない事があるっす‼︎」
「なに?」
「深雪先輩‼︎」
「えっ!?結界をすり抜けた!?」
「彼の強い想いで、結界を破った⁇でも、私達は通れないわ。きっと、彼だけが出来るのね」
ギュッ
「深雪先輩‼︎俺は、初めて会った時からずっと、深雪先輩に魅かれていたっす‼︎優しいけど、何処か厳しい所も、霊を救いたいっていう気持ちも全部、深雪先輩のいい所っす‼︎そんな先輩だから、俺は好きなったんす‼︎この世で一番愛しているっす‼︎」
「光君ありがとう。でも、ごめんなさい。私は呪いをもう、受け継いだのよ。だから、光君と付き合うのは無理だよ‼︎」
「先輩‼︎行かないでっす‼︎」
「......光君」
チュッ
「えっ?」
「なっ‼︎」
「ん!?」
「ええええええええええええ!?」
「苗木先輩大胆‼︎」
「見てるこっちが恥ずかしいよ‼︎」
「ここここ、こういうのは成人してからもん‼︎」
「やるじゃん‼︎」
「......あ」
「私も光君が大好き‼︎」
私は最後に今出来る精一杯の笑顔で、光君に笑顔を向けた。怪我をしているから血塗れで、不気味で、気持ち悪いかもしれないけど、最後に貴方には笑っていて欲しいから。私の笑顔が彼の希望になって欲しいから。どうか、絶望はしないで。私が居なくなっても、自分を責めないで。私は、貴方が幸せならなんでもいい。貴方が生きてくれるならなんでもするよ。たとえ、目の前に居なくても。私は、川咲光君の事がこの世の誰よりも大好きでした。
「川咲君!?しっかりしなさい‼︎」
「光君なら、大丈夫だよ。ただ、気を失っているだけだから‼︎」
「深雪‼︎貴方なんて事をしたのよ‼︎」
「ごめん。さようなら」
「深雪‼︎」
私は恐怖と憎しみの世界へと足を踏み入れた。
私の恐怖はこれから
終わり
「うん」
「そして、今の気持ちは......消えたくない。でも、この世界が好き。ううん。嫌い。色んな想いが混ざり合っている」
「......本当に凄いなお姉さんは、私の気持ちもあっさりとわかるなんて、超能力者だよ」
「もも。私は、貴方に感謝している。貴方が居なかったらきっと、篤美と仲良くなれかった。霊感総合部に入る事もしなかった。私の狭待った世界を広くしてくれたのは、もものせいだけど、もものおかげ。ありがとうもも‼︎」
「うっうっ。グスッ。ごめんなさい‼︎ごめんなさいぃぃ‼︎皆んなを傷つけて、いっぱい痛くして、殺してごめんなさい‼︎うわーん‼︎うわあああん‼︎シクシク」
泣き喚く、ももを私はそっと抱きしめた。
「もも。私は、もものこと忘れないよ‼︎」
「お姉さん‼︎うわーん‼︎」
「ももの気持ち、私が受け取ったよ」
「お姉さんありがとう‼︎うわーん。シクシク。グスッ」
ボソ
「この呪いは私が、持っていくからね‼︎」
「うん」
眩い光と共に、ももの姿は消えた。瞬きした時にはもう、ももの姿はなかった。成仏したのかはわからない。でも、私は、ももの事を忘れない。だって、ももは私の友達だから‼︎
「深雪⁇やったのかしら⁇」
「うん。ももは、もうこの世界には居ないよ。だって、気配が感じないもん」
「そうね」
「ごめんね。約束守れそうに無いよ」
「深雪⁇何を言って......」
激しい地鳴りで、大きく歪んだ空間。これが呪いの実態だ。禍々しくて、憎しみしかない世界。私は今から、その世界に行く。ももの呪いを受け継いだのだから。
「深雪‼︎待ちなさい‼︎そっちに行っては駄目よ‼︎」
「完全には呪いは解けない。だから、ももの呪いを私が、受け継く事にしたのよ。ごめんね」
「認めないわ‼︎そんな現実私は、認めない‼︎勝手に決めないで‼︎」
「ごめん」
「深雪‼︎この結界を解きなさい‼︎」
「駄目だよ」
「深雪先輩‼︎行かないで欲しいっす‼︎俺はまだ、先輩に伝えてない事があるっす‼︎」
「なに?」
「深雪先輩‼︎」
「えっ!?結界をすり抜けた!?」
「彼の強い想いで、結界を破った⁇でも、私達は通れないわ。きっと、彼だけが出来るのね」
ギュッ
「深雪先輩‼︎俺は、初めて会った時からずっと、深雪先輩に魅かれていたっす‼︎優しいけど、何処か厳しい所も、霊を救いたいっていう気持ちも全部、深雪先輩のいい所っす‼︎そんな先輩だから、俺は好きなったんす‼︎この世で一番愛しているっす‼︎」
「光君ありがとう。でも、ごめんなさい。私は呪いをもう、受け継いだのよ。だから、光君と付き合うのは無理だよ‼︎」
「先輩‼︎行かないでっす‼︎」
「......光君」
チュッ
「えっ?」
「なっ‼︎」
「ん!?」
「ええええええええええええ!?」
「苗木先輩大胆‼︎」
「見てるこっちが恥ずかしいよ‼︎」
「ここここ、こういうのは成人してからもん‼︎」
「やるじゃん‼︎」
「......あ」
「私も光君が大好き‼︎」
私は最後に今出来る精一杯の笑顔で、光君に笑顔を向けた。怪我をしているから血塗れで、不気味で、気持ち悪いかもしれないけど、最後に貴方には笑っていて欲しいから。私の笑顔が彼の希望になって欲しいから。どうか、絶望はしないで。私が居なくなっても、自分を責めないで。私は、貴方が幸せならなんでもいい。貴方が生きてくれるならなんでもするよ。たとえ、目の前に居なくても。私は、川咲光君の事がこの世の誰よりも大好きでした。
「川咲君!?しっかりしなさい‼︎」
「光君なら、大丈夫だよ。ただ、気を失っているだけだから‼︎」
「深雪‼︎貴方なんて事をしたのよ‼︎」
「ごめん。さようなら」
「深雪‼︎」
私は恐怖と憎しみの世界へと足を踏み入れた。
私の恐怖はこれから
終わり
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