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新たな人生

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 私の名前はエール.ナイト。いや元エール.ナイトだった。私は死んだ。ちょうど私の誕生日の日に殺された。歳は十四歳だった。この国では十四歳で既に成人なのだ。死んだ理由は皇太子のアール.ヌクーダに殺されたからだ。私はこの国に尽くして来た。彼の言う通りに何でもやった。だけど、その努力は報われることなく死んだ。
 死ぬ少し前
 「アール殿下‼︎」
 「エール。君も今日は休日か?」
 「はい!」
 「エールの笑顔はとっても元気が出るよ」
 「と、とても光栄な言葉をいただきました」
 「かしこまらないでよ。俺と君の中だろ?」
 「は、はい」
 実は彼とはかれこれもう七年の付き合いだ。出会ったのは四歳の頃だ。
 「また俺のために戦ってくれるよな?」
 「......はい」
 私は争うごとが嫌いだ。でもアールは皇帝になるために戦っている。だから私も一緒に戦わないといけない。そう思っていた。
 「誕生日の日にとっておきなサプライズがあるから期待しててね」
 「は、はい‼︎」
 これが彼との最後の平和な日々だった。
 次の日
 グサッ
 「......え」
 「もう君はいらないから」
 「そ、そん......な」
 私は貴方のために色んな人を犠牲にして来たのに......なのに何で?
 「あ、あはは」
 「もう君と会うことはない」
 ドサッ
 最後に見た彼の姿は歪んだ笑顔だけだった。
 「はっ⁉︎」
 私死んでない⁇
 「あら?ユリス。もう起き上がっていいの?」
 「え?ユリス?」
 誰?私の名前はエール.ナイトのはずなのにこの人は何故、ユリスと呼ぶの?
 「昨日は魔法を使いすぎて倒れるからびっくりしちゃった」
 「は?」
 「お母さんをあんまり困らせないでね」
 「う、うん」
 お母さん⁇待って!どうゆー状況なのこれ⁉︎もしかして、私......転生しちゃった⁉︎ええええええ⁉︎
 「明日はアール皇太子殿下に会う日なのだからゆっくりと休みなさい」
 「......え」
 嘘でしょ?死んでもあの人からは逃れなれないの?
 「じゃあお母さんは少し出かけるからおとなしくしているのよ」
 「は、はぁい」
 バタン
 「......」
 逃げよう‼︎確かこの体も魔法が使えるのよね?どのぐらい強いのかしら⁇とりあえず火でいいか
 ゴゴオオオ
 「うわあああ⁉︎」
 前世と全く同じ力が⁉︎力が落ちてない⁉︎むしろ強くなってる‼︎
 「これならすぐに逃げられるはずよね?」
 私は慌てて身の回りをまとめた。まとめている途中に鏡があったので覗き込むと
 「まだ七歳ぐらい?」
 髪は黄緑色。目は瞳は青で瞳孔は紫だ。
 「間違えない」
 この子はこの国で唯一の全属性持ちのユリス.アーティだ。何でよりによってこの子の体に転生しちゃうのよ?
 私の新たな人生は最悪の形で幕を上げた。
 
 
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