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第4話 ドSメイド、ミレナ
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ミレナは「あなたが望んだのでしょう?」と言っていた。つまり、あのアプリはプレイヤーが望んだ理想のヒロインを具現化させることができるツールだとでも言うのだろうか。
「ミレナは、俺がこのアプリで生み出したからここに来たってこと?」
そう問いかけると、せっせと掃除を進めているミレナは横目でこちらを見た。そして「はぁ~」と面倒くさそうにため息をつく。
「少しは自分で考えたらどうです? あなたの脳みそは腐ってるんですか?」
「うっ……」
こ、このメイド、やけに毒舌だぞ……。しかもなんかゴミくずを見るような目でこっちを見てくるし。
「まぁ、少なくともあなたが望まなければ、私という存在は生み出されることもなかったでしょうね」
なんとも回りくどい言い方だが、どうやらそういうことらしい。
あのキャラメイクアプリは、やはり作ったヒロインを現実に生み出すというとんでもないものだったのだ。
しかし、確かに容姿や服装は俺が設定したものだが、毒舌だとか掃除をしてくれるだとか言った属性を設定した覚えはない。
ミレナの言葉とすり合わせるならば、ヒロインの性格や属性は俺の……というかプレイヤーの願望が反映されるということだろうか。
まぁ、確かに家事とか手伝ってくれる美人なメイドさんがいたら……なんて思ったことがないわけではない。というか、むしろ結構普段から考えてるかも。
ミレナの服装をメイドにしたのも、そう言った願望が無意識的に働いていたからかもしれない。
えっ、でも、だとしたら。もしヒロインの性格もプレイヤーの願望が反映されているのだとしたら俺は……。
美人なメイドからゴミくずをみるような目で蔑まれながら罵られたいという願望があるということになってしまうじゃないか……。
そんなことはない……とハッキリ断言できないのがなんとも情けない。
……まぁいい、気を取り直してアプリをもう一回起動してみるか。まだ使ってない機能なんかもあるから、使っているうちにヒントが得られるかもしれない。
ミレナに聞いても毒舌で罵られるだけだし。ぐすん……。
そう思い、俺がスマートフォンを操作していると……
――ツンツンっ、グサッ!
ミレナがほうきの先で俺の身体をつついてきた。しかもなんか今グサッて音したんですけど!?
「ちょっ、ちょっと! やめて!」
「あら失礼、大きなゴミかと思いました」
そう言ってミレナは嗜虐的な笑みを浮かべる。このドSメイド、やけに楽しそうな顔してやがる。
と、その瞬間、スマホに『ヒロインズ・クリエイト』からの通知が来た。
―――――――――――――――――
新クエスト発生!
ヒロインの服装の一部を3回変更しよう!
報酬:1万コイン
―――――――――――――――――
このクエストを見た瞬間、脳内に妙案が浮かんだ。
もしかしたら、このドSメイドに仕返しができるかもしれないぞ……!
「ミレナは、俺がこのアプリで生み出したからここに来たってこと?」
そう問いかけると、せっせと掃除を進めているミレナは横目でこちらを見た。そして「はぁ~」と面倒くさそうにため息をつく。
「少しは自分で考えたらどうです? あなたの脳みそは腐ってるんですか?」
「うっ……」
こ、このメイド、やけに毒舌だぞ……。しかもなんかゴミくずを見るような目でこっちを見てくるし。
「まぁ、少なくともあなたが望まなければ、私という存在は生み出されることもなかったでしょうね」
なんとも回りくどい言い方だが、どうやらそういうことらしい。
あのキャラメイクアプリは、やはり作ったヒロインを現実に生み出すというとんでもないものだったのだ。
しかし、確かに容姿や服装は俺が設定したものだが、毒舌だとか掃除をしてくれるだとか言った属性を設定した覚えはない。
ミレナの言葉とすり合わせるならば、ヒロインの性格や属性は俺の……というかプレイヤーの願望が反映されるということだろうか。
まぁ、確かに家事とか手伝ってくれる美人なメイドさんがいたら……なんて思ったことがないわけではない。というか、むしろ結構普段から考えてるかも。
ミレナの服装をメイドにしたのも、そう言った願望が無意識的に働いていたからかもしれない。
えっ、でも、だとしたら。もしヒロインの性格もプレイヤーの願望が反映されているのだとしたら俺は……。
美人なメイドからゴミくずをみるような目で蔑まれながら罵られたいという願望があるということになってしまうじゃないか……。
そんなことはない……とハッキリ断言できないのがなんとも情けない。
……まぁいい、気を取り直してアプリをもう一回起動してみるか。まだ使ってない機能なんかもあるから、使っているうちにヒントが得られるかもしれない。
ミレナに聞いても毒舌で罵られるだけだし。ぐすん……。
そう思い、俺がスマートフォンを操作していると……
――ツンツンっ、グサッ!
ミレナがほうきの先で俺の身体をつついてきた。しかもなんか今グサッて音したんですけど!?
「ちょっ、ちょっと! やめて!」
「あら失礼、大きなゴミかと思いました」
そう言ってミレナは嗜虐的な笑みを浮かべる。このドSメイド、やけに楽しそうな顔してやがる。
と、その瞬間、スマホに『ヒロインズ・クリエイト』からの通知が来た。
―――――――――――――――――
新クエスト発生!
ヒロインの服装の一部を3回変更しよう!
報酬:1万コイン
―――――――――――――――――
このクエストを見た瞬間、脳内に妙案が浮かんだ。
もしかしたら、このドSメイドに仕返しができるかもしれないぞ……!
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