私の恐怖はこれから

上野佐栁

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リアルゲームその1

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 ある日の放課後
 「ねぇ。川咲君って、苗木先輩のこと好きなの⁇」
 「えっ?桃凛先輩、なななな、何言ってるっすか?」
 「動揺しすぎだよ。へぇー。最近では、深雪先輩って言ってるもんね」
 「そんなことはないなくもないっす‼︎」
 「まだまだガキンチョのくせに生意気だぞ‼︎」
 ガラガラ
 「遅くなってすみま......せん」
 「あっ」
 「失礼しました‼︎」
 「先輩!?誤解っす‼︎誤解なんっすよ‼︎」
 私は鏡がある階段の踊り場で止まった。
 「今の何?えっ?あの二人そういう関係なの?でもなんだろう。胸がチクチクする」
 「深雪先輩‼︎」
 「わあああああ!?」
 「深雪先輩!?」
 「びびびび、びっくりした‼︎」
 「すみませんっす。それとさっきのは誤解っすよ‼︎」
 「え?誤解?」
 「そうっすよ。桃凛先輩とは何もないっす‼︎」
 「な、なーんだ。」
 あれ?なんで私、ほっとしているんだろう⁇もしかして、川咲君のことが......。
 ヌル
 「ん?ヌル⁇ってい、いやああ!?な、何よこれ‼︎助けて川咲君‼︎」
 「深雪先輩!?手を伸ばすっす‼︎」
 「うん」
 「なんて力だ。わー!?」
 「きゃあああ!?」
 気がつくと、
 「何これゲーム⁇」
 「深雪先輩、怪我ないっすか?」
 「ないけど、やっぱり此処って違う世界だね。どう見てもそうしか思えない」
 「右に同じっす」
 「とにかく進もう」
 「はいっす」
 私達は変な空間に連れて来られてしまった。少し進んでわかったことは罠が沢山ある。
 「これじゃまるで、リアルゲームだね」
 「そうっすね」
 「これ、負けたら死ぬやつじゃない⁇」
 「そんなのあるわけがないっすよ」
 ポチッ
 「なに踏んだの?」
 「わからないっす」
 ゴロゴロ、ガタン
 「嫌な予感しかしない」
 「そうっすね。ってわあああ!?巨大な岩が転がって来るっす!?」
 「川咲君、逃げるよ‼︎」
 「はいっす‼︎」
 「追いつかれる‼︎」
 「深雪先輩、諦めないで欲しいっす」
 「諦めるわけないよ。諦めたら、これ死ぬやつだよ‼︎」
 「きゃあっ‼︎」
 「深雪先輩!?」
 「危ないなかった......」
 「あの岩もどこか行ったっすよ」
 「よかった。少し休憩しよう」
 その頃
 「桃凛さん、さっきから落ち着きがないわよ」
 「そ、それが川咲君達が戻って来ないです‼︎」
 「えっ?」
 「す、鈴木先輩、こ、こんな物が落ちていました‼︎」
 「これって、苗木さんの矢?おかしいわね。苗木さんが矢を落とすわけないわ」
 「何かあったんですかね?」
 「わからないわ。どこで落ちていたの?」
 「か、鏡がある階段のお、踊り場です」
 「まずいことになっているかもしれないわ」
 「とにかく、行きましょう」
 「えぇ」
 「うーん。と、特に変わった所はないですね」
 「微かに霊力を感じるわ」
 「えっ!?じゃあ、違う世界の空間に行ったってことですか⁇」
 「そうね。私達も行くわよ」
 一方その頃
 「川咲君の馬鹿‼︎なんで毎回毎回、罠に引っかかるの?」
 「すみませんっす‼︎」
 ガタン
 「川咲君、危ない!?」
 「えっ?」
 ドーン
 「いてて。深雪先輩?」
 グサッ
 「あ、あああ」
 「深雪先輩!?」
 私の体に杭が全身に刺さっている。痛い。もうよくわからない。今度こそ死ぬんだなって思う。
 「深雪先輩、今、杭を抜くっす‼︎もう少しだけ、我慢して欲しいっす‼︎」
 グチャって音共に私の体から血が出る。
 「あ......」
 「先輩、目を開けるっす‼︎先輩‼︎うわあああああああ‼︎」
 「......っ。今、川咲君の声が聞こえたわ。行くわよ」
 「はい!」
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