私の恐怖はこれから

事故チュー

　「苗木さん、好きです付き合ってください‼︎」
　「......いいですよ。買い物に付き合えばいいんですよね?」
　「えっ?」
　「買い物好きない人が最近いっぱいですね」
　「え、えーと。うわーん‼︎」
　「ん?どうしたんだろう?」
　「容赦ない」
　たまたま、いや、覗き見をしていた、霊感総合部の(鈴木を除く)皆んなである。
　「あれ?皆んなどうしたの？」
　「先輩‼︎どうして、告白を買い物のお付き合いって間違えるんです⁇」
　「えっ?告白だったの?」
　「......」
　「あの、桃凛が黙った」
　「うるさい‼︎天堂君ー。此処で人生終わらせてあげようか?」
　「おっ。勝負か、面白い‼︎うちは負けへんで‼︎」
　「馬鹿なことをしてないで部室に来なさい」
　「はーい」
　「チッ。何よ何よ。私の方が可愛いのに......なんであの子ばかりちやほやされるのよ」
　次の日の放課後、新聞部の部長の西田さんが話しかけて来た。ちなみに、新聞部には、西田さんの弟さんも居る。
　「ねぇ?苗木さん、最近調子に乗ってるよね?」
　「えっと、西田さん⁇」
　「そうだよ。お前うざいんだよ。陰キャのくせに‼︎」
　「えっと、なんの話?」
　「その天然アピールもうざいんだよ！」
　「深雪先輩、そろそろ部活の時間っすよ」
　「えっ?あっはーい。それでは新部分の部長の西田さん。さらような」
　「待てよこら‼︎」
　「先輩、平気っすか?」
　「ん?なんの話?」
　「あ、あははは。なんでもないっす」
　ガラガラ
　「遅くなりました」
　「まだ時間ではないわ。そんなことよりも後ろに居る方は誰かしら⁇」
　「えっ?」
　「苗木さーん‼︎」
　「き、きゃあああ！？」
　「な、何よ。悲鳴をあげなくてもいいじゃない‼︎」
　「ごごご、ごめんなさい。び、びっくりして。メイクしたの?あれ?今日ってハロウィン⁇」
　「違うわよ。今は夏よ」
　「だ、だよね」
　「あーやべぇ」
　「ねぇねー。そこの後輩君。こんな女よりも私にしない?」
　「お断りっす‼︎」
　「ぷっ。振られてる‼︎うけるー‼︎あははは‼︎」
　「何よこのブス‼︎」
　「はあああ！？お前よりかはマシなんすけど‼︎」
　「はあ！？私がブスですって‼︎」
　「だって、明らかにぶくぶく太ってるし、顔は目が大きいだけであとは最悪なんですけど‼︎」
　「このクソガキがああああ‼︎」
　「二人とも、喧嘩はダメだよ！」
　「うるせぇんだよ！」
　バンッ
　「きゃあっ！？」
　「深雪先輩、危ない‼︎」
　ドンッ
　「ん?ん！？」
　「えっ......嘘」
　「えええええええええええ！？」
　「川咲君、やるじゃん‼︎」
　「すすすす、すみ、すみませんっす！？」
　「う、うん。私が倒れたのが悪かったから気にしないで......」
　「これは、事故チューってやつね」
　「なんで冷静に分析してるっすか！？」
　「そんなことよりも退いてあげたら?」
　「えっ？」
　「か、顔近い......です‼︎」
　カァーポンッ
　「......」
　顔がどんどん赤くなる。川咲君が退いた次の瞬間、体が勝手に部室の外へ走り出していた。
　「苗木さん！？」
　「先輩、待ってっす‼︎」
　「川咲君‼︎今行っても逆効果よ。此処で待ってて。私はこのクソ豚ブスに制裁しないよね」
　「えっ?ちょっとな、何よ！ぎ、ぎゃあああああああ！？」
　「はぁはぁ‼︎恥ずかしい‼︎」
　グチャ
　「えっ⁇何か踏んだ?」
　「こっちに来てよ。遊ぼう」
　「い、いやああああ！？」
　「苗木さん！？」
　「す、鈴木さん‼︎た、助けて‼︎いやああ！？」
　また、別の世界に連れて行かれた。