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第13話 鳴海先生と準備運動
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「ほらほら~もっと伸ばして」
「ちょっ、鳴海せんせ――」
俺は今座った状態で、鳴海先生に体を押されながら前屈をしている。
肩を包み込む手の平が、背中にのしかかってくる凶悪な胸が、両側から腰を挟み込んでくる豊満な太ももが……すべてが柔らかすぎる。
しかも今の鳴海先生は髪をポニーテールにしており、半袖短パンの体操服であるため非常に露出が激しい。
そんな鳴海先生と俺がペアを組んでいるのを見て、さっきまであぶれている俺をバカにしてた連中は悔しそうにしている。
「てか純二くん、華奢なのにかなり筋肉あるよね」
鳴海先生は体操服の中に手を滑り込ませてきて、腹筋を急に触る。
ひゃっ、変なとこ触らないで……。声出ちゃいそうになるから。
「入学試験の中には体育実技もあった。この体つきで成績が歴代最低って絶対嘘でしょ」
「いやいや、これは帰り道に不良から襲われたときに返り討ちしてざまぁするためにちょっと鍛えてただけです」
「そんなWeb小説みたいなこと現実である?」
通じると思ってなかったネタに返してくれたのは嬉しいんだけど、先生Web小説とか読むんだ……やっぱり教師という仕事のストレスをざまぁ系の作品を見ることで解消しているんだろうか。
「なんで先生がそんなに俺を買ってくれているのかはわかりませんが、言いふらすのはやめてくださいよ」
「わかってるわかってる。純二くんが機嫌損ねて本気出してくれなくなっちゃったら、茜お姉さんも困っちゃうからね~」
俺と鳴海先生は契約を結んでいるようなものだ。
1組を勝利に導く代わりに、俺が隠している実力をなぜか疑っている鳴海先生には黙っていてもらう。
体を伸ばし終わり、今度は俺が鳴海先生の準備運動を手伝う。
「あっ、んあぁっ」
「ちょっ、変な声出さないでくださいよ!」
「だって気持ちいいんだもん……んっ」
準備運動で気持ちよくなるのやめてください! たしかに体伸ばすのは気持ちいけど……。
俺は鳴海先生のなぜかエッチな反応に耐えつつ、準備運動を終えた。
その後は初回ということで身体測定が行われたが、すべての種目を最低ラインの成績にとどめることに成功した。
◇
その後も授業が進んでいった。
初日ということもあり、どの授業も自己紹介や授業の説明といったオリエンテーションがメインだった。
そして今日は半日で授業が終わる。本当ならすぐにでも帰ってアニメを見たりラノベを読んだりしたいとこだが……今日はまだやらなければならないことがある。
委員長決めに向け、海原さんに動いてもらうべく話をする必要がある。すでにアポは取ってある。
「はーい! それじゃあ連絡は以上です」
と、誰もがこれでホームルームも終わりだと思った瞬間。
「続いて今日のペナルティを発表しまーす」
鳴海先生の口から予想外の言葉が飛び出した。ペナルティ? なんのことだ。
「この聖錬高校では、その日の授業で行われた小テストや授業態度などから総合点が出されて、その中で下位の生徒にはノルマが課されることになってます!」
教室内が騒がしくなる。大半の生徒が困惑しているようだ。
4組担任の蛇渕が言っていたデイリーポイントってのはこれのことか。彼はなんでもゲームに例えるのが好きらしい。
「ちなみに今日のペナルティは教室の掃除2名です。陣野くんと鎌切くんは教室に残ってくださーい」
「あぁっ!!?」
さっそく陣野が机をけ飛ばす勢いで立ち上がった。そして教壇に居る鳴海先生に近づいていく。
「ペナルティだと? ざけんな、んな話今初めて聞いたぞ」
「ちょっ、ちょっ、茜お姉さん暴力反対ですよ~。これは学校のルールで、この時間までこのシステムは公開しないことになってるんですよ~」
陣野は今にも鳴海先生に掴みかかりそうな勢いだ。
教室内は騒がしくなっている。多くの生徒がこのシステムに納得いっていないようだ。
いくらルールでもいきなり言われたら対策なんて立てられない……最初に説明するべきだ……などといった声が聞こえてくる。
「ひっ、いひひひひひひひっ」
ペナルティを課せられた1人である鎌切は鳴海先生が陣野に詰め寄られている展開に興奮しているのか、いつも以上に気味の悪い笑みを浮かべている。
と、この混乱した状況下でひとりの男子生徒が声をあげた。
「ペナルティの有無に関わらず、授業を真面目に受けると言うのは当たり前のことだ」
いつも1人で本を読んでいる八神 誠がめずらしく発言したことにより、教室は静まりかえる。
「それすら出来ていない不適合者だから、そこの不良たちはペナルティの対象者になったんじゃないか? 社会でモラルに反する行動をしたら罰を受けるように」
彼の発言があまりにも正論だったためか、先程までの不満の声はクラスから消えてなくなる。
俺はそんな八神くんを見て、やはり男子の委員長には彼が相応しいと改めて思うのだった。
◇
「で、どうしたの? こんなとこに呼び出して。わたしに告白でもしちゃう感じ?」
放課後の空き教室で、海原 心春はいたずらな笑みを浮かべてそう言ってきた。
「ちょっ、鳴海せんせ――」
俺は今座った状態で、鳴海先生に体を押されながら前屈をしている。
肩を包み込む手の平が、背中にのしかかってくる凶悪な胸が、両側から腰を挟み込んでくる豊満な太ももが……すべてが柔らかすぎる。
しかも今の鳴海先生は髪をポニーテールにしており、半袖短パンの体操服であるため非常に露出が激しい。
そんな鳴海先生と俺がペアを組んでいるのを見て、さっきまであぶれている俺をバカにしてた連中は悔しそうにしている。
「てか純二くん、華奢なのにかなり筋肉あるよね」
鳴海先生は体操服の中に手を滑り込ませてきて、腹筋を急に触る。
ひゃっ、変なとこ触らないで……。声出ちゃいそうになるから。
「入学試験の中には体育実技もあった。この体つきで成績が歴代最低って絶対嘘でしょ」
「いやいや、これは帰り道に不良から襲われたときに返り討ちしてざまぁするためにちょっと鍛えてただけです」
「そんなWeb小説みたいなこと現実である?」
通じると思ってなかったネタに返してくれたのは嬉しいんだけど、先生Web小説とか読むんだ……やっぱり教師という仕事のストレスをざまぁ系の作品を見ることで解消しているんだろうか。
「なんで先生がそんなに俺を買ってくれているのかはわかりませんが、言いふらすのはやめてくださいよ」
「わかってるわかってる。純二くんが機嫌損ねて本気出してくれなくなっちゃったら、茜お姉さんも困っちゃうからね~」
俺と鳴海先生は契約を結んでいるようなものだ。
1組を勝利に導く代わりに、俺が隠している実力をなぜか疑っている鳴海先生には黙っていてもらう。
体を伸ばし終わり、今度は俺が鳴海先生の準備運動を手伝う。
「あっ、んあぁっ」
「ちょっ、変な声出さないでくださいよ!」
「だって気持ちいいんだもん……んっ」
準備運動で気持ちよくなるのやめてください! たしかに体伸ばすのは気持ちいけど……。
俺は鳴海先生のなぜかエッチな反応に耐えつつ、準備運動を終えた。
その後は初回ということで身体測定が行われたが、すべての種目を最低ラインの成績にとどめることに成功した。
◇
その後も授業が進んでいった。
初日ということもあり、どの授業も自己紹介や授業の説明といったオリエンテーションがメインだった。
そして今日は半日で授業が終わる。本当ならすぐにでも帰ってアニメを見たりラノベを読んだりしたいとこだが……今日はまだやらなければならないことがある。
委員長決めに向け、海原さんに動いてもらうべく話をする必要がある。すでにアポは取ってある。
「はーい! それじゃあ連絡は以上です」
と、誰もがこれでホームルームも終わりだと思った瞬間。
「続いて今日のペナルティを発表しまーす」
鳴海先生の口から予想外の言葉が飛び出した。ペナルティ? なんのことだ。
「この聖錬高校では、その日の授業で行われた小テストや授業態度などから総合点が出されて、その中で下位の生徒にはノルマが課されることになってます!」
教室内が騒がしくなる。大半の生徒が困惑しているようだ。
4組担任の蛇渕が言っていたデイリーポイントってのはこれのことか。彼はなんでもゲームに例えるのが好きらしい。
「ちなみに今日のペナルティは教室の掃除2名です。陣野くんと鎌切くんは教室に残ってくださーい」
「あぁっ!!?」
さっそく陣野が机をけ飛ばす勢いで立ち上がった。そして教壇に居る鳴海先生に近づいていく。
「ペナルティだと? ざけんな、んな話今初めて聞いたぞ」
「ちょっ、ちょっ、茜お姉さん暴力反対ですよ~。これは学校のルールで、この時間までこのシステムは公開しないことになってるんですよ~」
陣野は今にも鳴海先生に掴みかかりそうな勢いだ。
教室内は騒がしくなっている。多くの生徒がこのシステムに納得いっていないようだ。
いくらルールでもいきなり言われたら対策なんて立てられない……最初に説明するべきだ……などといった声が聞こえてくる。
「ひっ、いひひひひひひひっ」
ペナルティを課せられた1人である鎌切は鳴海先生が陣野に詰め寄られている展開に興奮しているのか、いつも以上に気味の悪い笑みを浮かべている。
と、この混乱した状況下でひとりの男子生徒が声をあげた。
「ペナルティの有無に関わらず、授業を真面目に受けると言うのは当たり前のことだ」
いつも1人で本を読んでいる八神 誠がめずらしく発言したことにより、教室は静まりかえる。
「それすら出来ていない不適合者だから、そこの不良たちはペナルティの対象者になったんじゃないか? 社会でモラルに反する行動をしたら罰を受けるように」
彼の発言があまりにも正論だったためか、先程までの不満の声はクラスから消えてなくなる。
俺はそんな八神くんを見て、やはり男子の委員長には彼が相応しいと改めて思うのだった。
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「で、どうしたの? こんなとこに呼び出して。わたしに告白でもしちゃう感じ?」
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