22 / 36
第18話 妹と過ごす大晦日
しおりを挟む
その後、女性陣全員のスキンシップやデレに戸惑いながらも、なんだかんだ楽しく時間を過ごした。
それにしても、高宮さんがお酒に弱いのは意外だった。前に俺のことお酒が弱いって散々からかってたくせに、自分の方が弱いじゃんか!
まぁ、ちょっとだけ高宮さんをからかうための弱みを握れたということで。こんど彼女が俺のことをからかってきたらからかい返してやりたいな、なんて思う。
その日は結局全員が唯香の部屋に泊まり、次の日の朝にそれぞれ帰って行った。しかも全員が、お正月に俺と一緒に初詣に行こうとのお誘いをしてきて……。
――そして今日は大晦日。
俺は今コタツに入り、大画面で大好きなVTuber事務所の年末特番配信を見ている。
そのために今日は昼に買出しを済ませておいたのだ。今年は蛇原や針ヶ井や轟野に連れ出される心配もないので、気兼ねなくのんびり過ごすことが出来る。最高だ。
そして今年の大晦日には、もう一つ去年までと違うことが……。
「お兄ちゃーん、蕎麦できたよ」
「おぉ、ありがと」
唯香が蕎麦を運んできて、コタツの上に置く。そしてトレイを片付けると、彼女は俺の隣に入り込んできた。
しかも俺の身体にピッタリとくっつくように……。
「ちょっ、唯香? なんで隣なの!?」
「だってここが一番よく画面が見えるもん」
そう言ってみかんを食べ始める唯香。まぁ、確かにこの角度が一番よく見えるけど……。
「じゃあ俺が動くよ、せまいだろうし……」
それに唯香は昔から俺のことキモいとか言ってたしな。こんなにくっつくのも嫌だろう。
「ダメッ、お兄ちゃんは動かなくていいの!」
「えぇっ……!?」
「えへへ、やっとお兄ちゃんを独り占めできる(ボソッ)」
またなんか難聴系主人公じゃない俺ですら聞き取れないレベルのボリュームでボソボソとつぶやくし!
ホント、最近の唯香は様子がおかしい。
この前合コンに参加するためにコーディネートをお願いしたあたりからだろうか。なんかやけに俺のデートの状況を気にかけてくるし。
しかも昨日みんなが俺の家に来てから、今まで一度たりとも呼んだことがなかったのにお兄ちゃんとか呼ぶようになって……。
まぁ、俺も最近は唯香と気兼ねなく近づけるようになったからな。今までは悪友3人の毒牙が唯香に向くことを恐れて、外では唯香が妹だということを悟られないように距離を置いていたのだ。
と、ふいに片方の腕が暖かい感触に包まれた。なんか、唯香が俺の腕に抱き着いてきている。
「あ、あの、唯香……?」
「なに」
唯香は顔を真っ赤にしてプイっと視線をそらしてしまう。けど、それは別に機嫌が悪いというわけではなく、なんか照れくさそうな表情で……。
まぁ、いいか。今まで兄らしいことを何一つしてこれなかったし、今日は唯香を思い切り甘やかしてあげよう。
そう思い、俺は唯香の頭を優しくなでるのだった。
唯香は「うにゃあ……♡」っと、まるで飼い主に甘える猫のような声を出し、ふとそれを恥ずかしがるようにまた顔を背けた。
それにしても、高宮さんがお酒に弱いのは意外だった。前に俺のことお酒が弱いって散々からかってたくせに、自分の方が弱いじゃんか!
まぁ、ちょっとだけ高宮さんをからかうための弱みを握れたということで。こんど彼女が俺のことをからかってきたらからかい返してやりたいな、なんて思う。
その日は結局全員が唯香の部屋に泊まり、次の日の朝にそれぞれ帰って行った。しかも全員が、お正月に俺と一緒に初詣に行こうとのお誘いをしてきて……。
――そして今日は大晦日。
俺は今コタツに入り、大画面で大好きなVTuber事務所の年末特番配信を見ている。
そのために今日は昼に買出しを済ませておいたのだ。今年は蛇原や針ヶ井や轟野に連れ出される心配もないので、気兼ねなくのんびり過ごすことが出来る。最高だ。
そして今年の大晦日には、もう一つ去年までと違うことが……。
「お兄ちゃーん、蕎麦できたよ」
「おぉ、ありがと」
唯香が蕎麦を運んできて、コタツの上に置く。そしてトレイを片付けると、彼女は俺の隣に入り込んできた。
しかも俺の身体にピッタリとくっつくように……。
「ちょっ、唯香? なんで隣なの!?」
「だってここが一番よく画面が見えるもん」
そう言ってみかんを食べ始める唯香。まぁ、確かにこの角度が一番よく見えるけど……。
「じゃあ俺が動くよ、せまいだろうし……」
それに唯香は昔から俺のことキモいとか言ってたしな。こんなにくっつくのも嫌だろう。
「ダメッ、お兄ちゃんは動かなくていいの!」
「えぇっ……!?」
「えへへ、やっとお兄ちゃんを独り占めできる(ボソッ)」
またなんか難聴系主人公じゃない俺ですら聞き取れないレベルのボリュームでボソボソとつぶやくし!
