私の恐怖はこれから

上野佐栁

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被害

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バーン
 「ちょっと、苗木ちゃん‼︎鈴木ちゃん‼︎一体どうなってるの?」
 「はい?」
 「まずは説明しなさい」
 「もう!冷たいんだから‼︎最近中学生ぐらいの女の霊が人を襲いまくってるんだけど‼︎」
 「え?嘘でしょ⁇」
 「確かにあの時に撃退したはずよ」
 「成仏出来なかったんだ。私の責任だ」
 「深雪のせいじゃないわ‼︎」
 「ちょっと待って。その様子だと、鈴木ちゃん達のせいなの!?」
 「そうなるね。ごめんなさい。私がなんとするよ」
 「駄目よ‼︎」
 「どうして‼︎」
 「今、貴方が行っても何も解決はしないわ。それどころか、あの霊の恨みを強くするかもしれないわ。それに、作戦もないのにどうやって勝つ気なの?」
 「うっ。それは......」
 「軽率な行動は慎みなさい。これは忠告よ」
 ピクッ
 「今の言葉、もう一回言って‼︎」
 「えっ?軽率な行動は慎みなさい。これは忠告よ。って言ったのよ」
 「篤美は忠告なんて言わない。警告って言う」
 「はっ‼︎確かにそうね‼︎じゃあ、此処にいる、鈴木ちゃんは誰なの?」
 「ぷっ。ぷあははは‼︎凄いなあ‼︎本当にお姉さんって凄いな‼︎一度ならず二度までも見抜くなんて、本当に凄いなぁ‼︎あははは‼︎」
 「愛組さん逃げて‼︎」
 「今度は逃がさないよ」
 ドロッ
 「と、溶けてる」
 「愛組さんこっち‼︎」
 「わっ‼︎」
 その頃霊感総合部は
 「呼び出していない?」
 「あぁ。お前達に用なんてない」
 「どういうことかしら⁇」  
 「先輩待ってください‼︎苗木先輩が居ません‼︎」
 「狙いは、深雪......急いで部室に戻るわよ‼︎」
 「了解‼︎」
 「先生失礼します!」
 「あ、あぁ。なんだあいつら......」
 ガラガラ
 「深雪無事‼︎」
 グチャ
 「何これ⁇」
 「部室がめちゃくちゃっす」
 「これって血痕!?」
 「今すぐこの辺を捜索アンド空間に偵察しに行くわよ‼︎」
 「了解‼︎」
 「はぁはぁ。苗木ちゃん速いよ‼︎」
 「捕まったらやばい相手なのよ‼︎」
 「怪我大丈夫⁇ごめんね。私のせいで......」
 五分前
 「愛組さんこっち‼︎」
 「わっ‼︎」
 「この部屋から出さない‼︎」
 グサッ
 「うっ‼︎」
 「苗木ちゃん‼︎」
 「えいっ‼︎」
 ドンバン
私は机を押し倒して、棚を霊に押し潰すように足蹴りした。そして、愛組さんの手を握って部室の外へとドアを開けた。
 「わっ‼︎いてて」
 ガラガラ
 「あっ逃げた。クスクス。待て待て‼︎キャアハハ‼︎」
 今に至る
 「この怪我は仕方ないことだよ‼︎私も反応出来なかったから誰も悪くない‼︎」
 「苗木ちゃんありがとう。霊力才能部に逃げよう‼︎」
 「えっ?迷惑じゃないの?」
 「あそこなら結界を張ってあるから‼︎」
 「わかった‼︎」
 一旦階段を降りして時間稼ぎをしていたのだが、三階に上るため、廊下を曲がった時に理事長とぶつかった。
 「きゃあっ‼︎」
 「いてて。なんだね?君達は?」
 「す、すみません」
 「あははは‼︎」
 「しまった!追いつかれる‼︎」
 「何に?」
 「叔父さん邪魔‼︎」
 グサッグチャバキバキ
 「あ、ああ」
 「ガハッ‼︎ぶぎゃああああ‼︎わあああ‼︎やめっ。やめてくれぇ‼︎ぎゃあああ‼︎痛い‼︎痛いよぉー‼︎アガガガ‼︎ギイイイ‼︎」
 「苗木ちゃん逃げるよ‼︎」
 「で、でも......」
 「残念だけど、理事長は助からないよ。この傷じゃ、桃凛ちゃんでも無理だよ‼︎」
 「そんなぁ......私のせいだ。私がぶつかったから‼︎」
 「苗木ちゃんのせいじゃないよ‼︎悪いのはあの霊だよ‼︎」
 理事長の死体は酷い有様だった。腹は裂け、内臓や心臓、骨や胃が飛び出している。頭は潰れて眼球が廊下に転がっている。
 「次はお姉さん」  
 血塗れで、にこりっと笑う顔は、幼い子供にも見た。でもそこに居るのは幽霊で殺人鬼なのだから、捕まった時点で私達はお終いだ。
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