私の恐怖はこれから

上野佐栁

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廊下の恐怖その2

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 「早速だけど、苗木さんには囮になってもらうわ」
 「はっ?今なんて?」
 「囮になってもらうって言ったのよ。一回で聞き取りなさい」
 「す、鈴木先輩!?正気っすか!?普通の人間に出来るわけないっす‼︎」
 「苗木さんは普通の人間ではないわ」
 「え?」
 「だって、ここに来られたということは、少なからず霊力があるってことよ」
 「鈴木さん。それ要らない能力だよ」
 「まぁ。霊力なんてない方がいいわね。でも、貴方が霊力があることは、ここに来た時点で証明されているから、囮になりなさい。いいわね?」
 鈴木さんの圧に負けて、
 「は、はい......」
 「ああああ」
 「居たわ。さあ行きなさい」
 「うん......わかったよ」
 「先輩。本当にいいすっか。結構危険だと思うっすよ?」
 「大丈夫よ。いざとなったら、川咲君が助ければいいもの」
 「俺なんっすね」
 「えぇ」
 「あああああ‼︎」
 「ぎゃあああ‼︎」
 シュンッ
 「あの人、意外と足速いっすね」
 「えぇ。彼女は中学まで、陸上部に居たみたいだし、今は弓道をしているみたいね。」
 「それが、わかっているから囮をやらせたっすね」
 「そうね。そろそろ行くわよ」
 「はいっす‼︎」
 「いやあああ‼︎」
 「ああああ‼︎か、え、し、て!」
 「持ってないよ!」
 「ああああ‼︎許......さ......ない!」
 「私何もしてないよ‼︎だから、許して‼︎いやあああ‼︎」
 「で、体って何処にあるっす⁇」
 「知らないわ」
 「知らないっす!?」
 「えぇ。だから、苗木さんには、囮になってもらったんじゃない」
 「相変わらずっすね」
 「うるさい。早く探しなさい」
 「はいっす」
 タッタッタッタッタ
 「足音。こっちに向かって来てる」
 「そろそろ、助けなくていいっすか⁇」
 「助ける必要なんてないわ。今はね」
 「了解っす‼︎」
 「はぁーはぁー。い、いつまで、囮になっていればいいの‼︎」
 グチャ
 「え?何か踏んだような......ってうわあああああ‼︎」
 ドッドッドッドッドバタン
 「痛ーい‼︎なんなのよ‼︎」
 私は階段から落ちて、近くあった、落ちる原因を見た。
 「か、顔。しかも、半分。い、いやああ‼︎」
 私をそれを思いっきり、後ろに投げ飛ばした‼︎
 「ああああ‼︎グェ‼︎」
 「え?嘘やだ!あいつに当たるなんて運無さすぎるよ‼︎」
 「私の、体......」
 「へ?」
 「何事‼︎あれはあの霊の体‼︎どうして、苗木さんが持っているの⁇」
 「階段で転んでつい投げてしまって、そしたらこうなったのよ!」
 「それ、どんな運よ‼︎」
 「でも凄いっす‼︎苗木先輩‼︎尊敬するっす‼︎」
 「そんなことよりも残りを探すわよ‼︎」
 「はいっす‼︎」
 「う、うん」
 二時間後
 「ぜぇぜえ。なんで、あの霊、追いかけ来るの⁇」
 「貴方が体の一部を見つけたから、まだ持ってるって思ったんでしょうね」
 「もう持ってないよ!」
 「そうよね」
 「次はこの部屋⁇」
 「そうよ」
 「わかった。今開け......きゃあっ‼︎」
 ドン
 「いてて。今度は何⁇」
 「これは腕ね。しかも両方」
 「いやあああ‼︎なんでいつも私の目の前にあるのよ‼︎」
 「貴方、恨まれることしたの⁇」
 「してないよ!」
 「そう」
 「あの霊来るっす‼︎」
 「わかったわ」
 両腕を霊に向かって、しかもお腹に投げた。
 「ああああ。あり......がとう」
 「これで、帰れるわ。ご苦労様。これからもよろしくね」
 「うん。ってあれ?今回だけじゃないの⁇」
 「何を言ってるの⁇苗木さんは私達、霊感総合部に、入ってもらうわ。これは絶対よ。嫌なら、危険な霊に連れて行って従わせるわ」
 「やる。入ります!」
 半ば脅しのように霊感総合部に入部することになった。
 「はぁ。これからどうなっちゃうのよ‼︎」
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