ホント、最近の唯香は様子がおかしい。
この前合コンに参加するためにコーディネートをお願いしたあたりからだろうか。なんかやけに俺のデートの状況を気にかけてくるし。
しかも昨日みんなが俺の家に来てから、今まで一度たりとも呼んだことがなかったのにお兄ちゃんとか呼ぶようになって……。
まぁ、俺も最近は唯香と気兼ねなく近づけるようになったからな。今までは悪友3人の毒牙が唯香に向くことを恐れて、外では唯香が妹だということを悟られないように距離を置いていたのだ。
と、ふいに片方の腕が暖かい感触に包まれた。なんか、唯香が俺の腕に抱き着いてきている。
「あ、あの、唯香……?」
「なに」
唯香は顔を真っ赤にしてプイっと視線をそらしてしまう。けど、それは別に機嫌が悪いというわけではなく、なんか照れくさそうな表情で……。
まぁ、いいか。今まで兄らしいことを何一つしてこれなかったし、今日は唯香を思い切り甘やかしてあげよう。
そう思い、俺は唯香の頭を優しくなでるのだった。
唯香は「うにゃあ……♡」っと、まるで飼い主に甘える猫のような声を出し、ふとそれを恥ずかしがるようにまた顔を背けた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
陽キャグループを追放されたので、ひとりで気ままに大学生活を送ることにしたんだが……なぜか、ぼっちになってから毎日美女たちが話しかけてくる。
電脳ピエロ
恋愛
藤堂 薫は大学で共に行動している陽キャグループの男子2人、大熊 快児と蜂羽 強太から理不尽に追い出されてしまう。
ひとりで気ままに大学生活を送ることを決める薫だったが、薫が以前関わっていた陽キャグループの女子2人、七瀬 瑠奈と宮波 美緒は男子2人が理不尽に薫を追放した事実を知り、彼らと縁を切って薫と積極的に関わろうとしてくる。
しかも、なぜか今まで関わりのなかった同じ大学の美女たちが寄ってくるようになり……。
薫を上手く追放したはずなのにグループの女子全員から縁を切られる性格最悪な男子2人。彼らは瑠奈や美緒を呼び戻そうとするがことごとく無視され、それからも散々な目にあって行くことになる。
やがて自分たちが女子たちと関われていたのは薫のおかげだと気が付き、グループに戻ってくれと言うがもう遅い。薫は居心地のいいグループで楽しく大学生活を送っているのだから。
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
恋愛
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
最底辺の落ちこぼれ、実は彼がハイスペックであることを知っている元幼馴染のヤンデレ義妹が入学してきたせいで真の実力が発覚してしまう!
電脳ピエロ
恋愛
時野 玲二はとある事情から真の実力を隠しており、常に退学ギリギリの成績をとっていたことから最底辺の落ちこぼれとバカにされていた。
しかし玲二が2年生になった頃、時を同じくして義理の妹になった人気モデルの神堂 朱音が入学してきたことにより、彼の実力隠しは終わりを迎えようとしていた。
「わたしは大好きなお義兄様の真の実力を、全校生徒に知らしめたいんです♡ そして、全校生徒から羨望の眼差しを向けられているお兄様をわたしだけのものにすることに興奮するんです……あぁんっ♡ お義兄様ぁ♡」
朱音は玲二が実力隠しを始めるよりも前、幼少期からの幼馴染だった。
そして義理の兄妹として再開した現在、玲二に対して変質的な愛情を抱くヤンデレなブラコン義妹に変貌していた朱音は、あの手この手を使って彼の真の実力を発覚させようとしてくる!
――俺はもう、人に期待されるのはごめんなんだ。
そんな玲二の願いは叶うことなく、ヤンデレ義妹の暴走によって彼がハイスペックであるという噂は徐々に学校中へと広まっていく。
やがて玲二の真の実力に危機感を覚えた生徒会までもが動き始めてしまい……。
義兄の実力を全校生徒に知らしめたい、ブラコンにしてヤンデレの人気モデル VS 真の実力を絶対に隠し通したい、実は最強な最底辺の陰キャぼっち。
二人の心理戦は、やがて学校全体を巻き込むほどの大きな戦いへと発展していく。
陰キャぼっちの俺が、カーストトップグループから追放されて孤立しているギャルと仲良くなった
電脳ピエロ
恋愛
新学年が始まってから1ヶ月が経過した頃、カーストトップグループのギャル――神崎 エリカはグループを追放され、クラスで孤立していた。
クラスの生徒達がエリカを無視する中、陰キャぼっちの倉野 充は彼女に話しかけ、仲良くなっていく。
徐々に充とエリカはクラスだけではなく学園内でも受け入れられるようになり、成りあがって行く。
一方で、カーストトップグループはエリカを返してくれと言うがもう遅い。
彼女は俺と楽しく学園生活を過ごしたいようです!
さらに、カーストトップグループは性格最悪な本性が露呈して、次々と落ちぶれて行く。
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)
@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」
このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。
「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。
男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。
「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。
青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。
ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。
「カクヨム」さんが先行投稿になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる