私の恐怖はこれから

上野佐栁

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最終決着その4

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 「お兄さんに何が出来るの⁇力があっても、考える事が苦手な、お兄さんは、私に勝てない‼︎あははは‼︎」
 「たとえ、そうだとしても、俺は先輩を守るって決めたんだ‼︎」
 「へえー。いつもはっすって言ってるのに、私には言ってくれないんだ。クスクス」
 「俺は尊敬する人に対して言う言葉だ‼︎お前には言わない‼︎」
 「キャアハハ‼︎面白い‼︎あははは‼︎」
 その頃、深雪は 
 「はぁはぁ。な、長過ぎる。頑張らなきゃ‼︎皆んなも頑張ってるんだから。私が頑張らないと、皆んなの努力が水の泡になっちゃう‼︎」
 ぐらっ
 「えっ⁇階段が崩れて......き、きゃああああああ‼︎」
 「深雪!?今の声は、深雪の声⁇何処から⁇普通に降りてたら間に合わないわ。」
 そう言って、篤美は飛び降りた。氷を使って、衝撃を和らげながら進んでいった。
 「深雪先輩‼︎先輩に何をしたんだ‼︎」
 「何もしてないよ。多分、階段の床が腐っていて、何処か崩れ落ちたんでしょ⁇あははは‼︎あのお姉さん死んじゃったね。キャアハハ‼︎」
 「不謹慎な事を言うな‼︎先輩は生きている!俺はそう信じる‼︎」
 「全く、深雪がそう簡単に死ぬわけないでしょ⁇貴方は馬鹿なのかしら⁇」
 「鈴木先輩‼︎無事だったんっすね‼︎」
 「えぇ」
 「面倒くさい。ねぇ、苗木深雪を私にちょうだい‼︎」
 「あげるわけないでしょ‼︎」
 「そうだそうだ‼︎」
 「川咲君、飛び降りなさい‼︎」
 「はいっす‼︎」
 「何の躊躇もないのね。面白い‼︎あははは‼︎」
 ボロッ
 「うぅ。此処は?私、階段から落ちて、生きてる⁇」
 「あと一回」
 「はっ‼︎奇跡はあと一回!?」
 「待って待って‼︎あははは‼︎」
 「このまま一番下まで降りるわよ‼︎」
 「了解っす‼︎」
 パキッ
 「鈴木先輩流石っす‼︎あの霊を一瞬で凍らせるなんて、強いっす‼︎」
 「いいえ、まだよ。あんなことで、あの霊は成仏なんてしないわ‼︎」
 「はいっす」
 「あははは‼︎ちょっと驚いちゃった。でももう凍らせない‼︎あははは‼︎クスクス。」
 「此処が最下階⁇」
 「えぇ。そうなるわ」
 「鈴木先輩‼︎あそこっす‼︎深雪先輩が居るっす‼︎」
 「これは......耳飾り⁇」
 私は耳飾りを手に取った瞬間、ももの記憶が流れ込んで来た。ももの気持ちや、他の人達の憎しみも感じる。
 「はっ!?あ、あぁ。な、なにこれ⁇知らない記憶が私の中に入ってくる⁇やめて‼︎」
 「深雪どうしたの!?」
 「深雪先輩‼︎」
 「ごめんなさい。ごめんなさい‼︎」
 「役立たず‼︎」
 「醜い子‼︎」
 ドンッゴンッ
 「痛い‼︎ごめんなさい‼︎ごめんなさい‼︎許してください‼︎」
 「うるさい‼︎この役立たず‼︎」
 「お前は死んで当然の奴なんだよ‼︎」
 「お前が人間なんて思うなよ⁇」
 「こんな醜い子が、私らの娘とか恥さらしよ‼︎」
 「ごめんなさい」
 「仕方ないから、お前の為に奴隷を連れて来てやったぞ‼︎感謝しろ‼︎」
 「はい。ありがとうございます」
 「いてて。ねぇ?名前なんて言うの?」
 「鬼野崎桃よろしく」
 「うん‼︎私は、山本立美だよ‼︎よろしくね‼︎」  
 「......」
 「桃‼︎だるまさんがころんだしよう‼︎」
 「いいよ」
 数日後
 「どうして優しくしてくれるの⁇」
 「えっ⁇決まってるじゃん‼︎友達だからだよ‼︎ううん。親友だからだよ‼︎」
 「ありがとう‼︎立美‼︎」
 「あの娘を殺せ‼︎」
 「お前が幸せになれるなんて思うなよ⁇」
 「で、でも、私、立美が大好きだから嫌ー‼︎」
 「黙れ役立たず‼︎」
 ドンッ
 「うっ‼︎」
 「言うこと聞くまでご飯はあげないからな。」
 「大丈夫⁇」
 「わあああああ‼︎」
 「桃⁇どうしたの⁇桃大丈夫⁇」
 「......もう限界」
 「えっ⁇」
 「痛いのも苦しいのも空腹も嫌‼︎死ねぇ‼︎」
 グサッ
 「があはっ‼︎あ、ああ。ゲホッ。なん......で⁇」
 「あ、あぁ。あははは。あははは‼︎死んだ‼︎死んだ‼︎ざまあみろ‼︎あははは‼︎キャアハハ‼︎うっ。ううっ。うわああん‼︎あははは‼︎グスッ」
 「こいつも殺せ‼︎」
 「あははは‼︎」
 「やめ......ぎゃあああ‼︎アガガガ‼︎ギイイイ‼︎ぶぎぇ‼︎た、助け......て」
 「死にたく無いよ‼︎」
 「ママ‼︎うわあああん‼︎怖いよ‼︎グスッ」
 「あははは‼︎死ね死ね死ね死ね死ね‼︎あははは‼︎キャアハハ‼︎クスクス」
 「この子はもう廃棄ね」
 「そうだな」
 「警察が来るわよ‼︎」
 「わかってる」
 ドンッゴンッ。
 「あがっ‼︎お、父さん⁇」
 「死ね‼︎」
 「あガハッ‼︎あ、あぁ。うぐぅ‼︎」
 「早く逃げるわよ‼︎」
 「ああー‼︎」
 「深雪しっかりしなさい‼︎」
 「なんて......」
 「深雪先輩⁇」
 「なんて残酷で、繊細で、孤独な記憶なの⁇」
 バタン
 「深雪!?」
 「深雪先輩!?」
 私は、ショックのあまり気を失ってしまった。
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